米軍三沢基地（青森県三沢市）所属のＦ１６戦闘機が青森県東北町の小川原湖に燃料タンクを投棄した問題で、防衛省東北防衛局（仙台市）は２０日、湖全域で実施したサンプル調査の結果、燃料油による異常は認められず、安全性が確認されたと発表した。

　小川原湖漁協は同日、禁漁措置を解除し、２２日からシジミ漁を再開する方針を決めた。

　東北防衛局によると、今月半ばに採取した湖水と湖底の土を分析したところ、有毒のベンゼンなどは検出されなかった。ワカサギ、シラウオからは燃料油の成分は検出されなかった。シジミについても、今月上旬までの調査で同様の結果が判明している。

　投棄された燃料タンク（２本）の重さについて、東北防衛局は空の状態で１本２１５キロだと明らかにした。燃料油の容量は１本１４００リットルで、当時はほぼ満タンの状態だったとみられる。

　同漁協の浜田正隆組合長は２０日に記者会見し、禁漁が１か月近くに及んだことについて「一分一秒でも早く解禁したかった」と述べ、禁漁中の補償問題については「まだこれからだ」とした。

　東北町役場では２０日、浜田組合長や東北町の蛯名鉱治町長、米軍三沢基地のＲ・スコット・ジョーブ司令官ら関係者が、サンプルとして採取されたシジミやシラウオの料理を試食して「安全・安心」をアピールした。試食したのはシジミの汁ものと生のシラウオ、シラウオのから揚げの３種で、ジョーブ司令官は報道陣に「おいしい」と話した。

http://sp.yomiuri.co.jp/economy/20180320-OYT1T50099.html