314 名前:おさかなくわえた名無しさん[sage] 投稿日:04/06/29 11:51 ID:AVl7W4HN
数ヶ月前、家の近所で子猫が車にはねられてお亡くなりになっていた。
口から血を出している他には外傷は無く、ぶつかった場所と思しき部分の毛が
大きく乱れているだけだった。
道の真ん中から端に寄せ、家から使っていないブラシを持ってきて乱れた毛を整えてやり、
一緒に体全体にブラシをかけてから、近くの空き地に埋葬しようと抱え上げると、一匹の成猫と目が合った。
その成猫は胸に抱えた子猫の亡骸をじっと見詰めていた。
(母猫かな)と考えつつその場を離れ、近所の空き地で口についていた血を拭いて、埋葬するための穴を
掘っていると先程の成猫が死んでしまった猫とそっくりな子猫を連れてやってきた。
二匹は亡骸を何度も舐めながら、時々短く悲しそうな泣き声を上げていた。
なんか、無言で埋めるのは気が引けたので、「いいかな?」と聞くと、母猫は一回長く鳴いて去っていった。
子猫も、名残惜しそうに何度も振り返りながら母猫の後を追った。
心の中で念仏を唱えながら子猫を埋葬し、半分に折った線香を供えて、線香が燃え尽きるのを待ってから
その場を去った。

今ではその空き地は草ぼうぼうだが、あの時母猫と一緒にいた子猫が埋葬した辺りで日向ぼっこをしているのを
時々見かける。