2: :2015/07/20(月) 02:36:04.12 ID:
おとうさんとおかあさんは、僕が小学校に上がる前にりこんした。
だから僕は、おとうさんの顔をよく覚えていない。
おかあさんは、僕のために朝早くから、夜遅くまで働いた。
だから僕は、おかあさんの料理の味をあまり覚えていない。
僕にはきょうだいは居なかった。
僕の家は、小学校から5分程度の海のにおいのする団地の一室だった。
僕は家の鍵を首から下げて、毎日小学校に行った。
家事は、だいたい出来るようになったけど、友達はできなかった。
たぶん僕は、なんか違う。
他のみんなと何かが違う。
話が合わない。
放課後、遊ばない。
だからみんなの中に入っていけないのは当然だった。
みんなが僕のことを無視するのもしょうがなかった。
3: :2015/07/20(月) 02:36:40.09 ID:
小学一年生の一学期、お楽しみ会の時間だったと思う。
みんなで“一年生になったら”をうたった。
端っこにいた僕の手を、となりの女の子がつかんで元気いっぱい歌っていた。
僕は初めて友達と手をつないだと思った。
おかあさんと最後に手をつないだのもよく覚えていない僕は、そのあたたかさを心地いいと感じた。
2年生になって、僕が本格的にクラスで浮き始めたころ、その女の子と隣の席になった。
女の子は露骨に嫌な顔をした。
僕は少し安心した。
よかった。
また、いつも通り、僕は、僕だけだ。
その子にも悪いから、僕は出来るだけ話しかけないようにした。
おかげで僕は、割と簡単に人間関係というものをあきらめることができた。
それから僕はたくさん本を読んで、たくさん勉強することにした。
小学一年生の一学期、お楽しみ会の時間だったと思う。
みんなで“一年生になったら”をうたった。
端っこにいた僕の手を、となりの女の子がつかんで元気いっぱい歌っていた。
僕は初めて友達と手をつないだと思った。
おかあさんと最後に手をつないだのもよく覚えていない僕は、そのあたたかさを心地いいと感じた。
2年生になって、僕が本格的にクラスで浮き始めたころ、その女の子と隣の席になった。
女の子は露骨に嫌な顔をした。
僕は少し安心した。
よかった。
また、いつも通り、僕は、僕だけだ。
その子にも悪いから、僕は出来るだけ話しかけないようにした。
おかげで僕は、割と簡単に人間関係というものをあきらめることができた。
それから僕はたくさん本を読んで、たくさん勉強することにした。
4: :2015/07/20(月) 02:37:16.35 ID:
3年生になって、クラス替えがあった。
僕は誰よりも早く九九を覚えていたし、漢字の試験はいつも満点だったと思う。
僕は先生に頼まれてクラス委員になった。
クラス委員と言うのは、リーダーの素質のある子供がやるのではない。
勉強だけができる、友達の少ない、ひまな子が押し付けられるものだ。
僕は、みんなが友達と遊ぶのが忙しいということを知っていた。
だから僕は変に揉めるのは時間の無駄だと思って引き受けた。
クラスのみんなは、感情のない拍手を僕に送ってくれた。
家が近い僕は、誰よりも早く教室に来て、メダカにエサをやる。
黒板をきれいにして、日直の名前を書く。
教室にゴミが落ちていたら、拾ってごみ箱に捨てる。
たぶんいくつかは、僕の仕事じゃなかったと思うけど、別に僕はどうでもよかった。
みんなは僕にやってほしいと思っていたし、僕もそれくらいやってもいいと思っていたし。
ただ先生が、分からないことがあったら僕に聞けと言ったせいで、勉強ができない子に教えることになったのはちょっと面倒だった。
となりの席の子はスポーツができるけど、勉強はできないみたいで、僕の時間はその子にずいぶんと取られた。
3年生になって、クラス替えがあった。
僕は誰よりも早く九九を覚えていたし、漢字の試験はいつも満点だったと思う。
僕は先生に頼まれてクラス委員になった。
クラス委員と言うのは、リーダーの素質のある子供がやるのではない。
勉強だけができる、友達の少ない、ひまな子が押し付けられるものだ。
僕は、みんなが友達と遊ぶのが忙しいということを知っていた。
だから僕は変に揉めるのは時間の無駄だと思って引き受けた。
クラスのみんなは、感情のない拍手を僕に送ってくれた。
家が近い僕は、誰よりも早く教室に来て、メダカにエサをやる。
黒板をきれいにして、日直の名前を書く。
教室にゴミが落ちていたら、拾ってごみ箱に捨てる。
たぶんいくつかは、僕の仕事じゃなかったと思うけど、別に僕はどうでもよかった。
みんなは僕にやってほしいと思っていたし、僕もそれくらいやってもいいと思っていたし。
ただ先生が、分からないことがあったら僕に聞けと言ったせいで、勉強ができない子に教えることになったのはちょっと面倒だった。
となりの席の子はスポーツができるけど、勉強はできないみたいで、僕の時間はその子にずいぶんと取られた。
5: :2015/07/20(月) 02:37:51.12 ID:
少女「ねえ、漢字ってこんなに覚えなきゃいけないの?」
僕「そうだよ」
少女「2年生の時はもっとずっと少なかったのに!」
僕「・・・」
少女「どうやって覚えたらいいかな?」
僕「いらない紙の裏とかに何回も書けばいいんじゃない?」
少女「ええー・・めんどくさい」
僕「がんばるしかないよ」
少女「わたしずっとイス座ってるのきらいなんだよ」
僕「それでもがまんしてやらないと」
少女「ねえ、宿題とかさ、一緒にやろうよ」
僕「・・・」
僕(そっか・・この子、1・2年生の時僕と違うクラスだったから知らないんだな・・)
僕「・・・とりあえず自分でやってみたら?」
少女「ええー?!」
僕(時間が経てば、この子も気づいて、僕の事無視してくれるよね)
少女「ねえ、漢字ってこんなに覚えなきゃいけないの?」
僕「そうだよ」
少女「2年生の時はもっとずっと少なかったのに!」
僕「・・・」
少女「どうやって覚えたらいいかな?」
僕「いらない紙の裏とかに何回も書けばいいんじゃない?」
少女「ええー・・めんどくさい」
僕「がんばるしかないよ」
少女「わたしずっとイス座ってるのきらいなんだよ」
僕「それでもがまんしてやらないと」
少女「ねえ、宿題とかさ、一緒にやろうよ」
僕「・・・」
僕(そっか・・この子、1・2年生の時僕と違うクラスだったから知らないんだな・・)
僕「・・・とりあえず自分でやってみたら?」
少女「ええー?!」
僕(時間が経てば、この子も気づいて、僕の事無視してくれるよね)
6: :2015/07/20(月) 02:38:34.30 ID:
少女「・・・やっぱりダメ!イスに座ってらんない!」
僕「え?何の話?」
少女「宿題!」
僕「・・・」
少女「今日も宿題出たら一緒にやって!」
僕「えー・・・」
少女「いーじゃん!勉強できるんだから!」
僕「はぁ・・・じゃあ図書館でやる?(教室で僕といっしょに勉強してるの
他の子に見られたらこの子が可哀想だな)」
少女「わたし図書館って喋っちゃいけないから嫌い。だからうちでやろうよ」
僕「・・・え?」
少女「あ、僕の家のがいい?」
僕「あ・・えっと・・うちはダメ」
少女「そーなんだ。じゃあうちでいいよね」
僕「・・・」
少女「じゃあ今日はいっしょに帰ろう!あ、クラス委員のしごと終わるまで待ってるね!」
少女「・・・やっぱりダメ!イスに座ってらんない!」
僕「え?何の話?」
少女「宿題!」
僕「・・・」
少女「今日も宿題出たら一緒にやって!」
僕「えー・・・」
少女「いーじゃん!勉強できるんだから!」
僕「はぁ・・・じゃあ図書館でやる?(教室で僕といっしょに勉強してるの
他の子に見られたらこの子が可哀想だな)」
少女「わたし図書館って喋っちゃいけないから嫌い。だからうちでやろうよ」
僕「・・・え?」
少女「あ、僕の家のがいい?」
僕「あ・・えっと・・うちはダメ」
少女「そーなんだ。じゃあうちでいいよね」
僕「・・・」
少女「じゃあ今日はいっしょに帰ろう!あ、クラス委員のしごと終わるまで待ってるね!」
7: :2015/07/20(月) 02:39:27.79 ID:
僕「お・・・おじゃまします」
少女「ただいまー!」
少女母「おかえりー、アラお友達?」
少女「うん!宿題教えてもらうの!」
僕「あ・・えっと・・すいません」
少女母「あら、そうなの?ありがとね!お名前は?」
僕「・・・僕です」
少女母「あ、僕くんってクラス委員の子ね?うちの子が話してくれるから知ってるよ。いつもこの子のお勉強見てくれてありがとうね」
僕「あ・・いえ」
少女「おかーさん!もうそういうのいいから!」
少女母「ハイハイ。じゃあおやつ作ってあげるからお勉強見てもらいなさい。僕くん、よろしくね」
僕「は・・はい」
***
僕「・・・えっと、計算は何回も繰り返した方がいいよ。忘れちゃうから」
少女「むり!わかないもん」
僕「何時間もやらないでいいから、毎日ちょっとだけ・・5分でいいから毎日やるの」
少女「うーん・・5分なら」
少女母「おやつ持ってきたよー」
僕「お・・・おじゃまします」
少女「ただいまー!」
少女母「おかえりー、アラお友達?」
少女「うん!宿題教えてもらうの!」
僕「あ・・えっと・・すいません」
少女母「あら、そうなの?ありがとね!お名前は?」
僕「・・・僕です」
少女母「あ、僕くんってクラス委員の子ね?うちの子が話してくれるから知ってるよ。いつもこの子のお勉強見てくれてありがとうね」
僕「あ・・いえ」
少女「おかーさん!もうそういうのいいから!」
少女母「ハイハイ。じゃあおやつ作ってあげるからお勉強見てもらいなさい。僕くん、よろしくね」
僕「は・・はい」
***
僕「・・・えっと、計算は何回も繰り返した方がいいよ。忘れちゃうから」
少女「むり!わかないもん」
僕「何時間もやらないでいいから、毎日ちょっとだけ・・5分でいいから毎日やるの」
少女「うーん・・5分なら」
少女母「おやつ持ってきたよー」
8: :2015/07/20(月) 02:40:07.48 ID:
僕「あ・・・すいません」
少女母「僕くんのおうちに電話しておこうかな?おやつ出しましたよーって」
僕「あ・・えっと、大丈夫です。僕の家今誰も居ないし。それにいつもおやつって食べてないから」
少女母「アラそうなの?僕くんちょっとやせてるから、おやつも食べた方がいいかもよ」
僕「あ、はい・・ありがとうございます」
少女「いただきまーす」
少女母「こら、宿題終わったんなら手を洗ってから食べなさい。手のひらに鉛筆の色ついてるよ」
少女「はーい」
僕「あ、僕も水道かります」
少女母「うん」
***
僕「・・・」もぐもぐ
少女「おいしい?」もぐもぐ
僕「うん」
少女母「よかった!この子ドーナツ好きだからよく作るの」
僕(・・・ドーナツってつくれるんだ)
少女「?」
僕「あ・・・すいません」
少女母「僕くんのおうちに電話しておこうかな?おやつ出しましたよーって」
僕「あ・・えっと、大丈夫です。僕の家今誰も居ないし。それにいつもおやつって食べてないから」
少女母「アラそうなの?僕くんちょっとやせてるから、おやつも食べた方がいいかもよ」
僕「あ、はい・・ありがとうございます」
少女「いただきまーす」
少女母「こら、宿題終わったんなら手を洗ってから食べなさい。手のひらに鉛筆の色ついてるよ」
少女「はーい」
僕「あ、僕も水道かります」
少女母「うん」
***
僕「・・・」もぐもぐ
少女「おいしい?」もぐもぐ
僕「うん」
少女母「よかった!この子ドーナツ好きだからよく作るの」
僕(・・・ドーナツってつくれるんだ)
少女「?」
9: :2015/07/20(月) 02:40:51.11 ID:
少女「ねえ、この後遊ぼうよ」
僕「え・・えっと・・何して?」
少女「いつも何してるの?」
僕「・・・」
少女「?」
僕(・・・帰ったら宿題と勉強をする。スーパーで買い物をして夕ご飯を作る。食器洗っておふろ沸かして、おふろ出たら少しテレビ見て、本を読んで、8時になったら寝る)
僕「・・・本読んだり」
少女「えー外で遊ぼうよ!」
僕「・・・何して?」
少女「木に登ったりとか!」
少女母「ママ病院行ってくるから、遊びに行くついでにリリーの散歩お願いしてもいい?」
少女「はーい。いこっ!」
僕「う、うん」
少女「ねえ、この後遊ぼうよ」
僕「え・・えっと・・何して?」
少女「いつも何してるの?」
僕「・・・」
少女「?」
僕(・・・帰ったら宿題と勉強をする。スーパーで買い物をして夕ご飯を作る。食器洗っておふろ沸かして、おふろ出たら少しテレビ見て、本を読んで、8時になったら寝る)
僕「・・・本読んだり」
少女「えー外で遊ぼうよ!」
僕「・・・何して?」
少女「木に登ったりとか!」
少女母「ママ病院行ってくるから、遊びに行くついでにリリーの散歩お願いしてもいい?」
少女「はーい。いこっ!」
僕「う、うん」
10: :2015/07/20(月) 02:41:58.95 ID:
リリー「わんっ」
僕「うわっ!」
少女「あはは!大丈夫だよ!リリーって知らない人の事も大好きだから」
リリー「わんっわんっ」
僕「う・・うん」
***
僕「リリーって女の子?」
少女「うん、そうだよ!私よりとしうえなの!」
僕「そうなんだ」
少女「かわいいでしょ?」
僕「・・・うん」
少女「リリーはいい子だよ?」
僕「・・そうだね」
リリー「ヘッヘッヘ・・・」
少女「今日はありがとね!また勉強教えてね!」
僕「・・・うん」
リリー「オンッ」
僕「わっ!」
少女「あははっ!じゃあまた明日ね!」
僕「・・うん。また明日」
・・・
ガチャッ
僕「・・・あ・・買い物・・まあいっか。あるものでいいや」
リリー「わんっ」
僕「うわっ!」
少女「あはは!大丈夫だよ!リリーって知らない人の事も大好きだから」
リリー「わんっわんっ」
僕「う・・うん」
***
僕「リリーって女の子?」
少女「うん、そうだよ!私よりとしうえなの!」
僕「そうなんだ」
少女「かわいいでしょ?」
僕「・・・うん」
少女「リリーはいい子だよ?」
僕「・・そうだね」
リリー「ヘッヘッヘ・・・」
少女「今日はありがとね!また勉強教えてね!」
僕「・・・うん」
リリー「オンッ」
僕「わっ!」
少女「あははっ!じゃあまた明日ね!」
僕「・・うん。また明日」
・・・
ガチャッ
僕「・・・あ・・買い物・・まあいっか。あるものでいいや」
この記事へのコメント
1. Posted by 名無し 投稿日:2018年04月22日 23:29
だから「うざっ」だったのな
2. Posted by 名無し 投稿日:2018年04月22日 23:43
( ;∀;)イイハナシダナー
3. Posted by 名無し 投稿日:2018年04月22日 23:53
長すぎて読む気しない
会話しようつってんのに長々自分語りし始める男ってうざっ
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