36 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・[] 投稿日:2001/05/05(土) 20:10
 この間、弟と車でとある所に行こうとしたとき、よく信号待ちで捕まる場所に
さしかかった。案の定信号は赤で、俺の前には数台の車が停車している。
 ブレーキを踏んで減速。なぜか対向車の存在が気になり、反対車線を
確認する。当分来る様子はない。
 前方で停車中のトラックまでもう少しといったとき、不意にバックミラーを
確認すると、後ろから猛スピードで突っ込んでくる車が見えた。
(ヤバイ! 絶対にぶつかる!!)そう思った次の瞬間、後ろから凄まじい
衝撃と音が伝わってきた。
 前方にはトラック。このまま挟まれたら、十中八九助からない。俺は先程
対向車が来ないのを確認していたのを覚えていたのか、咄嗟にハンドルを
右に切り、前方のトラックを回避しようとした。
 が、間に合わず、俺の車の左側面とトラックの右バンパーが接触する。ドア
ミラーが飛び、サイドウインドーが砕け散った。無数のガラス片が、俺の身体に
降りかかる。
 幸いにも、前方から対向車はやはり来ていなかった。俺はハザードを点灯させ
車を停める。弟もどうやら無事のようだ。車から降り、状況を確認する。
 車は後部のハッチがグシャリと潰れ、後輪のタイヤハウスとタイヤが、両輪共
仲良くくっ付いている。車は前方に停車していたトラックよりも前方で停止していた。
10m以上は弾かれたようだ。
 この勢いでトラックとのサンドイッチにされていたら……。身体に寒気が走る。
 幸いにも、俺と弟の怪我は大した事がなかった。もし、あの時対向車を確認して
いなかったら……。もしバックミラーを確認していなかったら……。今ごろ、兄弟
二人揃って死んでいたかもしれない。
 事故から数時間後、俺はふと思い出した事があった。
(明日は、去年交通事故で死んだアイツの法事だったな)
 都合の良い解釈かもしれないが、俺には死んだ友人が何気に警告してくれたの
ではないかと思う。偶然にしては、色々と重なりすぎていたからだ。
 ありがとう。……○○。そっちに行ったら、またバカ話しでもしような。