特集
2018年4月30日
これがシロアマダイという魚です。私も生まれて初めて見ました。
昨年末、相模湾のアマダイ釣りにいったら、シロアマダイという超レアな種類が釣れた。しかも大物。
このシロアマダイは市場価格でキロあたり1万円以上もする超高級魚で、庶民の口に入るような魚ではないのだとか。これぞ釣り人の特権だ。 たぶん一生で一度となるシロアマダイをじっくりと食べてみたのだが、なるほどこれは珍しいだけではなく、味が良いからこその高級魚なのだと納得した。
玉置標本(たまおきゆたか)
趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。前の記事:「ベランダ菜園でパクチー(香菜)を育てた(デジタルリマスター版)」 人気記事:「一番安い寝台車のシート、ノビノビ座席で寝てきた」 > 個人サイト 私的標本 趣味の製麺 アマダイには赤と白と黄色がある相模湾で釣れるアマダイには、赤と白と黄色がある。知識としては知っていたのだが、実際に釣れるほとんどは赤のアカアマダイであり、シロアマダとキアマダイは、釣ったことも、見たこともなかった。
もしかしたらキアマダイは、釣っても気が付いてないだけかもしれないが。 このピンクの魚がアカアマダイ。一般的にアマダイといえばこれのこと。
昨年末、幻のシロアマダイが私の竿に掛かった。水面に上がってきた見慣れない姿にびっくりしたのをよく覚えている。
どれくらい珍しいかというと、私が乗船した船宿は、秋から冬に掛けてアマダイ狙いの乗合船を毎日のように出しているが、シロアマダイはシーズン中たったの4匹だったそうだ。 12月23日の釣果なので、これが俺のホワイトクリスマス。
釣りをしない人、魚に興味のない人にはまったくピンとこないであろう話だが続ける。うれしかったから。
釣れたのは53センチの大物だ。シロアマダイというだけあって、アカアマダイにくらべて明らかに白い。そしてモッサリとした独特のシルエットがかわいい。 なんというか、シーラカンスのような古代魚を髣髴とさせる独特の雰囲気をを持っている。あるいは懐かしのシーマン(人面魚のゲーム)っぽさ。 なるほど、白い怪魚だね。
このシロアマダイ、こう見えても超高級魚。乗り合わせた方の話では、市場価格でキロ1万円オーバー。すべてが高級料亭に直行だとか。
釣果なのでプライスレスな悦びなのだが、それにしてもすごいプライスだ。相模湾でキロ単価が一番高い魚なのかもしれない。 上がシロアマダイ、下がアカアマダイ。知らずに外見だけで判断すれば、アカアマダイのほうがうまそうに思える。
さすがにキロ1万越えは都市伝説かもと思ったが、この釣果をSNSにアップしたところ、知り合いの水産関係者が、「キロ1.5万以上、高いときなら3万以上、シロアマダイは別格!」とコメントしてくれたので、どうやら本当に超高級魚のようである。
どこぞに売れば次の釣りの資金になるかなともちょっと思ったが(そんなアテはないけどね)、自分の手で料理して、食べた方が得るものは大きいだろう。しっかりとその味を確かめさせていただくことにした。 なるほど、これは高級魚だ大事に持ち帰ったシロアマダイ、翌日にその重さを量ってみると2キロ弱だった。キロ単価の倍ということか。うわぁ。
もし市場に並ぶとしたら、安くて3万、高くて6万オーバーなのか。
昨年釣って食べたという方から聞いた話によると、その身は地鶏のようであり、腹ビレを焼くと手羽先のようだとか。え、鶏?
刺身は旨味がすごくて、昆布締めにすると昆布の味が邪魔に思えるほどなのだと、恍惚の表情で教えてくれた。 この腹ビレあたりが手羽先みたいになるらしい。
その値段と味の評判に手足を震わせながら、二度と捌くことのないであろう魚を丁寧に下ろしていく。
皮に傷をつけないよう、猫のブラッシングのように優しくウロコをとる。
内臓をとりだずと、その奥に脂肪がたっぷりと溜まっていた。うまい魚の証である。
緊張しながらその身に包丁を入れていくと、もう刃先から高級魚であることが伝わってくる。
この白身の弾力、皮の厚み、もう絶対にうまいやつだ。 とりあえず頭を落として、二枚にしてみた。
この一匹で何品の料理を作ろうかと思案しつつ、調理しやすいように切り分けていく。
生も食べたいが、火を通した味も知りたい。きっと部位ごとに味も違うのだろう。 うーん、食べる前からもう楽しい。 このように分けてみました。
|