男「押すと10億円もらえるけど親友が失明するボタン？」
- 2018年05月11日 19:40
- SS、神話・民話・不思議な話
- 25 コメント
- Tweet
男「1億……いや10億円ありゃ一生遊んで暮らせるだろうに……」
「だったら10億円くれてやろうか？」
男「え？」
悪魔「私は悪魔だ」
男「悪魔！？」
悪魔「このボタンを押せば、お前は今すぐ10億円を手にすることができる」
男「マジで！？ ――押す押す！」
男「……いやちょっと待て」
悪魔「そこは絶対安全に使える金が出てくる、と保証しておこう。悪魔のプライドにかけて」
男「だったら、俺にとんでもない事態が降りかかるんだろ？ 大怪我するとか、病気になるとか……」
悪魔「安心しろ。お前の身にはなにも起こらない」
男「ないのかよ！ じゃあ押す！ ……って、ちょっと待て、“お前の身には”？」
悪魔「ああ、このボタンを押すと、お前の親友が失明する」
男「なんだと！？」
男（あいつが……失明しちゃうだと！？）
男「ふざけんな！ 押すわけねえだろ、そんなもん！」
悪魔「そうか、ならば私は消えるとしよう」
男「さっさと消えろ！ シッシッ！」
悪魔「10億円よりも親友を取るならば、仕方あるまい」
男（10億……！）
男「ちょ、ちょっと待て！」
悪魔「なんだ。やたらちょっと待たせる奴だな」
男「失明って……どんな風に失明するんだ？ まさか、目をえぐったりしないよな？」
悪魔「……」ﾆﾔｯ
男「そ、そうか！ それじゃ、たとえば医者にかかったら元に戻せたりは……」
悪魔「絶対不可能だといっておこう。悪魔のプライドにかけて」
男「やっぱり無理か……」
男「えぇと、他には……そ、そうだ！」
男「もし、仮に……仮に俺がボタンを押したとして……」
男「親友であるあいつが、“失明しちゃった原因”を知ることはあるのか？」
男「！」
悪魔「お前がボタンを押して親友が失明したとして」
悪魔「私がそれを親友に伝えることはないし、親友も知ることはできない」
悪魔「お前が自分の口で話さない限りはな」
男（……ってことは俺が犯人だとは、バレないってことか）
男（10億ありゃ、一生遊んで暮らせる。あんなことこんなことしたって、お釣りがくる）
男（親友は失明しちゃうけど、なにも死ぬわけじゃないし）
男（世の中、目が見えなくても立派に暮らしてる人は大勢いるじゃん！）
男（それに、親友にも何億かあげれば、あいつも幸せになれるだろ）
男（よし……押そう！）
悪魔「ん？」
男「俺に、そのボタンを……」
悪魔「ほら」
男「……」
親友『ネットでやべぇ動画見つけたんだ。一緒に見ようぜ～』
親友『俺たちは、ずっと親友だ！』
男「……」
悪魔「またか」
男（あいつはかけがえのない親友だ……）
男（あいつを失明させるだなんて、俺は何考えてんだ！）
男「俺は押さない！」
悪魔「……ほう」
男「絶対に！ 何があろうと！ だから……今すぐ帰ってくれ！」
悪魔「10億を手に入れるチャンスを捨てるというんだな？」
男「ああ、そんなもん捨ててやる！ 丸めてゴミ箱にポイッてなもんだ！」
悪魔「ちょっと待つが？」
男「待たなくていい！ 帰れ！」
悪魔「ならば、私は消えるとしよう」ｼｭｩｩｩｩｩ…
男（消えた……）
男「これで……これでよかったんだ……」
男「親友を不幸にして手に入る大金なんて、クソ喰らえだ……」
男（ところで、さっきの悪魔、どこに行ったんだろう？）
男（やっぱり、自分の故郷――魔界だとか地獄だとかに帰ったのかな？）
男（それとも……もしかして、他の人間のところに行った？）
男（たとえば――……）ｳﾄｳﾄ…
…………
……
男「……」
男「！！！」
男「見えない！ 目はもう開けたのに何も見えない！ 目の前が真っ暗だ！」
男「俺の目が失明してるゥゥゥゥゥ！！！」
男（あの悪魔は、あの後親友のところに行ったんだ）
男（そして、例の“押すと10億円もらえるけど親友が失明するボタン”を――）
男（結果はこの通り……）
男（だけど、だけど、どうして俺があいつを責められよう……）
男（俺だって、あのボタンを押す寸前までいったんだから……！）
男（いや、ちょっと待て……これは……）
男（俺が失明したんじゃない！ 俺の目の前に壁みたいなものがあるだけだ！）
男（この壁の感触……これは！）
男「親友の胸板かッ！」
親友「正解」
男「お前か……！ ビックリさせやがって……」
男「なんで？ なんで朝っぱらから、俺を胸で抱き締めてたんだよ？」
親友「実は昨晩、俺のもとに悪魔が現れてな」
男「！」
親友「お前とのやり取りを……全部聞かせてもらったよ」
男（あの悪魔、全部喋りやがったのか！ バラさないっていってたのに！）
男（いや、あいつがいってたのはあくまで“押して失明させても押したことはバラさない”って話だから）
男（約束を破ったわけじゃないのか……）
親友「そしたらいてもたってもいられず、合鍵を手にここに来て、寝てるお前を抱き締めてしまったんだ……」
男「そうだったのか……いや、ちょっと待て！」
男「全部聞いたんだろ？ だったら、このことも知ってるはずだ」
男「俺が……ボタンを押す寸前までいったことも！」
男「俺はお前に抱き締めてもらえるような男じゃないんだ！」
親友「……」
男「！」
親友「ボタンを押さなかった。俺にはそれだけで十分だ……嬉しいよ」
男「うっ……」
男「うわぁぁぁぁぁぁん！！！」ﾀﾞｯ
親友「おいおい、今度はそっちから胸に飛び込んでくるなんて……参ったな」
親友「泣くなよ……」
男「俺たち……これからもずっと親友だよな？」ｳﾙｳﾙ…
親友「もちろんだ」
親友「いや、これからは……親友以上だ！」
男「うん……！」
悪魔「あの親友に、“男がボタンを押す寸前までいったぞ”と伝えて」
悪魔「二人の友情に亀裂を走らせ、悲劇を生もうとしたら、まさかこんなことになるとは……」
ｱﾝｯ… ﾝｯ… ｱｧﾝｯ…
悪魔「あっ、あの二人、感極まってとうとう行為を始めやがった」
悪魔「私はもう退散するとしよう」
悪魔「これ以上見るのは目の毒だ……私が失明しかねんからな……」
～ END ～
「神話・民話・不思議な話」カテゴリのおすすめ
「ランダム」カテゴリのおすすめ
今週
先週
先々週
コメント一覧
-
- 2018年05月11日 19:46
- 濃厚なhomo
-
- 2018年05月11日 19:48
- ホモかよ（歓喜）
-
- 2018年05月11日 19:49
- 親友(♀)で変換した
-
- 2018年05月11日 19:51
- 恋愛感情抜きの異性の友達なんてあり得るか？つまりそういう事だよ
-
- 2018年05月11日 19:51
- ちょいちょいちょーーーい(トボロロロロロロロ
-
- 2018年05月11日 19:52
- 濃密なホモ！
-
- 2018年05月11日 19:53
- Ifルート
悪魔「ボタンを押したようだな」つ10億円
男「そのスイッチはどうするんだ？」
悪魔「あなたの親友に届けるんですよ」的な展開かと
-
- 2018年05月11日 19:59
- 俺なら親友呼んでお互い押す
-
- 2018年05月11日 20:13
- 俺は親友がいないから押すね
ていうか、親友のいる人ってどれほど居るのさ
-
- 2018年05月11日 20:18
- 見知らぬ他人におまえ今日から親友！宣言してからボタンを押すのだ（悪魔の発想）
-
- 2018年05月11日 20:26
-
上手いこと言ったつもりか
俺なら押すぜ、親友なんていないから、きっと誰も失明しない
-
- 2018年05月11日 20:38
- 俺なら悪魔と親友になる
-
- 2018年05月11日 20:39
- ホモを生み出した罪深き悪魔め！地獄に堕ちろ！
-
- 2018年05月11日 20:44
- 親友が男口調のまな板女子である可能性が微レ存
-
- 2018年05月11日 21:03
- 絶対に押さん
ホモにも走らん
いやあ居ない人には申し訳ないなあ
-
- 2018年05月11日 21:10
- 親友とはおホモ達のことだったのか
-
- 2018年05月11日 21:13
- 友達いないから悪魔が来ないぜ。
-
- 2018年05月11日 21:40
- 余裕で押す
そもそも親友なんていない
というか友人ですら顔見知り程度になった
-
- 2018年05月11日 21:49
- 親友いないから押すって言ってる奴ら
親友いない奴のところにこの悪魔が来るわけねーだろうが！
-
- 2018年05月11日 22:20
- ウホッ(歓喜)
-
- 2018年05月11日 22:38
- ※19
まあそうだよね
あるいはいないと押せない効果がない
-
- 2018年05月11日 23:02
- 俺なら橋本環奈の片目で20億円にして貰う
-
- 2018年05月11日 23:02
- 俺は押したくないわ。もう付き合い無いが、もし押してあのクソ共の誰かが失明したらそいつを親友と認めねーとだからな。クソが。
-
- 2018年05月11日 23:46
- 失明はきついなぁ
ランク下げて親友のチソコもげるボタン２億にしてくれませんか
-
- 2018年05月11日 23:56
- やっぱりホモじゃないか
スポンサードリンク
デイリーランキング
ウィークリーランキング
マンスリーランキング
画像・動画
掲示板サイト
アンテナサイト
新着コメント
最新記事
LINE読者登録QRコード
解析タグ
スポンサードリンク
