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江戸時代に栄えた日本の伝統文化。浮世絵に描かれた鮮やかな刺青の数々 : カラパイア

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 江戸時代中期に確立されたとされる、色彩豊かで華麗な日本の入れ墨(刺青)文化。

 とっても恥ずかしい「入墨刑」(関連記事)が刑罰として採用され、簡単には消えないことが一般的に再認識されたことがきっかけでリバイバル・ブームとなったそうだ。

 特に、博徒や火消し、鳶、飛脚など肌を露出する職業では入れ墨を「粋」だと考え、複雑なデザインを全身に施す者もいたという。

 その際、モチーフになることも多かったのが浮世絵である。

 浮世絵師が入れ墨の下絵を手掛けたりもしたそうで、当時、浮世絵と入れ墨、そして浮世絵の題材として好まれた歌舞伎は切っても切れない3大カルチャーだったようだ。

 そんなわけで、江戸時代の浮世絵にはどんな入れ墨が描かれているのか見ていこう。
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江戸時代の浮世絵に描かれた入れ墨


 アメリカ・ニューヨークに、日本を中心とした東アジア全域のアートを扱うアートギャラリー、ローニン・ギャラリー(Ronin Gallery)がある。

 ここで2015年4月、「タブー 浮世絵と日本の入れ墨の伝統(TABOO : Ukiyo-e & the Japanese Tattoo Tradition)」が開催された。

 この企画展では、次のような浮世絵が展示されたようだ。

1. 三代目豊国作「十木伝七 中村芝翫」(1861年 / 木版刷)
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2. 豊原国周「九紋龍史進 市川團十郎」(1898年 / 木版刷)
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3. 月岡芳年「英雄日本水滸伝より九紋龍史進」(1868年 / 木版刷)
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4. 歌川国芳「英雄日本水滸伝より混江龍李俊」(1830年 / 木版刷)
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5. 参代目彫よし「獏(左)、風神雷神(右)」
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 今では日本の伝統的な入れ墨の技法・手彫りは、その美学とともに世界的なリスペクトを集めている。

 また、身体装飾としてだけでなくアートとしての評価もますます高まっているみたいなんだ。

 それにしてもこれらの浮世絵のような凝った入れ墨を全身に入れるとなると、かなり痛かったんじゃあないだろうか・・・別名「がまん」って呼ぶというのも分かる気がするね。

References:Spoon-tamago / Wikipedia / Ronin galleryなど / written by usagi / edited by parumo
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コメント

1

1. 匿名処理班

  • 2018年05月13日 19:01
  • ID:YtWGbOGk0 #

残していくべき文化で、誇るべき芸術のはずなんだがなぁ
「消すのが大変」と「反社会的勢力なイメージ」をどうにかできれば

2

2. 匿名処理班

  • 2018年05月13日 19:12
  • ID:hTkCohct0 #

刺青禁止の御触れは度々出ているのに天下に三日法度と言って長続きしないと回想する奉行の話が耳嚢副言にあった。彫り上げるには大変な金がかかるし年をとってから後悔する例も多かったのは今と変わらず。亡くなって湯灌するときに全身恐ろしげな怪物に彩られていると仏どころか鬼になりそうだと言われたりしている。

3

3. 匿名処理班

  • 2018年05月13日 19:28
  • ID:LgDviz350 #

漁師、臥炎の掘り物は、人相不明の遺体で見つかったとき、絵柄で判別するという目的があったようで。
手編みのセーターと同じ意味があったわけだ。

4

4. 匿名処理班

  • 2018年05月13日 19:47
  • ID:ddHll9490 #

「入れ墨」ではなく「彫り物」です。特に江戸時代以降、刑罰としての「入れ墨」と装飾としての「彫り物」は明確に区別されていました。幕末から明治にかけて、その芸術性は海外でも高く評価されていました。現在はヤクザなどの反社会集団の象徴のように扱われてて悲しいことですね。

5

5. 匿名処理班

  • 2018年05月13日 19:52
  • ID:nk..FM6a0 #

東京大学医学部標本室で一度入れ墨見てみたいけど
医学的研究してないし無理だ
写真で我慢するか

6

6. 匿名処理班

  • 2018年05月13日 19:52
  • ID:hNv3eeAZ0 #

実際に刺青した皮とか残っていないのかな?

7

7.

  • 2018年05月13日 20:21
  • ID:RVNce9is0 #
8

8. 匿名処理班

  • 2018年05月13日 20:22
  • ID:kJGPqt0f0 #

やっぱ刺青なんすか笑
最早分かりましたって感じですわ。

9

9. 匿名処理班

  • 2018年05月13日 20:25
  • ID:jTjcjnhO0 #

片岡千恵蔵バージョンで 「おぅ〜〜〜(息継ぎ) このコメント、散らせるものなら散らせてみやがれ!」

10

10. 匿名処理班

  • 2018年05月13日 20:27
  • ID:CVLWjQRA0 #

なんでその後廃れたんだろう?

11

11. 匿名処理班

  • 2018年05月13日 21:15
  • ID:rtysv2fe0 #

赤いマスカラとかウォータープルーフとか見て

12

12. 匿名処理班

  • 2018年05月13日 21:25
  • ID:l.SAG9bU0 #

魏志倭人伝にも記録されてる、昔からの文化だったりする。

13

13. 匿名処理班

  • 2018年05月13日 21:28
  • ID:p0T5iMti0 #

※6
「刺青人体標本」で画像検索するよろし。
でも本物の人体標本とかダメな人はやめておこうな。

14

14. 匿名処理班

  • 2018年05月13日 21:28
  • ID:ddHll9490 #

※10
明治に入って禁止したんだよ。西洋化の弊害だな。ちなみに合法化されたのは戦後。

15

15.

  • 2018年05月13日 21:29
  • ID:v5EImpSR0 #
16

16. 匿名処理班

  • 2018年05月13日 21:53
  • ID:3lyQGwK.0 #

※10
そもそも終戦前までは入れ墨は"違法"だったの。
米国ではタトゥーは問題なかったので、日本にも米国の文化侵略という形で、敗戦を機にGHQが解禁しちゃったわけ。

だからそもそも違法だった日本人として、入れ墨に嫌悪感を感じるのは当然なんだよね...

17

17. 匿名処理班

  • 2018年05月13日 21:55
  • ID:.Dygd56S0 #

近年ではヤクザの方が刺青入れないけどね。

一般人に戻った時困るからって。地方とか小さい組は下からボロボロ辞めていってるし解散してるそうだ。なりたいって新入りもいない。
このまま消滅して欲しい。

18

18. 匿名処理班

  • 2018年05月13日 22:08
  • ID:6ayWFGq.0 #

※1
そういう背景を含めて入れ墨文化なんだと思いますけどね。
都合のいい部分だけを取り上げて、都合の悪い部分は故意に
忘却する。そんなものが「文化」と呼べるでしょうか?

19

19. 匿名処理班

  • 2018年05月13日 22:09
  • ID:FdKQ.aKI0 #

昨今は外国人観光客の入れ墨は特別扱いで温泉入浴OKにしようって流れもあるね
でも入れ墨をした外国人でなおかつ日本の暴力団組織に属している人が悪用する未来しか見えないわ

20

20. 匿名処理班

  • 2018年05月13日 22:39
  • ID:SS90Dgm20 #

西洋のまねごとをして刺青禁止になったんよな
批判されるようなもんでは無いと思うんやけどねぇ

21

21. 匿名処理班

  • 2018年05月13日 22:50
  • ID:QxvNoSdS0 #

桜吹雪は何処から図案持って来たんだろ

22

22. 匿名処理班

  • 2018年05月13日 22:53
  • ID:dOoim2HT0 #

※4
イレズミも刺青と書きますよね、アートの方は。
やはり入れ墨だと刑罰を連想してしまうようで好まれなかったようですね。

23

23. 匿名処理班

  • 2018年05月13日 23:05
  • ID:6zpMTFL70 #

大きい絵柄の和彫りは昔話をモチーフにしてるものが多く
ストーリー仕立てになってたり顔の向きや柄にもちゃんと意味があるから
説明付きで隅々までじっくり見させてもらうと結構面白い

24

24. 匿名処理班

  • 2018年05月13日 23:07
  • ID:OjcUL09p0 #

※18
なくすのと忘却するのは違うと思うぞ。忘れちゃいけない事は記録に残せばいいわけだし
消したい人は傷跡も残さず綺麗サッパリ消せるべきで、「そういう面も含めて文化」を言い訳にして改善しようとしないのはよろしくないと思う。けども
反社会的勢力を連想しちゃうというイメージの改善は、イコール都合のいい忘却なんじゃないかとも思えてきた。んん・・・・人肌に彫るから問題なんじゃないだろうか。革製品に彫って商品化するとかできないのかな

25

25. 匿名処理班

  • 2018年05月13日 23:10
  • ID:S2r.WhRE0 #

ツートンカラーなのは、当時の使用可能な色が
藍色と赤だけだった事によるんだよね

26

26. 匿名処理班

  • 2018年05月13日 23:25
  • ID:mH2SHcOw0 #

※20
そもそも、刺青が意味を成すには
みんなに見られる場所で裸体を晒してこそだけど
(火消し・飛脚・鳶職など)、
公共の往来を裸でウロつくこと自体、野蛮な後進国
と見られるのを恐れ、禁止したからなぁ…。

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