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十万石まんじゅうを3D化するまでのお話 - デイリーポータルZ

 

特集 2018年5月30日
 

十万石まんじゅうを3D化するまでのお話

どうしてこうなったのかよくわからないので説明させてください。
どうしてこうなったのかよくわからないので説明させてください。
埼玉銘菓に『十万石まんじゅう』というものがある。

埼玉に住んだことがある人ならだいたい知ってるという有名なお菓子だ。

かくいう僕も埼玉の川越に8年ほど住んでいたことがあり、名前だけは知っていた。

が、川越は『くらづくり本舗』(というお菓子屋さん)の縄張りなので十万石まんじゅうは食べたことがなかった。
あばよ涙、よろしく勇気、こんにちは松本です。 1976年千葉県鴨川市(内浦)生まれ。システムエンジニアなどやってましたが、2010年にライター兼アプリ作家として自由業化。iPhoneアプリはDIY GPS、速攻乗換案内、立体録音部、Here.info、雨かしら?などを開発しました。著書は「チェーン店B級グルメ メニュー別ガチンコ食べ比べ」「30日間マクドナルド生活」の2冊。買ってくだされ。

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人気記事:「 揚げ物に油をかけると、すっげーウマい」

> 個人サイト keiziweb DIY GPS 速攻乗換案内

まずはCMを見てください

知ってる人には「うまい、うますぎる」と言えば「十万石まんじゅう」と即座に返ってくるくらいおなじみなんですが、知らない人はサッパリ知らないでしょう。

テレビ埼玉(テレ玉)が放送されていない地域にお住まいの方は知らなくても仕方ありません。

神奈川の人に言ったら「なにそれ?」と言われました。

YoutubeにCM動画があったので見てください。
「風が語り掛けます。うまい、うますぎる。十万石まんじゅう。埼玉銘菓、十万石まんじゅう」
公式サイトから動画ファイルをダウンロードできます。コチラ

今でもテレ玉の番組(いろはに千鳥とか)を見ると流れています。懐かCMじゃなくて現役なんですね。

で、食べたい

前述の通り僕は川越の民でくらづくり本舗の支配圏に住んでいたので十万石まんじゅうは食べたことがありませんでした。

なので!食べてみたい!積極的に食べていきたい!ということで本店がある行田市に行ってきました。
看板の文字がなんだかとても良い。
看板の文字がなんだかとても良い。
車体もレトロ感があり、30年前の世界に迷い込んだ様。
車体もレトロ感があり、30年前の世界に迷い込んだ様。
高崎線から秩父鉄道に乗り換えて行田市駅へ。ちょっと乗るだけと思ったら熊谷駅から3駅で310円。意外に距離と運賃がありますね。
待合室の雰囲気も懐かしい。
待合室の雰囲気も懐かしい。
駅の改札も懐かしい感じ。SuicaやPASMOは使えません。
駅の改札も懐かしい感じ。SuicaやPASMOは使えません。
さっそく十万石まんじゅうの看板。『棟』と書いてあるのは棟方志功さんの篆刻印(てんこくいん)です。
さっそく十万石まんじゅうの看板。『棟』と書いてあるのは棟方志功さんの篆刻印(てんこくいん)です。
駅前に降りると、『埼玉県名発祥の地 行田』と書かれた時計が立っていました。
駅前ロータリー。暑いせいか人はあまり歩いてません。
駅前ロータリー。暑いせいか人はあまり歩いてません。
昔、埼玉郡埼玉村(さきたまむら)という村がこの辺にあり、それが埼玉県という名前の由来なんだそうです。

そうか、ずっと『さいたまけん』だと思ってましたが、実は『さきたまけん』であり『テレビさきたま』だったんですね(ちがう)。
行田が埼玉県の元祖であった。
行田が埼玉県の元祖であった。
行田市駅の前には廃業したっぽいレンタルビデオ屋さん。かつては繁盛したのだろうけど、ネット配信がある現代となっては、もう。
廃業したビデオ屋さんの隣は交番でした。お城をモチーフにしてるのは、忍城というお城が行田にあるからでしょう(行かないけど)。
廃業したビデオ屋さんの隣は交番でした。お城をモチーフにしてるのは、忍城というお城が行田にあるからでしょう(行かないけど)。
行田市駅の周辺は色々なものの色が淡くなっており、やっぱりタイムスリップ感がすごい。
窓に貼られた何かの色あせ具合。すべては青になる(赤は褪せやすい)。  
窓に貼られた何かの色あせ具合。すべては青になる(赤は褪せやすい)。  
タクシー会社はあったがタクシーは見かけませんでした。
タクシー会社はあったがタクシーは見かけませんでした。
とても古い、漢字表記のヤマト運輸にグッときた。
とても古い、漢字表記のヤマト運輸にグッときた。
ザ・商店街のオシャレ着屋さん。
ザ・商店街のオシャレ着屋さん。
アーケードなのに普通の家もあるなー、と思ったら江戸時代末期に建てられた半蔵造りの老舗印刷所だそうです。
アーケードなのに普通の家もあるなー、と思ったら江戸時代末期に建てられた半蔵造りの老舗印刷所だそうです。

蔵の街なのだという

行田のことはよく知らずに来たのですが、蔵の街だそうで各所に蔵が建っていました。

行田は足袋の街でもあり、足袋を貯蔵しておくための蔵が多いのだそうです。
石の蔵。蔵と言えば土蔵だと思ってたので新鮮。
石の蔵。蔵と言えば土蔵だと思ってたので新鮮。
こちらも足袋の貯蔵蔵。今はお蕎麦屋さんになってます(準備中で入れず)。
こちらも足袋の貯蔵蔵。今はお蕎麦屋さんになってます(準備中で入れず)。

本店に到着

駅から10分くらい歩いて、十万石ふくさや本店に着きました。

ほほー、ここが十万石まんじゅうの聖地か。
十万石ポーズ。
十万石ポーズ。
たまたまですが、今日は感謝デーだそうです。
たまたまですが、今日は感謝デーだそうです。

なんと、1個60円

感謝セールは年に1回(日本ギフト大賞受賞記念らしい)で、二日間だけ1個60円になります。普段は110円なので半額近いですね。

知らずに買いに来たので得しちゃいました。
感謝セールのおかげか、店内は結構混んでました。
感謝セールのおかげか、店内は結構混んでました。
15個入りを買いました。合計150万石です。
嬉しくて記念撮影。CMで見たことある風景なのです。聖地巡礼です。
嬉しくて記念撮影。CMで見たことある風景なのです。聖地巡礼です。
炎天下を20分くらい歩いて公園に行きました。行田って熊谷の隣だけあって暑いんですね。
炎天下を20分くらい歩いて公園に行きました。行田って熊谷の隣だけあって暑いんですね。
妻が溶けかけてた。
妻が溶けかけてた。

食べます

涼しそうな場所を見つけたので、買ったばかりの十万石まんじゅうを食べてみましょう。

果たして本当にうますぎるのか。
パッケージ。棟方志功さんが描いた絵だそうです。本当のセリフは「うまい。行田名物にしておくには、うますぎる」だったようです。出典  
パッケージ。棟方志功さんが描いた絵だそうです。本当のセリフは「うまい。行田名物にしておくには、うますぎる」だったようです。出典  
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