852 :名無しさん@HOME :04/05/08 09:06
父が死んで一年になる。

父は母の再婚相手で、俺が小学生の時に突然父親になった。
当初は「父さん」と呼べず、悲しい思いをさせたかもしれない。
「○○(父の名)さん」と息子に呼ばれるのはどんな気持ちだっただろう。
息子に「本当の父さんじゃないくせに!」と言われる父はどんな気持ちだっただろう。
毒づき、当たり散らす息子にとても手を焼いていたと思う。

俺が中一の時に事故で両足を折ってしまい、歩けなくなったときがあった。
その時期に期末テストで、追試はほぼ決定だと思っていた時、父がおぶって学校まで連れて行ってくれた。
学校に近づくにつれて他の生徒の好奇の目に晒されている気がして、俺はとても恥ずかしくなった。
実際中一にもなって父親におぶられている俺をクスクス笑う女子もいた。
そんな折、ふと父の顔を背中越しに見ると、とても堂々としていた。
「自分の息子をおぶって何が悪い?」今にもそう言いそうな表情で。

謝罪も感謝の言葉も贈れないまま、父はもう二度と会えないところへ行ってしまった。

俺には叶わない夢がある。
もし父が歩けなくて困ってしまうような時がきたら俺がおぶってやる。
叶わない夢だけど…