沖縄本島南部の糸満市にある『パームヒルズゴルフリゾート』のクラブハウスがとにかくすごいらしい。かつては東洋一とまで称された、まるで宮殿のような豪華絢爛な建物に潜入してきた。
ゴルフ愛好家にとって、沖縄はゴルフ天国だ。
沖縄本島だけでも20箇所以上のゴルフコースがあり、狭い島なので空港や市街地からのアクセスは抜群。そして冬でも温暖なため年間を通してプレイが可能(沖縄は冬がゴルフのハイシーズンと言われている)。しかも海を望むコースも多く景色は抜群とあって、こんなに恵まれた環境は他にないというのだ。筆者はゴルフをしないのだが、言われてみればたしかに納得だ。
そのなかでも、沖縄本島南部の糸満市にある『
パームヒルズゴルフリゾートクラブ』のクラブハウスがとにかくすごいという噂を耳にした。ちなみにクラブハウスというのは会員のための諸設備のある建物。ロッカールームやレストラン、お風呂などが入っている施設のことを指す。
いったいどこがどうすごいのか、これは実際に見てみなければなるまいということで取材を申し込んだところ、大変快く引き受けてくださった。
というわけで、パームヒルズゴルフリゾートクラブのクラブハウス潜入レポートをお届けしたいと思う。
ここはドバイ?度肝を抜かれるクラブハウスがそこに
パームヒルズゴルフリゾートの場所はというと、糸満市平和祈念公園の少し北側にある与座岳(よざだけ)にある。巨大な防空用のレーダー装置(通称:ガメラレーダー)が設置されている陸上自衛隊南与座分屯地に隣接しており、すぐ近くには那覇ゴルフ倶楽部と南山カントリークラブもあり、ゴルフ場密集地帯となっている。ちなみに那覇空港からこのあたりまでは車で20分ほどの距離だ。
非日常感あふれる重厚な雰囲気のエントランスを進んでいく。
こはカンボジア?謎の壁画
ガジュマルの根元に謎の仏像
視覚に入ってくる情報が多すぎて焦っていると、目の前に赤瓦を冠した白い建物が見えてきた。ここが噂のクラブハウスだ。
ばばーん!
ここがゴルフ場の中でなければ、完全に海外のリゾートホテルと勘違いしてしまいそうな立派な建物。
あれ、いつの間に異国にワープしてしまったのだろうか。
エントランスの左右にはゆうに2mはある巨大な鐘
いつもの島ぞうり(=ビーチサンダル)履いてこなくて良かった
...って、なんじゃこれー!!
ちょっとこれは......想像以上すぎる豪華さ.........。
そんじょそこらのインスタ映えなんて軽く鼻で笑えるぐらいのインスタ映え具合だ。
ドバイ?ここはドバイなのか??
そのヤシの木の影から石油王が出てくる展開なのか?
世界各地のクラブハウスを視察して作られたという建物
2Fにあるレストランで石油王...もとい、副支配人でありプロゴルファーでもある國吉博一さん、統括マネージャーの郡豊さんにお話を伺った。
というかレストランも迎賓館のようで思わずのけぞる豪華さだ。迎賓館には行ったことないが。
- 本日はよろしくお願いします。いや、すごいですね...この建物。
いったいいつ頃、どういったコンセプトで建てられたものなのでしょうか?
郡さん:このゴルフクラブが平成3年11月にオープンしていますので、その時に建てられたものですね。
現在はアコーディアグループが経営を行っているのですが、以前は別のオーナーがおりまして、その方がこのクラブハウスを作る際に、海外のクラブハウスをあちこち視察して作ったと聞いています。ですのでコンセプトというか、◯◯風、というのはちょっと難しいところなんです。
当時はアトリウムの中央に噴水があり水も流れていたのですが、なかなか建物の維持も大変で...今は砂を入れている状態です。
敷地内に置かれている骨董品類も前のオーナーが世界中から集めてきたものです。
エントランスに置いてある彫刻のオブジェは向かって右手の緑色のものが翡翠、左手にある白いものがクジラの骨で出来ているんです。あれだけでも相当なものだと思いますよ。外にある石の壁画はたしかベトナムのものだったと思います。
ガラスケースも無くそのまま無造作に置かれている巨大な翡翠製のオブジェ
クジラの骨で作られたオブジェは『西遊記』がモチーフとなっている
- 利用者からの反応は、どのようなものでしょうか?
國吉さんそうですね...よく「バブリー!」と言われますよ(笑)
オープン当時は「東洋一のクラブハウス」と称されたこともあったみたいですけどね。これだけ大きな建物ですと、どうしてもメンテナンスが行き届かなかったり、現在は使っていないフロアがあったりするので、建物を活かしきれておらず「もったいない」と言われることもありますね。以前は現在いる2階のメインレストランの真上のフロアに、また別のイタリアンレストランがあったんですよ。
- このクラブハウスはゴルフをしない人でも利用できるのでしょうか?
郡さん:はい、もちろんです。先日は毎年恒例の母の日スペシャル企画としまして、レストランでの食事と隣の宴会場での沖縄民謡コンサートを開催しまして、おかげさまでたくさんの方にご来場いただきました。毎年このコンサート楽しみにしてくださっているという方もいらっしゃるみたいで。
レストランもこれだけの広さがあるので、親戚の集まりであったりお祝いであったり、模合や女子会にも気軽にご利用いただけると嬉しいですね。
かなり広い宴会場も完備
レストランの窓からはコースが見渡せる
ゴルフをしない人はまず訪れる機会の少ないゴルフ場だが、レストランはコーヒー一杯から気軽に利用できるそうなので、眼下に広がるグリーンを眺めながら非日常の優雅な雰囲気に浸ってみるというのも素敵な過ごし方ではないだろうか。
せっかくなのであちこち見せていただいた
お話を伺ったあと、せっかくなのでクラブハウス内を案内していただいた。
フロアに敷き詰められた大理石は、クラブハウス建設の際にわざわざイタリアから取り寄せたものだそう。
ゴルフシューズなどを販売するプロショップの一画に唐突に石像があって混乱する。
こちらは男性用の大浴場。もちろん男女ともサウナも併設されている。
そして個人的にとても気になったのが、各場所に取り付けられた照明機器。
すべて海外製だろうか。デザインが凝っていてレトロな雰囲気もとても素敵だ。
オープン当初からの照明器具や計器類は交換部品がもはや手に入らないため、メンテナンスしながら大切に使っているそう。
というわけで本日は糸満市にある『パームヒルズゴルフリゾート』のクラブハウスの様子をお届けした。
当初は「東洋一のクラブハウス」とも称された豪華絢爛な建物や調度品は、四半世紀の時を重ねて少しくたびれてきてはいたが、当時の雰囲気を今に伝えてくれるたいへん貴重なものだった。
まさか身近にあるゴルフ場の中にこんな世界が広がっていたとは思いもよらず、驚きとともにまたひとつ沖縄の新たなディープスポットを発掘することができて嬉しい限りだ。
例えるなら、宮殿。ゴルフ場とは、いや沖縄とは、いやいや日本とも思えない驚きの空間が楽しめるパームヒルズゴルフリゾートのクラブハウスへ、ぜひ皆さんもお出かけいただきたい。