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ビルダーバーグ会議は、1954年から毎年1回、北米や欧州の各地で開催される会合である。公式にはヨーロッパと北米間の対話促進を目的としているが、会議内容は非公開となっており謎に包まれている。
そこには各国の政治家や官僚、多国籍企業・金融機関の代表やヨーロッパの王族、貴族の代表者など約130人が出席する。出席者リストや議題はある程度公示されるので、過去、日本からの出席者がいたことが確認されている。
2018年のビルダーバーグ会議は、イタリアのホテル「NH トリノ リンゴット コングレス」で開催された。
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世界最高クラスの権力者が集まる会場は厳重警戒
期間中ホテル全体が貸し切りとなり、ここで”極秘会議”が行われる。謎のベールに包まれている「ビルダーバーグ会議」だ。
世界最高クラスの権力者たちが集まる為、驚くほど厳重な警備が敷かれているのだ。
開催期間中、ホテルの門の前では警察官が厳重警備
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EUと強い結びつきを持つビルダーバーググループと呼ばれる世界エリートの集団は、毎年1度、極秘の会合を催している。
今年の議題はいわゆる”大衆主義”だ。早々たる世界のトップたちが、どうにか時間を割いてここに出席していた。
ホテル周辺には警備する軍警察や、爆発物を確認する探知犬がいる。
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どれほどまでに厳重かというと、会場ホテルの庭園テントの映像を投稿したあるフリーランスのジャーナリストが、イタリア警察に滞在中のホテルに押しかけられ、銃を突きつけてられたほどだ。
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議事録も一切なし。発言者の特定禁止
ビルダーバーグ会議はきわめて秘密裏に行われており、議事録も作成されないほどだ。記者会見などもなく、これ関する報告書も公表されない。
会議にはチャタムハウスルールが適用される。つまり参加者はそこで交わされた情報を用いたり、報告したりすることが許されるが、情報源については秘匿しなければならない。
ビルダーバーグ会議はG7やNATO会議があったまさにその週末に開催された。会議には透明性が必要という批判もある。一方で、会議は参加者の人脈作りやロビー活動の場でしかないという意見も多い。
ビルダーバーグ会議は、1954年にオランダのビルダーバーグホテルで第一回目が開催された。欧米から120名以上の自称”一流市民”が共通の関心事項について毎年意見を交わすために企画されたものだ。
最初の会議の会場となったビルダーバーグホテル
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その秘密性の高さゆえ、様々な陰謀論も
国家元首、王族、軍の将軍、企業のトップ、銀行総裁など各界の要人らが、厳重に警備されたホテルで3日間にわたり世界的な重要事項について議論する。ただし我々庶民はその内容を推測するしかない。
陰謀論的な極端な推測では、リチャード・ニクソン元米大統領の失脚やジョン・F・ケネディ元大統領暗殺なども、ビルダーバーグが仕組んだことであるとまで言われる。
こうした主張はもちろん馬鹿げているが、そうした突拍子もない憶測が流れるのも謎ゆえのことだ。
レンツォ・ピアノが設計した屋上会議室とヘリポート。ここが会議会場だったかどうかは不明
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今年の参加メンバーたち
参加メンバーは厳重に警備されたホテルで3日間にわたり世界的な重要事項について議論する。ただし我々庶民はその内容を推測するしかない。
参加メンバーはある程度わかっている。
英情報機関、MI6のジョン・サワーズ長官、不祥事でバークレイズを辞任したマルクス・アギアスで、両名ともビルダーバーグ会議の元役員である。
航空会社ライアンエアーのマイケル・オライリーCEOも参加。オックスフォード大学、ケンブリッジ大学、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスからの学会の重鎮も参加。
他には、NATO、世界経済フォーラム、ユネスコといった国際的組織のトップや、会議で初となるバチカンからの代表者が参加している。
更に新興のエリート、テクノロジー分野の大物たちもいる。今年はビジネス特化型SNS「リンクトイン」の共同設立者とボーダフォンのCEOが加わった。
Googleのエンジニアリングのディレクター、姉妹企業ジグソーの設立者、ディープマインドのCEOも出席している。
会場となったホテルの入り口は左側の車の陰に隠れている。反対側のフェンスで囲まれた向こうには警察がある
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出席者に配られるスコアカード
出席者全員には黄色い”スコアカード”が配られていた。これは会話の内容を評価するためのものだ。ゲストは「話題の重要性」「パネリストの評価 」「やりとりと議論」といった項目を5段階で評価して、それをカードに記入しなければならない。
議論には、「ヨーロッパにおける大衆主義」「中間選挙前の米国(つまりドナルド・トランプ)」「仕事の未来」「仕事、スキル、給与」「自由貿易は縮小するか?」といったものがある。また「我々はどこにいるか?」というもっと曖昧なテーマもあった。
現在ヨーロッパを席巻し、ホットな話題の1つであるはずの移民問題が挙げられていないことが、それを却って目立たせた。
参加者にはおみやげも
平和的な催し物でよくあるように、最後には出席者に青と白のおみやげ袋が渡された。そこには「ビルダーバーグのイタリア主催者より、フィアット・クライスラー・オートモービルズの寛大さに感謝を表するお土産」と記載があった。
中身はイタリア製化粧品、アニェッリ家による前書き入りのコーヒーテーブルアートブック、ホテルを絵柄のモチーフとしたコインだ。
完全なる秘密主義とエリート主義
ビルダーバーグ会議が提供しているのは、招待された幸運な人たちが人脈作りを行う豊富なチャンスだ。
ビルダーバーグ会議のスポークスマンは、「出席者は旅費や宿泊費を自費で賄っている」と話した。さらに、「ビルダーバーグ会議の小さな事務局を維持する費用は、私的な出資金によって賄われており、接待費用は主催国の運営委員が責任を負う」とも付け加えた。だが誰からの出資金であったのかはわかっていない。
今年もまたビルダーバーグ会議は霧の中に隠された。そこにあるのは完全なる秘密主義とエリート主義で、我々のような一般庶民には、相変わらず何も分からない。
What Is The Bilderberg Group And Do They Control The World?
秘密を維持できる厳重管理
ビルダーバーググループは一般大衆の耳目を遠ざけるために秘密のとばりの裏で会合を行う。地元警察や国家警察、さらには軍までが下々の者たちを近づけぬために手を貸している。
フェンス、バリケード、検問といったものが建てられ、会場となるホテルに入るには金属探知機やX線検査機を通過せねばならない。これらをごまかすことに成功したある記者は、「銃が目に入り始めたら、ビルダーバーグが始まろうとしているのだ」と語っている。
ビルダーバーグ会議はカメラ嫌いなことで悪名高く、マスコミの目からゲストを守るために徹底した対策を講じている。
必要とあらば、関係者を尾行・脅迫したり、監禁したりすることもある。1999年、ジョン・ロンソンというジャーナリストがポルトガル、シントラで開催されたビルダーバーグ会議を調査するために、会議場内に潜入することに成功した。
しかし、その後で「ポルトガルにいる間ずっとサングラスをかけた得体の知れない男たちにつけられ」身の危険を感じたという。
「英国大使館に電話して、秘密結社の差し金に追われていることと、自分が身の程知らずの滑稽なジャーナリストにすぎないことを説明した」と彼は記している。「自分は滑稽どころではなく、心から危機感を感じていた」
大使館からは手助けできることはないと言われたという。
その10年後、やはりジャーナリストのチャーリー・スケルトンは、ギリシャ、ヴォウリアグメニの会場ホテルから800メートルほど離れたところで逮捕された。
彼は「機関銃を持った男」に近づかれたと記している。警察に「ぐるっと囲まれ、肩を小突かれ、『カメラをよこせ!』と怒鳴られた」。それから地元の警察署に連行され、身元を確認された後に釈放された。しかし、その後、写真を撮ったことでまたもや逮捕され、ギリシャでは平服の警察官が監視すると言われた。
今年のビルダーバーグ会議では、ジョシュ・フリードマンというフリーランスのジャーナリストが、会場となったNHリンゴットのオアシスガーデンで、会議開催前の誰もいないテントの様子を撮影し、それを投稿した。
しかし、それから数日後、朝4時に突然イタリア警察がホテルの部屋に飛び込んできて、映像を見せるように要求してきたという。
「まだ暗い時間でベッドで寝ていたよ。階段を登ってくる音がしたかと思うと、突然ドアがすごい勢いで開いて、警官が5人、部屋に押し入ってきたんだ」
「連中は部屋の明かりをつけて、少なくも1人はまだ横になっている僕に銃を向けていた」。警察は名前と映像を要求してきたという。警察からは後になって謝罪を受け、彼の部屋にいたと疑われていた”容疑者”を捜索していたのだと説明された。
2013年、イギリス、ワトフォードの5つ星ホテルでビルダーバーグ会議が開催された時は、警察関連の費用だけで1億5000万円ほどもかかってたことが明らかになっている。
開催地には、民間の軍事・警備会社G4Sのスタッフやフェンスが大量投入され、飛行禁止地区を設けたり、テロ対策まで実施された。
このためにビルダーバーグ側は7500万円ほどを提供していたのだが、地元の警察は内務省(ならびに納税者)に不足分を補填するよう要請した。ビルダーバーグ側によれば、出席者は交通費を自費で支払い、会議の費用は運営員会と主催国が賄っているそうだ。
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コメント
1. 匿名処理班
リアルで世界を動かせる人たちの大会議かあ
未公開ってことは表の部分も闇の部分も題材にされるんだろう
平民の自分には何を話してるのか想像もつかん
2.
3. 匿名処理班
ロスチャイルド家かロックフェラー家が最終決定権あるんやろなぁ
4. 匿名処理班
議事録も無い会議だから公の場では言いにくいかなり突っ込んだ事も話されるんじゃないかな。
大衆をどう扱うか、みたいな事にも言及されるだろう。
もちろん電波で洗脳して、なんて事でなくて具体例やデータ上げてシビアに議論されたりするかもね、というか仮に自分が出席者だったら絶対するね笑