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心霊体験は実在する。ただしその要因はほとんどが睡眠麻痺と頭内爆発音症候群に起因すると心理学者 : カラパイア

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 幽霊を信じている人なら、夜中に死んだ家族が枕元に立ったり、特に何かが動いた形跡はないのに大きな音が聞こえたりといった話を聞いてもすんなり受け入れることだろう。

 信じていない人であっても不可解な体験をすることがある。気のせいで済ますにはあまりにもリアルな体験だ。

 そしてその体験のほとんどは、眠っている間に始まる傾向があるという。

 実際にその体験は真実である。だがそれは幽霊が実在するわけではない。ある要因により引き起こされたひとつの現象なのだという。
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多くの人が経験する眠っている間に始まる心霊体験


 イギリス・ゴールドスミスカレッジの心理学者アリス・グレゴリー教授が心霊体験に関心を持ったきっかけは、超常現象をテーマに研究する同僚のクリス・フレンチ教授とコーヒーを飲んだことだったそうだ。

 フレンチ教授はグレゴリー教授に、心霊体験を大勢の人がしているという話をした。こうした体験は眠っている間に始まる傾向があるという。

 眠ろうと布団に入ると何か普通ではないことが起こる――幽霊の出現かもしれないし、周囲で異常な感じがしたり、何者かの気配を感じたりするといった現象だ。

 またこうした現象を体験した人からは、ベッドで金縛りにあったという証言もよく聞かれる。

 体験者がこれを心霊体験と感じたとしても無理からぬことだ。

 だが睡眠麻痺のような症状なら、なにも幽霊を持ち出さなくてもそうした現象を説明してくれるかもしれない。

 グレゴリー教授は睡眠をテーマとする研究者であり、それゆえに心霊体験に関心を抱くようになった。以下はグレゴリー教授やフレンチ教授が考える心霊体験の科学的な原因だ。

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睡眠麻痺


 私たちが眠っている間、睡眠はいくつかのステージを繰り返す。入眠すると徐々に深い眠りに落ちてノンレム睡眠に達し、そこからまた浅くなりレム睡眠となり、一晩でこれを数回繰り返す。

 レム睡眠は鮮明な夢を見る可能性が最も高いステージだ。このステージではまた体が麻痺する。これは寝ぼけて体が勝手に動き出さないよう防止する、安全装置のようなものだと考えられている。

 ところが、睡眠麻痺の間でもレム睡眠の特徴は続いている。そのために、これを体験した人は、目が覚めているように感じながら夢のような幻覚を見て、同時に体が動かないという体験をすることがある。

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 こうした体験はごく一般的で、約8パーセントの人に起きている。また眠りを特定の方法で邪魔することで睡眠麻痺を引き起こすことすらできる。

 フレンチ教授をはじめとする研究者は、これによって数多くの心霊体験を説明することができると考えている。

 睡眠麻痺に関する情報は一般にも浸透しつつあるが、グレゴリー教授によれば、今だからこそこれについていっそうの理解が必要だという。

 例えば、睡眠麻痺を体験しやすい人とそうでない人がいる遺伝的・環境的要因は何だろうか? 彼女が睡眠麻痺に関連する文献のレビューを行なった結果、ストレス、トラウマ、精神疾患、身体疾患などとの関連性が明らかになったという。


頭内爆発音症候群
 心霊体験をした人からは、夜中に不可解な大きな物音がしたという証言も聞かれる。何かが倒れたわけではないし、車がエンジンを吹かしたわけでもない。

 もちろん頭上でエレキギターが掻き鳴らされたわけでもない。それなのに何かが爆発したかのような音が聞こえるのだ。

 実はこうした現象も睡眠と関連している可能性がある。この現象は、最近ある神経科学者が提唱した「頭内爆発音症候群」という症状で説明できるかもしれない。

・頭の中で爆発音が!20%の人が経験したことのある入眠時に起こる「頭内爆発音症候群」とは?(米研究) : カラパイア

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 私たちが眠りに落ちると、脳幹(意識に関連する脳の一部)の網様体は普通、体を動かしたり、物を見聞きする能力を阻害し始める。

 もし睡眠中に”爆発音”を聞いたのだとしたら、それはこの処理の遅延が原因かもしれない。網様体が聴覚神経細胞をシャットダウンする代わりに、一斉に発火させるのだ。

 このように考えられるが、睡眠麻痺と同様、この症状もあまり研究がされておらず、今後さらに調査が必要だろう。


予知夢


 最後は予知夢についてだ。何年も会っていない友達の夢を見たら、翌日に電話がかかってきてビックリした経験があるかもしれない。

 フレンチ教授はこれについて、ジョン・アレン・パウロスの確率論を用いて科学的に説明している。

 彼によると、そうしたことは1日だけで考えると非常に驚きだが、長い期間で見れば、発生する確率は高いのだそうだ。

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 グレゴリー教授は著書の中で、シンクレア夫人という70歳の一人暮らしの女性との会話に触れている。

 彼女の話によると、家の中にインプという小悪魔がいるらしく、夜中に首を絞めてきたり、押さえつけてきたりして、困っているのだそうだ。

 グレゴリー教授は、こうした人には科学的な説明をして、不安を解消してあげることが大切だと考えている。

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 実は睡眠麻痺を緩和するかもしれない方法として、不安を軽減することが提案されている。したがって、こうした不思議な体験についてきちんとした情報を与えれば、夜中に恐ろしい思いをすることも少なくなるかもしれないのだ。

References:theconversation/ written by hiroching / edited by parumo
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コメント

1

1. 匿名処理班

  • 2018年06月26日 22:43
  • ID:KCucawwg0 #

>実際にその体験は真実である。だがそれは幽霊が実在するわけではない。ある要因により引き起こされたひとつの現象なのだという。
なんと夢のない話なんだ!w

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