とくべつ企画「怖いはなし」
2018年6月26日
お化け屋敷プロデューサー五味さんと。
最近のお化け屋敷はすごい。
それはいつの間にか子どものためのアトラクションではなく、大人を怖がらせるために進化していたのだ。 どうしてこういうことになったのか、作ってる人に聞いてきました。 ※この記事はとくべつ企画「怖いはなし」のうちの1本です。
安藤昌教(あんどうまさのり)
1975年愛知県生まれ。行く先々で「うちの会社にはいないタイプだよね」と言われるが、本人はそんなこともないと思っている。
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正直なところ、近年のお化け屋敷事情を語れるほどの経験もないのだけれど、まあ車が空を飛ぶ時代である、お化け屋敷が進化してもまったく不思議ではないだろう。 最新のお化け屋敷にやってきました。
東京ドームシティにあるお化け屋敷「怨霊座敷」は気鋭のお化け屋敷プロデューサー五味弘文さんが手掛け、映像演出でチームラボが協力しているのだとか。しかも英語・中国語・韓国語の多言語対応。そう聞くと新しいもの好きとしては行ってみたくなるのも当然である。
しかし 何を隠そう僕はお化けが怖い怖いだろうお化け。大人になれば怖いものなんてなくなるのかと思っていたのだけれど違った。これを読んでいる10代20代のお化けが怖い諸君、残念ながら大人になっても怖いものは怖いので覚悟しておいた方がいいです。
しかしこれも仕事だ。プロデューサー五味さんにお話を聞く前に、作品を体験しておくのは礼儀である。意を決して入口をくぐった。 ルールを説明してくれる人がすでに怖がらせ口調なのが完成度高い。
靴を脱ぐところから始まる恐怖このお化け屋敷の特徴として、まず入口で靴を脱いで預けるところからはじまる。ここから先は人の家、という設定なのだ。
靴のロッカーが赤くてすでに不穏である。
靴をぬぐことで足の裏から怖さが伝わってくる。
靴を脱ぐこと自体はちょっとしたことなのだけれど、やってみるとその効果がよくわかる。足の裏で畳を感じることで、瞬時にお客はストーリーの中へと引きずりこまれるのだ。
怖くて逃げたくても靴がないから逃げられない、という話もある。 写っていなくても内股になっていることがわかる写真だ。
僕はかつて彼女と一緒に富士急ハイランドの戦慄迷宮というお化け屋敷に入り、一人もお化けに会う前にリタイヤした経験がある。座右の銘は「君子危うきに近寄らず」だ。
取材とはいえ怖かったらすぐに帰ろうと思い会場の人に事情を話すと、このお化け屋敷にはエスケープ制度がないという。一方通行かよ!営業停止にすべきである。 しかし時すでに遅し、だった。 一人だったら絶対入っていなかった(後ろに写っている人はお化けではなく撮影係)。
おびえる僕をみかねてか、広報担当の人が撮影係として一緒に来てくれた。僕はこういうことに関しては格好つけるタイプではないので、彼女に前を歩いてほしいとお願いしたがそれは断られた。
ところで今回の体験でひとつだけわかったことがある。 リュックを電車に乗るときみたいに前に背負うとちょっとだけ安心感が増すのだ。これは怖がりは全員やってみるといい。 ホッとするから。
前に抱きしめるものがあることで「自分は守られている」という感覚が得られるのかもしれない。しかし結果的に背中が無防備になるので、できれば前後にリュックを背負うといいと思う。友だちが一緒なら「荷物持ってあげるよ」とかいって自分の身を守るのもアリだ。
課せられたミッションが怖い内容については詳しく書けないのが残念だが、簡単に説明すると、ある屋敷で女性がひどいことになっており、おかげで恨みがすごいのでちょっとしたミッションをこなすことでなんとかしてあげよう、ということである。
だけどそれは余計なお世話だと思いますよ。
このお客に課せられた「ちょっとしたミッション」が、今までに体験したことのない怖さなので注目である。お化け屋敷って息を止めて駆け抜けるもの、みたいに考えている人がいるかと思うが、課題が課せられるとそれができないのだ。ほんとによくできていて作った人を恨みたくなる。
ぼ、ぼ、ぼくは悪くないじゃないですか。
このお化け屋敷はクリエイター集団チームラボが映像演出に関わっているとのことで、テクノロジーを駆使した仕掛けもすごかった。具体的に警告すると、床がやばい。あとラスボスがどれだけ注意しても意味がないくらいにやばい。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
これら幾多の困難を乗り越え、ミッションを達成した僕は本当に偉いと思った。
完全に魂を抜かれた後。
このあとプロデューサーにインタビューをしなきゃいけないのだけれど、一回帰って下着を替えてきたい気分である。
プロデューサー五味さん登場そんな僕を出口で待ってくれていたのは、お化け屋敷プロデューサーの五味さん。この怨霊座敷を作った本人である。
五味さん。後ろに写っている怖い人は見ないことにしてください。
どうしてこんなに怖いものを作ってしまったのか、お話をうかがった。
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