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ぼっちのヲタクがリア充になって、またヲタクに戻るまで | 不思議.net

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ぼっちのヲタクがリア充になって、またヲタクに戻るまで

2018年06月30日:23:00

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コメント( 1 )

dandakeyMV2_TP_V


1: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 01:25:46.61 ID:IxXtcTpB0
チラ裏だが、書かせてくれ。
ぼっちだったから夏休みはホームレスと飯食ってた
http://world-fusigi.net/archives/8470535.html




2: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 01:27:46.72 ID:IxXtcTpB0
俺スペック

30代後半。
176cm 60kg
ブサメン一歩手前。いや、普通にブサメンかも。どっちでもいいや。

3: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 01:28:23.35 ID:hGSDyiw10
リア充の間はオタじゃなかったのか?

7: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 01:30:02.00 ID:IxXtcTpB0
>>3
まあ、隠れヲタではあったけど、でもあまり身を入れてヲタってなかった

4: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 01:28:36.17 ID:IxXtcTpB0
俺は元々虐められっ子だった
小学校の時のあだ名はエイズ
当時のイジメは今ほど陰湿じゃなかったような気もするが
補正がかかっているだけかもしれない。

よく、二階から椅子が飛んできたり
プロレスごっこと称して校庭にある池に投げこまれたりした。
精神的なモノよりは肉体的な攻撃が多かったと思う。

5: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 01:29:01.12 ID:LtITK/sF0
それ十分いじめだろ。



8: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 01:31:07.46 ID:IxXtcTpB0
きっかけが何だったのかは解らないが、多分俺がちょっと浮いてたからだろう。
親が厳しい人だったので、TVでアニメやバラエティは一切見せてもらえず
小学校入学当時、俺の知っている事といえば児童文学全集と、日々のニュースのみ。
そりゃあそんな子供、いじめられるわwwwwwwwww

9: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 01:33:45.78 ID:IxXtcTpB0
小学校も後半になると、男子は俺に飽きたらしく、別のヤツをイジメの対象にして遊んでた。
代わりに、今度は女子が敵に回る。
低学年の頃は、俺が虐められると女子が「やめなよー」か何か言ってかばってくれていた。
それが元で俺はリリアンやら何やら、女子の遊びに混ざって遊んで居たんだが
だんだんそれがキモい、という話になって、いつしか女子に敬遠されるようになった。

給食なんかの時に班で机をくっつける時に、女子は俺の机と絶対に接しないようにしていたし
何か忘れたけど、一時的に席替えで俺の椅子に座る事になった女子が泣き出したりした。
泣きたいのはこっちだわ、と思いつつも、殴る蹴るをされないだけマシだったので黙っていた。

10: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 01:36:37.76 ID:IxXtcTpB0
そんな感じで小学校高学年になる頃には立派なぼっちが出来上がっていたんだが
イジメの対象から外れてホっとして平穏だったかというとそうでもなくて
俺はぼっちで居る事が堪らなくイヤだった。
毎日学校が終わった後に、○○クン家でファミコンやろうぜー、とか
誰々の誕生日会どーするー?とかそういう話をしている連中が羨ましくてしょうがなかった。

11: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 01:40:26.46 ID:IxXtcTpB0
しかし、もう4年5年という歳月をかけて作られた人間関係は今から覆せるとも思えなかった。
実際、ほとぼりが冷めた事を願って何度か男子の会話に加わろうとした事もあるが
「お前は入ってくんな、キモい」と言われ、すごすごと引き下がった。
これで勉強なり運動なりが出来ればまだ違ったのだろうが
授業も身が入らず全然聞こえてないし、運動も苦手だったため
俺はとにかく空気として学校に通い続けた。

本当は全く行きたくなかったが
親が厳しかったので、風邪でもひかない限りは休めなかった。
残念な事に精神的苦痛が体調に影響を及ぼすほど、俺の肉体は繊細には出来てなかった。

12: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 01:42:42.48 ID:t6pHSSLJO
(p_;)\(^^ )

13: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 01:45:19.40 ID:IxXtcTpB0
そんな小学校6年の時、俺の人生に希望の光がさす。
オヤジの転勤が決まったのだ。
俺はとにかく、今の小学校の連中と別れたかったので踊り出すほど嬉しかった。

あまり裕福な家ではなかったので、私立に行けない事はわかっていて
もう死んじゃおうかな、なんて思ってた矢先に来た知らせだったので、本当に嬉しかった。
引越を心の支えに、俺は空気として学校に通い、小学校を卒業した。
卒業式の日も誰も話しかけてくれなかったので
担任の先生と、みどりのおばさんと写真を撮って家に帰った。

14: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 01:48:15.28 ID:IxXtcTpB0
小学生編 終了

15: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 01:49:03.65 ID:IxXtcTpB0
~中学校編~

東京に引越し、地元の中学校に入学した俺は、これでやっと憧れの学生生活ができる、と意気揚々だった。
しかしまあ、小学校時代に友人の一人も無く、ロクに友達との会話のノウハウも無い俺が
急に環境が変わったからといって友人が出来るハズも無かった。

16: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 01:51:51.87 ID:IxXtcTpB0
入学当初は多少周囲の席の連中と会話をしたりもしたが
徐々に俺の事が「おかしなヤツだ」と解ると
一人、また一人と距離が離れていくようになった。

17: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 01:51:53.22 ID:t6pHSSLJO
(*_*)

18: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 01:54:12.01 ID:IxXtcTpB0
そんな時に、あまり頓着せずに俺に話しかけてくれたA君という同級生が居た。
何かの話の折りに、親が厳しくてヤマトもガンダムも見た事がない、という話をすると
目の色を変えて「そんなもったいない話があるか」みたいな事を言われた。
そして、ビデオで全部あるから持ってきてやる、と言う。
ところが当時、世の中はβvsVHS戦争のまっただ中で、彼のビデオはウチでは見られない。
そこで、A君の家で見せてもらう、という話になった。

19: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 01:55:18.89 ID:IxXtcTpB0
友達の家に行くなんて、多分幼稚園以来。
翌日(だったかな)死ぬほどドキドキしながら、放課後A君の家に行った。
なんかわからんが、A君の友達が3人ぐらい一緒に行った。
彼の家はちょっとブルジョワジーな家で、お母さんが上品なグラスに麦茶を入れて来てくれた事が印象的だった。
そして、彼の部屋は、ビデオとマンガとガンプラとファンタジー小説で埋め尽くされていた。
そう、彼はオタクだったのだ。

20: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 01:56:47.97 ID:t6pHSSLJO
wktk

21: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 02:01:29.47 ID:IxXtcTpB0
とにかくココで俺はガンダムにずっぽりとハマった。
また、A君とその友達(も当然ヲタク)もいい奴等で、涙が出そうになった
俺はA君の好意にあやかって、ファンタジー小説を随分借りた。
前述の通り厳しい家だったのだが、本を読むぶんにはおとがめ無しだったし
ぼっちで、TVも見せてもらえない小学生時代の俺の友は本だったので、貪るように読みあさった。

22: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 02:04:53.98 ID:IxXtcTpB0
そして、TRPG、シミュレーションゲーム、うる星やつら、と、俺は当時のヲタクの王道を歩んで行った。
何もかもが新鮮で驚きに満ちていたし、それについて語り合える友達がいるのも嬉しかった。
その後俺は彼らと共に、俺は文芸部に入り、完全にモテない中学生の見本みたいなヲタクが出来上がった。
中学生の分際で、カントがどうとか司馬遼太郎の文章が野暮だとか、解ったような顔をして語り合ってるわけだから
端から見たらイタくて仕方なかっただろう。

23: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 02:07:05.67 ID:t6pHSSLJO
(^-^)g"楽しそうだ

24: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 02:07:10.42 ID:hGSDyiw10
聞いてるぞ

25: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 02:08:35.13 ID:IxXtcTpB0
事実、クラスの女子には一顧だにされなかったし、男子にも「おめぇらキモいんだよ」などとよく言われた。
だが、小学校時代のトラウマで女子は怖かったし、男子にキモがられるのも慣れていた。
別に女子とは喋りたくもないし、キモがられても友人や部活の先輩など、話す相手が居るというだけで満足だった。
まあ、中学三年間で女子とは日直業務ぐらいでしか口をきいたことも無かったし
ヤンキーみたいなヤツも結構いたので、ちょくちょく虐められたりカツアゲされたりしたが
文芸部で高尚な話をしている、と思いこんでた俺は「なんてレベルの低いやつらだ」ぐらいに
内心上から目線でコソコソと生きていた。見事な中二病である。

26: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 02:11:31.03 ID:IxXtcTpB0
次の俺の転機は中三で訪れる。
中三のクラスで、ほぼ不登校だった女の子が居るんだが、中三の秋ごろに急に学校に来るようになった。
理由はよく知らないんだが、まあ、ご想像の通り、俺はその子に恋をした。理由はしらん。
それまで、俺は女なんてこの世に居なければいい、と思っていた。いや、ラムちゃんだけは居て欲しいけど。
そんな俺が恋をしたなんて、正直誰にも言えなかった。
A君はじめ、文芸部の面々も当然女にはモテなかったし、女なんてバカな生き物、必要ねぇよ
みたいな(強がった)スタンスだったので、言えるハズもなく
彼ら以外に俺は友達らしい友達は居なかったので、とにかく悶々と彼女の方を見ながら一日を過ごす事になった。

27: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 02:13:30.62 ID:IxXtcTpB0
まあ、中学生のこと、当然彼女が休み時間にどこかに行く、となれば横目で行方を追い
女子特有のツレションという事になれば、俺は「うートイレトイレ」とかなんとか呟きながら
カラッポの膀胱を抱えて後を追う。はっきり言ってキモい。

そんな無駄かつ薄気味悪い努力を繰り返しているうち、ある日、彼女と他の女子の会話を盗み聞きする機会があった。
放課後、屋上だったか、裏庭だったか覚えてないんだが、とにかく、屋外のどこかで彼女の声が聞こえてきたので
俺は有頂天になって影から様子をうかがった。

28: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 02:15:00.09 ID:t6pHSSLJO
wktk

29: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 02:17:51.41 ID:IxXtcTpB0
どうやら彼女らはクラスの男のうわさ話をしているらしかった。
サッカー部のアイツかっこいいよね、でも野球部のコイツもまあまあ、とか。
そして、論外のヤツは、といって挙がった名前が三つ。そのうち一つは当然のように俺だった。
しかし、当時の俺はそれが当然とは思っていなかったので、世界が崩れ去るようなショックを受けた。
だが、憧れの彼女はまだ俺について言及していない。もしかして彼女は俺の良さをわかっt・・・
「あー、あんまり記憶にないけど、確かに気持ち悪いよね、>>1君」
憧れの君は、見事に俺の心にトドメを刺してくれた。

30: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 02:18:12.97 ID:h/Y7QN6w0
みてるぞ

31: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 02:21:32.24 ID:t6pHSSLJO
ちょっとワロタw

32: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 02:21:43.71 ID:IxXtcTpB0
初恋と初失恋を続けざまに味わった俺は、なんだかもう生きる気力を無くして
部活にも顔を出さず、本も読まなければアニメも見ず、1週間ぐらい廃人として暮らした。
A君が俺の様子がおかしい事を心配してくれたが、なんか適当な事を言ってかわした。

33: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 02:24:12.77 ID:t6pHSSLJO
ダメージでかいな

34: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 02:25:38.42 ID:IxXtcTpB0
次の日曜日に、従兄弟が家に遊びに来た。
この従兄弟というのが、当時大学入り立てだったのだが
高校時代陸上部のキャプテンで、可愛いカノジョが居て、現役で京大に入る
という人類の敵みたいな野郎だった。

ただ、俺は兄のように思って慕っていたし、向こうも随分と可愛がってくれていたので
抜け殻みたいになっている俺の様子を不審に思い、話を聞いてくれた。
心の防御力がゼロになっていた俺は、ついつい初恋と失恋の話を打ち明けた。

35: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 02:28:24.97 ID:IxXtcTpB0
それを聞いた従兄弟は、あろう事か俺の背中をゴツい腕でひっぱたくと大爆笑をした。
「そりゃあそうだわwwwwwお前wwww女の子に好かれる要素ドコにもねーもんwwwwwwww」
俺は思わず殴りかかりそうになったが、こんな全身瞬発力の固まりみたいな人間に勝てるわけがない
「どうすればいいと思う?」と、俺は服の裾を握りしめながら聞いた。

従兄弟いわく、まずはスポーツをしろ、との事だった。脳筋らしい従兄弟らしい返事だ。
これで、脳ミソの筋肉を使って京大まで行くってのがタチが悪い。

36: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 02:30:13.63 ID:t6pHSSLJO
www良い兄を持ったなw

37: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 02:31:58.29 ID:IxXtcTpB0
当時の俺は身長は覚えてないが、大体170cmぐらいで、体重は50kg。
ジャンプの巻末についているブルワーカの広告を見てはいつもイヤな気持ちになっていた。
確かに貧弱な坊やが女の子に好かれるハズがない。
マンガを見ていても、モテるのはケンカが強くスポーツが出来るヤツと相場が決まっている。
なんとなくスッキリと納得が行った。

38: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 02:34:31.84 ID:IxXtcTpB0
とは言っても、俺は元々運動が得意なわけではない。
しかも中三のこの時期に、運動部に転部するなんてのはあり得ない。
色々悩んだ結果、高校に入ってからスポーツを始める事にした
結局、中学の三年間、女子とはまともに口をきかなかった。

39: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 02:37:56.83 ID:IxXtcTpB0
高校受験が終わり、俺は少し離れた所にある高校に入った。近所の第一志望は落ちた。
プチブルのA君は名門の私立に行く事になった。文芸部の面々とも離ればなれになった。
卒業式で、少し泣いた。A君とは寂しいけど、家も近いしまた集まろう、って言って別れた。
憧れの彼女には話しかけたかったが、キモがられたら立ち直れないので
泣いている横顔だけ見て満足した。

40: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 02:38:12.77 ID:IxXtcTpB0
中学生編 終了

41: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 02:39:10.75 ID:t6pHSSLJO
じわじわくるなw

42: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 02:40:08.56 ID:IxXtcTpB0
~高校編~

俺の入った高校は男子校だった。
従兄弟には「お前、またなんでモテそうにも無い高校にwwwwwwwバカスwwwwwww」と笑われた。
俺もそう思ったが、まあこれは入試の結果なので仕方ない。
ただ、相変わらず俺は女子が苦手だったので、この環境は嫌いじゃなかった。
そして、俺は自分の肉体を改造するべく柔道部に入った。
理由は覚えてないんだが、当時の無い頭で考えた結果、柔道部をえらんだらしい。

そして、そこは地獄だった。

43: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 02:44:42.67 ID:IxXtcTpB0
その学校は、それなりにスポーツも強豪校で、柔道部のほとんどが段持ち経験者。
当然ながら大会での好成績を目指してガチンコで活動する部活だったのだ。
中学時代、ペンより重いモノを持ったことの無い俺には地獄でしかなかった。
正直、小学校時代に殴る蹴るされていた方がマシだったんじゃ、とすら思った。

そして、俺のガラスのような根性は夏休みの強化合宿であっさりとネをあげた。

45: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 02:47:39.39 ID:IxXtcTpB0
正直、部活のキツさで憧れの彼女の幻影すら思い出す余裕の無い3ヶ月だった。
もういいや、俺、ヲタクに戻る。そう決意した矢先に、ある事件が起きた。
事件、といっても俺に起きたわけではない。
世の中を震撼させた宮崎勤の幼女誘拐殺害事件だ。
宮崎勤って覚えてる?(東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件)
http://world-fusigi.net/archives/8718072.html

東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件

東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件とは、1988年から1989年にかけて東京都北西部および埼玉県南西部で発生した、幼女を対象とした一連の事件である。

この事件は、4歳から7歳という低い年齢の女児が被害者となり、犯行声明を新聞社に送り付ける・野焼きされた被害者の遺骨を遺族に送りつけるなどの、極めて異常な行動を犯人が取ったことから、欧米を中心に多発する児童への性的暴行を目的とした誘拐・殺害事件などとの比較も行われ、戦後日本犯罪史上にて初めてプロファイリングの導入が検討された。

特異性が強い事件であったため、事件発生当初から激しい報道合戦が繰り広げられ、後に犯人の父親が自殺したことで「メディアスクラム」をはじめとする報道のあり方が疑問視された事件でもあった。

宮崎は公判において、「犯行は覚めない夢の中でやった」「ネズミ人間が現れた」「俺の車とビデオを返せ」など、不可解かつ身勝手な発言を繰り返していた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件

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46: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 02:49:10.57 ID:t6pHSSLJO
ふむふむ

47: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 02:54:43.37 ID:IxXtcTpB0
あの事件によって、ヲタクというモノに対する風当たりがもの凄い強さになった。
ちなみに、それまでヲタクという単語は無かった(あったはあったんだろうが、聞いたことが無かった)
高校にもヲタク気質の連中は居たが、これを機に、そういった活動を人前で一切しなくなった。
同じ中学から上がってきたヤツに、俺自身「お前も幼稚園児好きなんだろ?wwww」ぐらいにからかわれたりもした。
幸いクラスが違っていたのと、柔道部という隠れ蓑のお陰であまり噂が立つことはなかったが
当時短絡的だった俺は「もうヲタクに戻ったらあとは犯罪者になるしか無いんだ」
というよくわからない強迫観念に狩られ、部屋にあったヲタクグッズなども全て封印した。

48: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 02:57:01.85 ID:t6pHSSLJO
そんな時代があったねと

49: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 02:59:19.22 ID:IxXtcTpB0
ただ、ヲタクを封印するのと、柔道部の過酷な練習に耐えるのとは別の話だった。
アレに耐えるくらいなら、一生ぼっちで暮らした方がマシだ、とすら思い、二学期に退部届けを出した。
幸運な事に、夏合宿あとというのは、キツい練習に耐えかねた新入部員が続けざまに辞めるタイミングだった。
同時に辞めたクラスメイトのB君というヤツが居たんだが、彼となんとなくウマがあった。

高一の二学期は、B君を含め、なんとなくやる事の無い運動部退部組で固まって過ごした。
C君という、自転車部の退部組が学校のすぐ目の前に住んでいたので
よく放課後に遊びに行ってファミコンやら何やらやって遊んだ。

50: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 03:03:05.32 ID:IxXtcTpB0
B君は、面白いヤツで、基本的に運動はそこそこ、勉強もそこそこ、というヤツだったんだが
なんというか会話が上手で学校のどのグループに行ってもそれなりの扱いを受け
でも、なんとなく風来坊のように深入りしないようなヤツだった。

51: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 03:05:21.04 ID:IxXtcTpB0
二年になる時に、B君が突然「俺さ、バンドやろうと思うんだ」と言い出した。
当時、俺から見たらまだまだロックというのは不良の聖域で、完全に別世界の話だった。
だから彼の発言を聞いて俺は「ああコイツ、部活やめてグレちゃったんだ」と思った。
しかし、彼はこう続けた「だから、お前も一緒にやろうぜ」と。
何を言ってるんだコイツは?俺まで不良の道に引き込むなよ、と思った俺はそうとう拒絶した。
が、彼はしつこかった。とにかくコレをまず一度聞け、と言われ、Bon jovi(だったと思う)のCDを手渡された。

52: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 03:05:30.09 ID:t6pHSSLJO
いるなそういう奴

53: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 03:07:08.44 ID:IxXtcTpB0
家に帰った俺はBon joviを聴き、そして見事にハマった。
ちなみに、リビングのラジカセでかけたらお袋に鬼の形相で
「その騒音を止めろ」とカミナリを食らった。
お袋はクラシックとジャズしか聞かない。
それにしても今もって謎なんだが、なんでウチみたいな貧乏家庭で
なんでクラシックを聞く、とか文学書を読む、とかそういう名家みたいな家風なんだろう。
まあいいや。

54: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 03:11:29.17 ID:IxXtcTpB0
にわか柔道部員からにわかロック少年へと早変わりした俺は、B君とバンドを組む事にした。
B君はヴォーカルギターで、ドラムはB君の中学の先輩とかいうイカツいおっさん
俺と、もう一人別の高校のヤツが完全初心者で誘われてギターかベースをやる事になったんだが
俺は「弦の数が少ない方がまだ簡単だろう」という安易な理由でベースを選んだ。

55: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 03:13:18.77 ID:t6pHSSLJO
まさかのロック!!!!

56: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 03:15:20.53 ID:IxXtcTpB0
そして、にわかバンドが完成した。バンド名は今思い出しても恥ずかしいので言えない。
バンドは面白かった。ただ、ドラムのおっさんがとにかく怖かった。俺が間違えると即座に殴られた。
「ドラムとベースはシンクロしてなきゃいけねーんだよ!」と口をすっぱく言われた。
ドラムのおっさんの方が間違えてもやっぱり殴られた。「おめー俺と合ってねーじゃねーか!」
当たり前だ。

57: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 03:19:12.79 ID:t6pHSSLJO
おっさんガチっすなw

58: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 03:19:28.89 ID:IxXtcTpB0
最初はご多分に漏れずBOOWYのコピバン。
初めてのライブハウスはゲロが出るほど緊張した。
絶対不良の溜まり場に決まっていると思っていたからだ。
行ってみたらまあ、予想通り、ガラの悪い連中ばっかりだったが
思いの外良い奴等だった。
過去の経験上、そういう不良の皆様は俺を見ると、殴るか蹴るか金銭を要求するか
それぐらいしか行動パターンが無かったので、新鮮だった。

59: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 03:23:36.80 ID:IxXtcTpB0
ただ、彼らはあうたびに俺の事を「ダサい」と叱った。
高二の夏頃に髪型をどうにかしろ、髪はロッカーの命だ、などと色々言われた。
床屋で2000円でカットしてもらった事しかない俺は、
対バンした金髪のニーチャンに勧められて美容院に行った。

60: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 03:25:48.71 ID:IxXtcTpB0
ロッカーらしくしてくれ、と言うように言われてたのでそう言うと
金髪にパーマを当てた完全なDQNヘアーにされた。
ヤクザにしか見えない美容師は「いいね、気合い入ったよおめぇ」と言って
俺のなけなしの小遣いをレジにしまった。
鏡を見て、恥ずかしすぎて死にそうになった。家に帰ったらオヤジに殴られた。

61: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 03:28:11.61 ID:IxXtcTpB0
翌日学校へ行くと、まずクラスメイトが爆笑した。B君が一番爆笑した。
HRが終わると担任に呼び出された。ありのままに話すと、明日までに黒く染めて来いと言われた。
幸いさほど校則の厳しい学校じゃなかったので停学などの処分は免れた。
結局金髪で居たのは一日だけだったが、とにかくクラス中のさらし者になっていた。

62: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 03:29:38.98 ID:Zpj9nwTvO
バンドするとモテるって本当なのかな

ドキドキ

63: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 03:30:07.44 ID:IxXtcTpB0
ところが、不思議なもので、それ以降俺は学校で色んなヤツに話しかけられるようになった。
これからゲーセン行くから来ないか、とか、帰りにマック寄って行こうぜ、とか、他愛も無い誘いが増えた。
なんだかよくわからないヤツだが、結構ブっとんだ事をするから面白いんじゃないか、と思われたんだろう。
その後もバンドは面白かったのでずっと続けてはいたが、別にファンが増えるでもなく
ドラムのおっさんが期待してたようにスカウトの目にとまるでもなく、なんとなくダラダラやっていた。

64: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 03:33:23.41 ID:IxXtcTpB0
ちなみに、俺は高校入学時のこころざしを完全に忘れていた。
普通に考えるなら、バンドを始めた時点でモテを意識するハズなのだが
そんなのはリア充(なんて言葉は無かったが)の仕事、と割り切って何も無かった。
まあ、実際のところ別にモテなかったんだが。B君はなかなかモテていた。

65: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 03:35:56.47 ID:IxXtcTpB0
高三になったある日、クラスメイトのD君(ハンパな不良。バスケ部幽霊)が、ゲーセンに誘ってきた。
高校の最寄りのゲーセンでは一度髪型が災いしてか、他校に絡まれた事があり、行きたくなかったのだが
D君が「とにかくスゲー面白いゲームが出た」と言って聞かないので、B君ともどもゲーセンに行った。
行くと、一台の筐体の周囲に人だかりが出来ていた。スト2だった。

66: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 03:38:45.00 ID:IxXtcTpB0
俺はスト2に熱狂した。授業もロクに行かず、朝からゲーセンに行ってひたすら波動拳を撃ちまくった。
ここまで読んで来た方には解る通り、俺はどうやら他人に勧められたモノはすぐハマる性質らしい。
そんな事をしていたら、俺は高校を留年していた。当然の自業自得である。
オヤジに勘当されかけて土下座した俺は、なんとか4年目の高校生活に突入する。
ちなみに、バンドはB君が大学受験を控えていたので秋ぐらいに解散した。

67: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 03:40:27.47 ID:IxXtcTpB0
高校でダブりというのは、なかなか微妙なポジションで、最初こそ恐れられるが
場合によってはその内バカにされるようになってくる。
俺はロックをやろうがゲーセンに入り浸ろうが、基本的なキャラクターは変わってない。
しゃべり方はといえば「あ、うん」「ええと」「うん、いいよ」みたいな、そういうタイプ。
当然のように後輩にバカにされた。仲の良かった連中はみんな卒業してしまい
留年しているのといえば、目を合わせるのも恐ろしい不良クンが2人だけ。

68: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 03:43:12.38 ID:IxXtcTpB0
久しぶりにぼっちに戻った俺は、寂しくなったのでゲーセンに居場所を求めた。
スト2に金をつぎ込み、強い連中とかとだんだん話すようになってきた。
そして、話をしてみるとどいつもこいつもヲタクだった。
一見イカツそうに見えたトサカ頭のにーちゃんもヲタクだった。
俺は嬉しくなって封印していたヲタク過去を解き放った。

69: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 03:46:02.45 ID:IxXtcTpB0
ゲーセン通いとヲタク活動の再開。これによって俺は金が無くなったのでバイトを始めた。
髪型が髪型だったので普通のバイトは全て落ち、工事現場で一輪車頃がしたり番線運んだりする羽目になった。
辛かったが、ゲームソフトやOVAのためと思えばガマン出来た。

ちなみに、そうしている間にも、一応受験勉強はしていた。
親が大学は出ておけ。大学に行かないなら高校卒業と同時に家おんだす、と言っていたからだ。
ぬるま湯で育った俺には、19歳のガキが一人で自活できるなんて都市伝説だと思っていたので
大学だけはなんとか行かなければいけなかった。

71: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 03:49:29.61 ID:IxXtcTpB0
ゲーセンで俺はある日、志望校の話になり、マーチである旨を告げると
やっと女の子の居る環境に行けんじゃん、と言われた。
は?女の子?というのが俺の正直な実感だった。
4年間も女性と触れあう機会が殆どなかったので女性が学校に居る、という状況が意味が解らなかった。
そこで小中の恐怖がよみがえった。

72: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 03:52:14.24 ID:IxXtcTpB0
大学に行って、またキモがられたらどうしよう。
確かに考えてみれば花の大学生。彼女の一人も出来ないなんて人間失格だ
当時、バブルは崩壊したとはいえ、世の風潮はまだまだ肉食全盛期。
車も持たず、彼女も居ない大学生なんて人以下だった。
俺だって火野レイたんみたいな彼女が欲しいなー、などと終わった考えを持った俺は
リア充デビューを決意した。

73: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 03:55:01.63 ID:IxXtcTpB0
まずはPOPEYE、HOT DOGを読んで勉強(イタい。)
原宿から渋谷の服屋をうろついてリア充が何を着てるのか観察(イタい。)
新宿や渋谷のMacなんかに行って、リア充達の会話を盗聴(キモい。)
原宿にあるオサレな美容院に行って、流行の髪型にしてもらう。(当時、吉田栄作が大ブーム)
そんな涙ぐましい努力をしながら大学受験を終え、高校を卒業した。
先生には「もう戻ってくるんじゃないぞ」と、出所するみたいな事を言われた。

74: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 03:57:54.43 ID:IxXtcTpB0
高校編終了

75: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 04:00:33.87 ID:IxXtcTpB0
~大学編~

某マーチの入学式リア充を気取る、と心に決めていた俺は
茶髪真ん中分けにアニエスで身を固める、というコテコテのファッションで大学に乗り込んだ。
見渡してみると、周りもみな同じような格好ばっかり。
どう見てもイナカモノが服間違って着ちゃった、というヤツも多かったが(多分俺もその一人)
ともあれ、大多数と一緒という事は、概ねハズシちゃいないハズだ、と一安心。

76: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 04:02:20.26 ID:IxXtcTpB0
入学式で、隣に座ったチャラそうな男に話しかける。
「おっす、名前なんての?」「俺>>1。どっから来たんよ?」みたいな感じで。
今まで19年間、シンジ君みたいな口調で喋ってきたので
そんな話し方するだけで口がカラカラに乾いて胃がキューっとなった。
だが、他の連中の会話を盗み聞いて仕入れた台詞なので、間違ってはいないはず。

77: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 04:03:50.72 ID:IxXtcTpB0
幸い不自然さは感じとられなかったらしく、普通に会話が進んだ。
「入学式とかマジだりーよな」とか、過去の俺がみたら赤面して悶死するような事を言っていた。
そのうち、自然と会話は女の子の話になる。
ここで俺のキャラ設定は「男子校だったからあまり女慣れしていないが、でも女には興味がある」
的なキャラ。あまり女慣れしている風だと、すぐ馬脚をあらわすし
かといって女に興味が無いんじゃこのリア充たちの輪には入れない。

78: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 04:05:49.36 ID:IxXtcTpB0
隣のチャラ男(Eとする)と、何列目の誰がかわいい、誰がすぐヤらしてくれそうだ、みたいな
そんな会話が続く。正直、俺の「リア充会話プロセッサー」はオーバーヒート寸前だったが
なんとか雰囲気を読んで、主にチャラ男に同調する事でなんとなく親密そうな空気を作り上げた。

79: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 04:08:42.59 ID:IxXtcTpB0
入学式が終わると、Eが「あの子たち、声かけてみようぜ」と言う。
指さした方を見ると、どう見ても無理めのジュリアナ女。
こいつ、さぞかし自信あるんだなー、と思って着いていくが
速攻で冷たくあしらわれ会話終了。俺は正直ビビって何もできなかった。

80: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 04:12:23.05 ID:IxXtcTpB0
Eは「んだよ、ノリわりーな」ぐらいの事をぶつくさ言っていた。
俺は思わず「おめーすげーな、あんな無理めよく行くわ」と言うが
Eは何事もなかったかのように、だって声かけなきゃ始まんねーべ、とサラっと言った。
なんというか、俺はこれがまた全く新しい世界すぎて、もう目眩がしていた。
そういうモンかー。と素直に感心した。

81: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 04:15:16.20 ID:IxXtcTpB0
その後、オリエンテーションが終わると、俺たちはサークルの勧誘の洗礼を受ける。
チャラ男と俺はイベント系のサークルに入る事にした。
新入部員の顔合わせみたいなのがしばらくしてあったが
まあなんともバカそうなヤツばかりだった。

82: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 04:18:38.73 ID:IxXtcTpB0
男は大半が茶髪でチャラ男。
女は茶髪に厚化粧の軽いオンナ。
ヲタクだった俺は、正直こういうタイプは苦手中の苦手だったが
ハードモードでの修行だ、と割り切ってこのサークルで女の子との会話の練習をする事にした。

83: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 04:20:34.08 ID:uiivtAdK0
みてるよ

85: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 04:21:27.56 ID:IxXtcTpB0
>>83
ありがとうー

84: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 04:20:52.59 ID:IxXtcTpB0
最初はなかなか馴染めなかったので、まだ接しやすい男連中とつるんでいたが
周りの会話を聞いて、脳内シミュレーションを繰り返し、徐々に女の子にも話しかけてみた。
すると、女の子は普通に、時には結構ノリ良く返事を返してくる。
衝撃だった。

過去、19年間女の子に話しかけてイヤな目で見られなかった事が無かった俺は
味をしめてどんどん色々な女の子に声をかけた。

86: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 04:23:45.93 ID:IxXtcTpB0
・話題は常に新しいものを用意しておくこと。
・会話が何往復かする間には必ずギャグを挟む。
・さりげなく女の子の服や髪を褒める
・自分の話は聞かれた時だけし、なるべく相手から話を引き出す

これが、入学して3ヶ月の間に脳内で出来たマニュアルだった。
身なりに気を付けて、このマニュアルさえ守っていれば
ほとんど女の子との会話はスムーズに行った。
俺の手帳には徐々に女の子たちの電話番号やベル番(古)が溜まっていった。

87: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 04:30:09.35 ID:IxXtcTpB0
そして、女の子と話す時にもだいぶ気負いが無くなってきた俺は
高校時代の男友達と接するのと同じようになってきた。
ただし、ヲタクモードだけは固く再封印して、決して誰にも見えないように心の奥底にしまっておいた。

88: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 04:34:10.53 ID:IxXtcTpB0
そして、夏休みが来る頃、どういうわけか「俺がチャラい」という噂が立ち始める。
その頃結構親密にしていたアヤ(仮)という子が教えてくれた。
「色んな子に飯行こう、とか飲みに行こう、とか一緒に帰ろう
 とか言っているみたいじゃない?あんまりやりすぎると評判悪くなるよ」
と言われた。
目からウロコだった。

89: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 04:36:47.68 ID:IxXtcTpB0
高校時代B君やその周りと一緒に居る時に、それらの誘いは基本だった。
ヒマな俺とヒマそうな相手が居たら、腹が減ってれば飯を食いに行くし
面白そうな事があれば一緒に見に行くし
帰るだけなら、一人で歩くのは退屈だから同行する。
ただそれだけの事だったのに、それが性別が変わると特別な意味を持つ
というのは、カルチャーショックだった。

90: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 04:38:21.93 ID:S8xX3U6G0
今北産業

94: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 04:43:03.97 ID:IxXtcTpB0
>>90
小学校でぼっち、中学校でキモオタ
高校でゲーセン通いで留年
大学でリア充デビュー ←いまここ

91: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 04:41:01.47 ID:IxXtcTpB0
結局俺がチャラい、という噂は卒業まで消える事は無かったが
まあ、それはそれで便利に使えたりもした。
初見の女の子に声かける時も「だって俺チャラいし」と言うだけでウケた。
大分先の話ではあるが、童貞卒業後は、軽いオンナを釣る釣り針として役に立った。

92: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 04:42:12.58 ID:IxXtcTpB0
それはそれとして夏休み、サークルの合宿で海へ行った。
ここで、俺は散々酔っぱらった挙げ句、先述のアヤに介抱してもらい
そのまま付き合う事になる。
ゲロまみれで「アヤ、俺と付き合ってくれよ」と言ったらしい。
最低の初告白である。しかも酔っぱらっていて自分で覚えていない。もう俺死んだ方がいいねwww
アヤは、しょうがないなこの人は、と思って、弟の面倒でも見るような気分でOKしたとのこと。

95: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 04:45:13.23 ID:IxXtcTpB0
ちなみに、ここでもう一つの出会いがある。サーフィンである。
サークルの先輩達が何人か板を持ってきていて、見ていたら、なんかやりたくなったのだ。
先輩に一度板を借りて、パドリングをしてみたが、全く進まない。
なんだよこのクソゲー、と思って一度は「もういいっすwww自分センス無いっすwwww」
とかなんか言ってやめたのだが、なんだかどうしても波の上をスイスイ飛び回っていた先輩達の姿が脳裏から離れない。

97: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 04:47:25.57 ID:IxXtcTpB0
夏合宿の間は結局沖に出る事もできなかったのだが、
その後帰って先輩に古い板を売ってもらい、サーフィンを始める事になった。
と同時に、初めての彼女が出来て舞い上がっていた俺は
アヤととにかくデートした。一時も離れたくなかった。
ただ、童貞だったため、どうしても体の関係までは踏み切れなかった。

98: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 04:49:00.45 ID:IxXtcTpB0
結局、踏み切ったのは冬の事。
アヤにいくじなし、と言われ、だって俺童貞なんだもん、と言えば
そんなの薄々感づいてた、アンタ女慣れしてなさすぎだもん、と言われた
俺の築き上げてきたリア充の仮面、あっさり崩れ去った\(^o^)/

99: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 04:50:28.00 ID:IxXtcTpB0
はっきり言って、初体験の事はあまり覚えていない。
頭が真っ白になって何がなんだか解らない内に終わってた。
とりあえず「ヤラハタにならずに済んだ」とほっとした事を覚えている。
あくまでも俺、最低である。

100: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 04:55:28.52 ID:IxXtcTpB0
その後、アヤとは半年ほどで別れた。
童貞特有の、24時間一緒に居たい病と
脱童貞後によくあるヤリタガリ症候群が併発して
「アンタもういい加減うっとうしい」と言われてオワタ。

101: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 04:58:06.45 ID:IxXtcTpB0
まあ、その後俺はサーファー&イベサー所属、というテンプレ通りのチャラ男ライフを送り
大学生活を満喫するのだが、ただ、家には絶対に友達を入れなかった。
実家という事もあるのだが、実はチャラ男生活を続けながらも
水面下ではずっとヲタクを続けていたのだ。
俺の部屋はOVAやらガンプラやらドラマCDやらマンガやら同人誌やら
見られたら自殺モノのパンドラの箱だった。

102: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 04:59:49.14 ID:IxXtcTpB0
当時、まだまだヲタクと一般人の垣根が高かった時代
ガングロに茶髪をなびかせてアニメイトに入るのは勇気が要った。
渋谷のまんだらけに行く時は、立地の関係上誰に会うか解らないので、死ぬほど用心した。

103: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 05:02:42.46 ID:IxXtcTpB0
そんな生活も4年が過ぎ、大学を出た俺は某メーカーの営業部に就職した。
就職を機に一人暮らしを始めたが、そちらにはヲタクグッズは持って行かなかった。
何か新しく買っても、土日には実家に運び込むようにしていた。
相変わらず二重生活を営んで居たが、段々世の中が変わってきた。
ヲタクである事が、人権を剥奪されるような罪ではなくなってきたのである。

104: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 05:03:49.67 ID:IxXtcTpB0
ネットが発達してきた事もあり、ヲタクである事がどんどん楽になっていた。
とはいえ、俺も人前で作ってきてしまったキャラがあるので、今更カミングアウトは出来ないが
あまり用心して隠さなくなってきた。

105: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 05:05:47.68 ID:IxXtcTpB0
30をちょっと越えたある時、俺は某SNSで出会った女と付き合いだした。
彼女は熱狂的なジャニーズのファンで、付き合う時に
「まあイケメン分はジャニーズで補給するから、生身の方はアンタぐらいでガマンするわ」
と言われた。殴ってやろうかと思った。

106: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 05:08:05.43 ID:IxXtcTpB0
しかしまあ、ジャニーズが好きすぎる事と、
毒舌が酷い事以外には特におかしな所も無く
2年後、俺は彼女と結婚する事になる。
俺のプロポーズに対し、彼女の返答は確か
「嵐の大野君に求婚されたら離婚するけどいいよね?」だった。アホか。

107: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 05:09:38.57 ID:R6eSnpCZ0
なに嫁さんっていまでいうツンデレっぽいの?

109: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 05:11:20.28 ID:IxXtcTpB0
>>107
ツンデレっていうよりは、ただの毒舌かなあ・・・・

110: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 05:13:04.93 ID:R6eSnpCZ0
>>109
ふーんなるほどな…結婚して幸せかい??

114: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 05:18:10.28 ID:IxXtcTpB0
>>110
まあ、そこは完結の時にw

108: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 05:10:36.28 ID:IxXtcTpB0
ちなみに、嫁は釈由美子(初期型)に似ている。まあどうでもいいか。
それまで、実は交際期間中は俺はまだ色々とちょっと悪い事もしていたのだが
さすがに結婚となるとマズかろう、と思い、女性関係は全て切った。
大学時代からずっと続けていた「女漁り」という遊びについに終止符を打った。

112: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 05:14:34.63 ID:IxXtcTpB0
そうして、腰を落ち着けた時に、なんというか、ふっと肩が軽くなった。
大学の頃から今まで、ずっと女を落とすテクを磨き、流行の話題を追いかけ
雰囲気の良いレストランを探し、など色々な事をやってきたのだが
別にこれ、やりたかったワケじゃないんだな、と今更気が付いた。
惰性で続けていたゲームを止めて、ハードから取り出した時みたいな気分だ。

113: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 05:17:45.88 ID:IxXtcTpB0
サーフィンはまだ続けていたが、仕事が忙しくなってきた事もあり
あまり行けなくなっていた。新居にはサーフィンの道具は運ばない事にした。

結婚後、しばらく忙しい日が続いたが、ある日一段落して家に帰って
嫁さんの作った飯を食い、テレビのスイッチを入れた時に、なんとも空虚感が襲ってきた。
もう、TVで話題を仕入れる必要は無い。ならばこんな下らないモノ見る必要があるのか?

115: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 05:20:26.76 ID:IxXtcTpB0
テレビを消してPCに向かうが、別にココにも見たい物はない。
流行の店をチェックする必要も無いし、さすがに今仕事の事は考えたくないし
じゃあ俺、今何したらいいの?もう寝るの?9時だよ?どうしよう

116: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 05:24:54.83 ID:IxXtcTpB0
やる事がない、という状況に多分20年ぶりぐらいに置かれた俺は、ようやく理解した。
つまり、もうヲタクに戻っていいんだ。と。

嫁さんに、自分がヲタである事を打ち明けた。
ふーん、ぐらいの反応だった。考えてみれば嫁さんはジャニヲタなんだから
そういう属性には慣れっこなんだろう。

117: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 05:28:38.14 ID:IxXtcTpB0
そして結婚から4年。
サーフィンをやっていた頃の俺は176cmで70kgの筋肉質の体型をしていた。
今では10kg落ちて、昔のヒヨワガリ体型に逆戻りした。
昔と違うのは、腹の辺りにだけ何かフワフワとした肉がまとわりついている事ぐらいか。
髪の毛の手入れも、長年通っていた美容室をやめ、近所の床屋で済ませるようになった

118: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 05:31:03.35 ID:IxXtcTpB0
良く飲んだり遊んだりしていたリア充友達ともあまり会わなくなった。
最近ではモンハンのオフ会が一番多い私用の外出だ。
部屋には所狭しとマンガとゲームとフィギュアとガンプラが並び
ワードローブからは服が激減した。

119: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 05:32:59.39 ID:IxXtcTpB0
友達も大分減った。
一時期の俺の個人携帯には500件を越える電話番号が登録されていたが
何度か使わない番号を処分していった結果、今では50件ちょっとだ。

120: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 05:34:57.94 ID:IxXtcTpB0
嫁さんとは二日に一度ぐらいしか会話を交わさない
別に不仲というワケではない。
お互いに仕事と自分の趣味だけで手一杯なだけだ。

121: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 05:36:54.75 ID:IxXtcTpB0
最近では、仕事以外の時間はほとんど自宅に引きこもって
アニメを見ているかネトゲをしているか、ガンプラを作っているか、だ。
土日に出かける事があるとしたらアニメイトに行くか、オフ会に行くか
どうしても足りない物を買いにスーパーに行くか、程度だ。

122: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 05:38:40.08 ID:IxXtcTpB0
だが、はっきり言って、俺は幸せだ。
嫁さんが最近、嵐のツアー全通とかやりだして
自分の稼ぎだけじゃ足りないとかなんとか言って
俺のヲタ予算から引っ張っていくのがちょっと不満だが
最近は別に金をさほどかけなくてもヲタは楽しめる

124: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 05:41:21.36 ID:IxXtcTpB0
ただ、一つだけ不安なのは、子供が出来た時だ。
子供をヲタクに染めるべきなのか、避けるべきなのか・・・
まあ、そもそも今の夫婦関係で子供作れるのか、とか
その辺もアレだが・・・w

125: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 05:42:31.76 ID:IxXtcTpB0
まあ、何が言いたかったのかというと
俺は今、ヲタクに戻れて幸せです!



というお話だったのさ

128: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 05:45:12.15 ID://XYx44E0
追いついたらちょうど終わった
楽しめたよ

131: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 05:47:14.54 ID:IxXtcTpB0
>>128
ありがとう~~m(_ _)m

130: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 05:46:49.94 ID:IxXtcTpB0
ご静聴ありがとうございました。
下らない半生記でしたが、まあちょっと小学校~高校時代の事とか黒歴史すぎて誰にも言えなかったので
誰かに聞いて貰いたくて書いてみました。

何か質問とかある?

132: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 05:47:40.00 ID:pDewlLUl0
バンド名は?

135: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 05:49:33.20 ID:IxXtcTpB0
>>132
えー・・・・・それは・・・・・・・・まあ、今更恥ずかしいもへったくれも無いかー

「MAD WULF」でした。

いっとくが、打ち間違いじゃないからな?

134: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 05:48:48.01 ID:R6eSnpCZ0
ぼっちも、リア充も、チャラ男も、ヲタクも制覇した>>1すげーな
俺なんて高校時代が糞DQNだったくらいで、
特にこれといった取り柄もないまま、就活中のニートだよ

趣味に理解ある(?)嫁さんなら、大事にせえよ
ま、子供をどう育てるかはデキたときに考えればいいと思うの

137: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 05:51:11.50 ID:IxXtcTpB0
>>134
俺だって読めば解るだろうが
取り柄なんて何も無かったよ
単純に、あの時代就職ラクだったんだわ。
まあ、その後リストラされなかったのはラッキーだったけど。

139: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 05:56:47.31 ID:R6eSnpCZ0
>>135に声あげて吹きだしたww

>>137
でも、自分を変えるべく行動できたってのは大きい取り柄だろうよ
>>1が成長するため、家庭環境や黒歴史が土台としてやってきたんだと思う

そーゆー風に仕事があった時代が羨ましい
俺もせめてあと10年早く生まれてればねえ…
今は、ハロワ通いしながら、必死に履歴書のPRをない知恵から搾り出す日々だぜ…

リストラはねーけどパワハラで自主退職は経験したかな

140: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 06:02:07.42 ID:IxXtcTpB0
>>139
まあ、生まれる家や時代は選べないからなあ・・・
もしかしたら俺は流されやすい人間だったから逆に流れに乗れたのかもねぇ。

ガンダムのビデオと、ボンジョビのCDと、スト2と、先輩のサーフィンが無かったら
俺の人生はまた全然違う物だったのかもしれないよねwww


とりあえずパワハラはホントどこ行ってもあるけど
ここ最近はどこの会社も内心そういうの訴えられるのビクビクしてるから
もしパワハラされたら、ちゃんと証拠とっておくのだけは忘れるなよ!!!

141: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 06:17:44.44 ID:R6eSnpCZ0
>>140
おう、再就職先でもし同じ目にあったら、今度はしっかり証拠取るつもりだ

パワハラは、営業職時代にあったんだけど、新卒で右も左も分からんのに
なーんにも教えられず単身現場に放り込まれた挙句、当然のようにgdgdになって
引き上げてきたら上司に胸倉掴まれて怒鳴り散らされたっけなww

糞DQNの頃とは違ってまともに生きようとしてただけに、
歯向かうことを諦めてしまい完全に戦意喪失しちまったもんでねえ…
結局同期が潰れちゃったんで、俺も糸が切れたように辞めた


ありがとなー、俺も>>1みたいに率先してなんでも行動するよう頑張るよ!

142: 名も無き被検体774号+ 2012/02/25(土) 06:20:05.95 ID:IxXtcTpB0
>>141
おつー、頑張ってくれー!!

145: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2012/02/26(日) 11:24:12.54 ID:wDcDomeD0
面白かった!
私は女だけど似たような経験したよ。小中高生いじめられて大学デビューキャバ嬢リア充今ニートw

147: 名も無き被検体774号+ 2012/02/26(日) 16:15:24.46 ID:Sw1LkGOo0
ちょこちょこと読んでやっと終わった
面白かったわ、乙!!!

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コメント

1  不思議な名無しさん :2018年06月30日 23:25 ID:dP4yKMbX0*
バンド名が一番面白かった

 
 

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