http://famicoroti.blog81.fc2.com/blog-entry-2861.htmlファミコンカセットコンプリートに『バトルラッシュ』を含めるべきか問題
◆最後の壁◆ ファミコンカセットコンプリート最後の壁として名高いデータック専用ソフト『バトルラッシュ』。先日のオークションでも30万円に迫る結果に終わっていた。
※出典:美品・FC『データック専用バトルラッシュ』箱・... - ヤフオク! そもそも『バトルラッシュ』に30万円の値がついたのは2016年10月のことだった(
参照)。
そのときの私が以下のようなコメントを残していたことを考えると同ソフトが近年になって、急激に高騰化していることがわかるのだ。
各店舗、慌てて値段をつけかえてたりして(笑)
このソフトは、ファミコン再評価時代の初期から既に一部マニアの間では、レアソフトとして有名ではあった。しかしながら骨董品でも美術品でもない所詮はファミコンソフトだ。いくら希少品といえども、ほんの一昔前まで
せいぜい5,6万円だったのだ……
◆定説の誕生◆ レトロゲームの高騰化が叫ばれる現代においても、ファミコンカセットコンプリートを目指すコレクターは多い。
20数年前、「安いから」という安易な動機で集めた人間からすると、新しい世代のコレクターたちの情熱には頭が下がる思いである。しかし僭越ながら私オロチは、どうしてもそんな彼らへ、ひとつの疑問をぶつけたいのだ。それはコンプの定義だ。具体的にいうとファミコンカセット総数の
定説1053本を信じる根拠をお伺いしたいのである。
※レベルX図録「ファミリーコンピュータ1983-1994」(太田出版)の帯 そもそも、この数字はファミコン20周年のおりに開催された「レベルX」というイベントで、ファミコンソフトを全部展示するという目玉企画が行われた際に確定的になったものだ。それはファミコン総数1252本(カセット1053本+ディスク199本)という定説が生まれた瞬間だったと表現しても差し支えないだろう。
改めて、レベルX図録「ファミリーコンピュータ1983-1994」の帯を見てみると
「任天堂全面協力」という文字が誇らしい。これを機に多くのコレクターたちが1242本を「公式の数字」だと認識するようになったのだ。
◆公式タイトル数◆ ――だがしかし、である。
一方で、任天堂は公式サイトにて「連結地域別発売タイトル数」という名目で、ファミコンの総数を発表していたのだ。その内容によると、
任天堂の公式な数字では1047本ということになっているのを、果たして何人のコレクターがご存知だろう?
参照:ファミコン総数問題解決か!? 任天堂公式「1047本です」の謎 この数字にはディスク(199本)が含まれていないことが予想できる。
定説1252 - ディスク199 = 1053
連結地域別発売タイトル数 = 1047
だとしても定説より
6本も少ないのだ。この差が気にならない理由を探すくらいなら、ツチノコを探していたほうがマシである。
◆余分な6本◆ せめて任天堂さんが内訳を公表してくれたらありがたいのだが。いや、それどころか、内訳さえ公表してくれれば万事解決なのだが、問い合わせてみたところ
「公開してる情報以外はお答えしていない」との回答を得るにとどまった。
しかし、だからと言って、公式が1047本って数字を公開しているのにも関わらず、いつまでもたってもレトロゲーム界が総数1252本(カセット1053本+ディスク199本)を総数として採用している意味は何なのか。
※1 ※1:ディスクの総数に関しては『ガチャポン戦士(書き換え版)』を除外した数198本説が近年、有力となりつつあるが、今回のエントリーではそのあたりの詳細は割愛する。 ※こちらはオロチ所有のバトルラッシュ。 今さらそんなこと言ったって、
その数字で定着してるんだからなんて諦めムードの御仁には、かつて、ファミコンカセット総数は1042本だったし、1048本だったという昔話を、しゃがれ声で語り始めなければなるまい……
参照記事:
ファミコンの全タイトル数は本当に1252本か!? いや、詳細は↑この記事に譲ろう。そんなことよりも気になるのは、やはり
定説が余分に加えてしまった6本のタイトル名なのではあるまいか。もしかしたらその中に『バトルラッシュ』が含まれているかもしれないじゃないか!
◆個人的見解◆ 結論から言うと、私としては、
ファミコンの総数には「段階がある」というのが個人的な見解だ。
たとえば、いっそのこと『バトルラッシュ』含むデータック系や子ガメ系、カラオケ系のような特殊形状のROMを除外して、
通常形状のROMのみを集めたらファミコンカセットコンプリートってことでいいじゃないか、というのが私の意見のひとつ。
リンク:ベストプレープロ野球 データROM 90-Jun.(ヤフオク!) 逆に子ガメ系、カラオケ系を含めるなら同じく追加データの役割を果たしていた『ベストプレープロ野球データROM'89-Apr』と、近年になってその存在が確認された『同'90-Jun』(
参照)が含まれていないと辻褄が合わないし、追加データでは無いものの、特殊形状であり、データROMや「アイアムティーチャー」シリーズ同様、販売ルート違いでもある「NHK学園」シリーズだって含めなければならない、というのも、私の意見のひとつ。
要は総数について、いつの間にかレトロゲーム界に定着してしまった矛盾をひとつひとつ解消していき、形状違いなど、一定の条件で線引きをすることで、
「ファミコン総数」を段階的なものとして捉え直してみてはどうか、というのが私オロチの立場である。詳しくは7月11日発売「懐かしパーフェクトガイド Vol.4」に掲載される私のコラムを読んでね!
以上。宣伝でした(笑)
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所詮自己満足の世界なのできりがないですけど、どこを最終点にするかによるのでは。