内向的であるということは、けっこうきついことなのかもしれない。コミュ障、引っ込み思案、もしくは単なる礼儀知らずだと思われてしまうからだ。
作家でミュージシャンで映画製作者のカール・キングは、こうした決まりきった認識を変えようとしている。
内向的というレッテルを貼ることは簡単だが、その決めつけはとても浅はかで、間違っていることもあるからだ。
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カール自身の体験を描いた「内向的な人に関する10の神話」
カールが書いた「内向的な人に関する10の神話」は大反響を呼び、彼のサイトで200万回以上も読まれた。我が子へのアドバイスを求める人もいれば、まるでたわ言だという反感もあった。
だが、カールは、あらゆる人が内向性に関する議論ができる場を設けることができて良かったという。彼は自身の体験を書いただけだが、さまざまな意見が交わされ、同じような経験のある人たちの助けになったのなら嬉しい、と述べている。
カールは、マーティ・レーニー心理学博士の『The Introvert Advantage: How Quiet People Can Thrive in an Extrovert World(内向的な人の利点:外交的な社会で生きていく法』日本語翻訳版はまだない)という本に刺激されたという。
レーニーの著書によると、内向性は遺伝的に決まる可能性があり、内向的な人と外交的な人の神経系では、神経伝達物質がたどる主要経路が違うと説明する。
「この本で言われている科学が正しいなら、内向的な人たちは、ドーパミンに対して非常に敏感な人たちであることがわかる。だから、外からの刺激があまりに過剰だと、疲れてしまうのだ」とカールは言う。この本では、全体のおよそ25%が内向的な人だと言っているが、カールは自分のように極端な人は少ないという。「これは多くの誤解を生む」と著者に伝えたという。
では、内向的な人に関するカール・キングの考えを10の神話を見ていこう。
神話1:内向的な人は話すのが嫌い
内向的な人は、確かに必要な話がない限りしゃべらないし雑談も好きじゃない。だが、興味があることならば話をするし、何日もだんまりということはない。
神話2:内向的な人は引っ込み思案
内向的な人は、他人とコミュニケートするになんらかの理由を必要とする。交流が目的で話をすることはない。内向的な人と話がしたいなら、まずそちらから話し始めてみると良い。礼儀正しいかどうかを心配する必要はない。
神話3:内向的な人は礼儀知らず
内向的な人は、まわりの人に嘘つきでなく、正直であって欲しいと思っているだけ。その態度が礼儀知らずに見えてしまう。残念ながら、これはほとんどの場面で受け入れられない。だから内向的な人はまわりに合わせるのに大きなプレッシャーを感じ、疲れると思ってしまうのだ。
神話4:内向的な人は人が好きではない
内向的な人から友だちだと思われているなら、たぶんあなたは一生、その人と誠実な関係を築くことができる。内向的な人から実質的な尊敬を得られたら、あなたを信頼し、好きであるということだ。
神話5:内向的な人は外出するのが嫌い
内向的な人はデータや体験知識を取り込むのがとても速い。そのため、それを"得る"ためにその場に長く留まる必要はない。さっさと家に帰って、充電し直し、収集した情報の処理をする。心の充電は内向的な人にとって、絶対的に大切なことなのだ。決して外出が嫌いなわけではない
神話6:内向的な人はいつもひとりでいたがる
内向的な人はいろいろ考え、空想にふける。取り組むべき問題や解決すべき謎があるのが好きなのだ。でも、自分の思いついたことを分かち合える相手がいなければ、ひどく孤独になる可能性はある。心がわかりあえる相手と一緒にいたいと思うのだ。
神話7:内向的な人は変わっている
内向的な人はひとりであれこれ考えることが多いため、世間一般の標準規格からはずれていると思われがちだ。一般に流行っているもの、万人に人気のあるものをベースに決定を下すことはないからだ。
神話8:内向的な人は近寄りがたいオタク
内向的な人にとって、その内的世界はとても刺激的で、それなりの価値があるだけのこと。
神話9:内向的な人はリラックスしたり楽しむことを知らない
内向的な人はだいたい家や自然の中でリラックスしている。ただ人が大勢いる場で楽しめないだけだ。
神話10:内向的な人は外交的になることができる
内向的な人は自分を変えることはできない。彼らの生まれながらの気質なのである。多様性があるからこそ人類は存続しているのだ。
さてこの10の神話に関する人々の反応を賛成・反対に分けて見ていこう
賛成意見
Happyfactory:
わたしはこれを充電とは呼ばない。ビール缶をあけて、その日の恐怖をじっくり考えるものと呼ぶ。
DogtorRay:
充電はわたしにとっての本質。他人と一緒にいるのは、心底疲れるので、後で充電する時間がたっぷり必要。
BestUsernameICouldThinkOf:
これら10の伝説のうち7つは、まさにわたしのこと。
Bc1151:
これまで自分が言ってきたことより、ずっとうまくわたしの生活を言い表している。
SometimesISayHisoryStuff:
わたしは内向的な人間で、まさに変わっていて、近寄りがたいオタクで、人が嫌いだし、出かけるのも嫌い。
反対意見
rando84:References:demilked/ written by konohazuku / edited by parumo
これらは一般的に言われている神話ではない。礼儀知らずで、引っ込み思案で、人が嫌いといった内向的な人たちはたくさんいる。変わっていて、近寄りがたいオタクということに関しては、見る人の価値判断による。内向的な人が、別の内向的な人を変わっていると思うかもしれない。
Glumerlink:
内向的ということと、引っ込み思案を混同するな。
Pirateswin:
内向的な人たちがほかの人たちよりも優れているように見えるように仕向けている気がする。人はそれぞれみんな違うだけで、誰もが敬意を表されるべき存在だ。
Keeeenny:
この記事は、内向的な人たちが自分たちが伝説的な存在かなにかであることに悦に入っていると言っているのだ。
Cattalaster:
自分も内向的な人間だが、自分はこうしたことに当てはまらない。といって、確かに外交的な人間でもない。子どもたちよ、こうした固定観念を一般化するのは、必ずしも正しくないことを覚えておくこと。
OrionKaelin:
自称、内向的な人間だが、この10項目のほとんどは、ひとくくりにはできない領域に無理やり当てはめようとしている。すべてのものには、どちらにも属さないグレイゾーンがあるのに。
thisturtleislivid:
このリストの項目はすべて、極端なものを異なる極端なものと置き換えることができる。
Imonimgurmainlyforcats:
内向性や外交性といったことの特徴には、両者の特徴が混ざったものがあるだけで、どちらかというと外交的というより内向的な要素の多い人がいるというだけ。
crepsucule:
内向的、外交的というのはエネルギーの問題。外交的な人はまわりの人間からエネルギーを得るし、内向的な人はひとりでいることでエネルギーを得る。逆もまたしかりということだ。
DavidAndrews:
わたしは内向的な人間だが、自分たちがなにか特別な存在であるかのようにふるまう人には辟易する。おめでたい人たちとつきあうことはない。
Furel:
ここで内向的という言葉をネコという言葉と置き換えると、この文章ににぴったり。
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コメント
1. 匿名処理班
1-10まで全部当てはまるわ。まったくもってそのとおりと言わざるを得まい。
無理やり他人に合わせるのが嫌。その時間がもったいない。
学者とかにも多そうだな。
2. 匿名処理班
俺も内向的
無理してそうじゃないふりをする為人としゃべるのが
物凄く疲れる
3. 匿名処理班
自分の場合、内向的なのは薄っぺらい自分を隠していたいからだなあ
でも自分が作った創作物は見て喜んでもらいたい
4.
5. 匿名処理班
内向的だけど、本当に他人と居ると苦痛。
配偶者や家族ならリラックス出来る。
でも一人で居るのが一番好きだな。
6. 匿名処理班
見事に全部当てはまる
7.
8. 匿名処理班
人は好きだがたくさんゴチャゴチャしているのは苦手だ
浅い話を皆でするより深い話を少数でするほうが好きだな
話しこめば一人ひとりに深い世界と素晴らしい考えがあると感じるが
集団になるとどうもそんな風に感じなくなってしまう
友人でも長時間一緒だと疲れるし一人でいたくなる
付き合い悪いしさらっと離れていくが決して人嫌いではない
勘違いされやすく人には伝えづらい内向的な人間の特徴がよく捉えられた内容だ
9. すまん 意味はないw
ナイコー・ジャクソン!
アオッ!!
10. 匿名処理班
外交的に振る舞うのが得意と思われている内向人間だ。誰とでもフランクに明るく話すが、それに喜びを感じたことはない。つまらない、さっさと帰って本を読みたい。
11. 匿名処理班
単純にエネルギーの量が少ないので色々なことにエネルギーを割けないし疲れやすい
というのが大いにあると思う
12. 匿名処理班
まんま俺のこと書かれてて草生えた
13. 匿名処理班
これが当たってるかどうかは分からないけど、
神話5のあたりで読むのをやめた人は飽きっぽい人である、と断言できる。
14. 匿名処理班
単純に一つのものから情報を回収しすぎるから、ゴチャゴチャされると頭がパンクするだけだよ。俺に限って言えばお世辞にも頭がいいわけでもないしな
あと個人個人が決めた尺度に一々付き合うのもまた疲れる、そういった尺度の幅が近い、広い同士で付き合いがあるだけの話
15. 匿名処理班
内向的になってしまった事を悔やんではいるが、不幸ではない
僕は絵を描くことが出来るので、それだけでも生きている意味の半分は満たせている
描いた絵や物語が人に評価されると、この上ない喜びを感じる
だからといって、絵の方面でコミュニティを広げることも、また得意ではない
なんてことだ、僕はSNSが苦手なのだ
思ってもないのに「いいね」を押せないし、興味のある方面は限られているのでFF数も最低レベルだ。やってて虚しくなるので、外向的なオタクや絵描きが羨ましくなる
16. 匿名処理班
まわりに大勢人がいると疲れる。それが一番の理由かな。
基本的に周囲を気にしすぎるんだろう。
だからシャットアウトする。
そうすると今度は無礼とか感じ悪いとか、周りを気にしなさすぎとか言われる。
17. 匿名処理班
逆に人の顔色を伺うばかりで学んだり熟考できないようでは、いくら外交的でもただのバカになっちまう
あいにくそういう浅慮な俗物が「内向的な人」を批判してたりするもんだ
一人でいる時間は経験や思考を整理するために大事だよ
科学者や創作家に多いそうだね
18. 匿名処理班
わかった、そっとしておくよ
19.
20. 匿名処理班
仕事では、外交的になるし、プライベートは、内向的。家族は、普通。好きなことでは、強気だし、まわりの環境で、心理状態も変わる
21. 匿名処理班
こういうので初めて全てあてはまった
無難なこと書いてるわけではないはずなのに
22. 匿名処理班
>引っ込み思案で、人が嫌いといった内向的な人たちはたくさんいる。
定義の問題だけど、「内向的」というのは
単独での精神的活動などで満足できるタイプであって、
「引っ込み思案」は
本来的には社交派のように大勢でワイワイ
やるのが好きなタイプなのに、恥かしくてそれが出来ない
っていうことなんだと思うが。