1:
◆dzX3.Do/lI 2018/06/24(日) 23:54:23.51
ID:gJjidA9o0
美希「プロデューサーさ~ん」
P「こっちだ、こっち」ヒラヒラ
美希「やっと見つけたのー。……あ、おはようございます」
P「おはよう、美希。きてくれてありがとな」
P「それじゃ、早速だけど行くぞ」
美希「はーい!」
2:
◆dzX3.Do/lI 2018/06/24(日) 23:55:35.49
ID:gJjidA9o0
『黄色い線の内側まで 下がってお待ちください―――』
P「集合時間、きっちり間に合ったな」
美希「トーゼンって思うな。ミキ、アイドルだもん」
P「その割にはまだ寝てたじゃないか。俺が電話したとき」
美希「あれはプロデューサーさんが早すぎるだけなの」
P「流石に寝起きとは思ってなくてな」
美希「集合時間には間に合ってるでしょ?」
P「終わり良ければすべて良し、ってな」
美希「あふぅ」
P「寝るなよ、これからなんだから」
3:
◆dzX3.Do/lI 2018/06/24(日) 23:56:06.61
ID:gJjidA9o0
プシュー ガタン
ガタン ゴトン ガタンゴトン
美希「なんで今日は電車なの?」
P「一番、車が故障したから。二番、今日は社会科見学の日だから。三番、このあと飲みに行くから」
美希「4番」
P「選択肢にないだろうが」
美希「どれもウソでしょ?正解は無いのが、正解!」
P「ぐ、ぐえーっさては貴様エスパーだな!?」
美希「で、ホントの理由は?」
P「突っ込めよ……。社用車は他のプロデューサーが使ってたのさ」
美希「……ミキたちって、結構後回し?」
P「残念ながら」
4:
◆dzX3.Do/lI 2018/06/24(日) 23:56:52.23
ID:gJjidA9o0
美希「ミキが考えてたアイドルとは全然違うってカンジ……」
P「どんなのを想像してたんだ?」
美希「えっとね。専用の車と運転手の人がいて」
美希「乗るときにも降りるときにも、きちんとエスコートしてくれるの」
美希「降りるときにはカーペットが引かれて、ドアを開けた瞬間にフラッシュの光に包まれて」
美希「それで、ファンの人がぱーって集まってきてくれるの!」
P「アイドルっていうか映画スターって感じだな、それだと」
美希「だってミキ、トップアイドルの車乗るところなんて見たことないもん」
P「実際にそんな風になって見たいか?」
美希「……あんまり。メンドーそうなの」
5:
◆dzX3.Do/lI 2018/06/24(日) 23:57:38.40
ID:gJjidA9o0
美希「それで、今日はどれくらいかかるの?」
P「大体1時間半くらい……かなあ」
美希「えー。長すぎじゃない?」
P「車でもそれくらいの時あるだろ」
美希「車と電車は別!むりー、たいくつー」
P「ちょっとの辛抱だって」
美希「あ!プロデューサーさん見て見て、なんか変な看板!」
P「楽しそうで何よりです」
6:
◆dzX3.Do/lI 2018/06/24(日) 23:58:44.61
ID:gJjidA9o0
ガタン ガタンガタン
美希「わ、とと」
P「大丈夫か?」
美希「ヒールはいてきちゃったから。ちょっとふらふらするかも」
P「仕事前に怪我は洒落もならないぞ」
美希「そこまでドジじゃないもん」
P「ほら、こっち。そろそろ人増えてくるから」
美希「はーい」
7:
◆dzX3.Do/lI 2018/06/24(日) 23:59:41.48
ID:gJjidA9o0
ギュー
美希(……くるしい)
ゴソゴソ
美希「ひゃっ」
P「うお、ごめん」
美希「もぞもぞしないでっ。狭いのにぃ」
P「悪かったって」
美希(……あれ?さっきよりちょっとラクかも)
P「いたた」ギュー
美希(―――)
8:
◆dzX3.Do/lI 2018/06/25(月) 00:00:27.49
ID:BU3VsouQ0
プシュー
ガタン ガタン ゴトン ガタンゴトン
P「大分空いてきたかな」
美希「狭かったぁ」
P「俺は何度か踏まれたよ」
美希「ね、プロデューサーさん」
P「うん?」
美希「ありがと。ミキと他の人の間、立っててくれてたでしょ?」
P「どういたしまして」
美希「プロデューサーさんも、たまにはカッコいいことするんだね」
P「たまには、は余計だっての」
9:
◆dzX3.Do/lI 2018/06/25(月) 00:01:05.22
ID:BU3VsouQ0
P「ほら、隣」ポンポン
美希「やっと座れたのー」
P「これでようやく落ち着けるな」
美希「あとどれくらい?」
P「40分くらい、かな」
美希「まだ長いの……」
P「寝過ごさなければあとは待ってるだけだよ。はいコレ」
美希「何これ。飴?」
P「これくらいなら車内でも大丈夫だろ」
美希「わ。ありがと!プロデューサーさ―――」
P「はい、あーげた」スイー
美希「」バシバシ
P「叩くなよ!狭いのに」
10:
◆dzX3.Do/lI 2018/06/25(月) 00:03:28.88
ID:BU3VsouQ0
ガタンゴトン ガタンゴトン
美希「ね、プロデューサーさん」コロコロ
P「どした?」サラサラ
美希「貸して。スマホ」
P「なんでだよ」
美希「だって暇なんだもん」
P「自分のがあるだろ」
美希「だって勿体ないもん」
P「なおさらダメ!」
美希「ぶー。プロデューサーさんは何してるの?」
P「仕事のチェック」サラサラ
美希「へー。見せて?」
P「ダメ」
美希「ケチ」
11:
◆dzX3.Do/lI 2018/06/25(月) 00:04:22.65
ID:BU3VsouQ0
ガタンゴトン ガタンゴトン
美希「ね、プロデューサーさん」
P「……………ん?」
美希「何かおもしろい話、して」
P「急すぎるだろ」
美希「だって暇なんだもん」
P「そんな急に言われても……あ、美希のことだったらあるぞ」
美希「え」
P「アイドルの星井美希さんはジュース飲もうとふりふりしていると電話が鳴って」
美希「えっなんで知って」
P「長電話した後ジュースを飲もうとした美希さんでしたが蓋開けてたのをすっかり忘れ」
美希「~~~っっっ!!」
12:
◆dzX3.Do/lI 2018/06/25(月) 00:05:02.33
ID:BU3VsouQ0
美希「……くしゅっ」
P「寒いか?」
美希「うん、ちょっと……」
P「さっきまで人が多かった弊害かな。はいこれ」ゴソゴソ
美希「……上着?用意してくれてたの?」
P「冷房の時期は一応、な」
美希「ありがと! これもプロデューサーのお仕事?」
P「おう」サラサラ
13:
◆dzX3.Do/lI 2018/06/25(月) 00:06:18.63
ID:BU3VsouQ0
ガタンゴトン ガタンゴトン
P「―――」
美希「………」
P「―――」
美希「……ね、プロデューサーさん」
P「―――」
美希「……プロデューサーさん?」
P「―――すぅ」
美希(寝てる?)
14:
◆dzX3.Do/lI 2018/06/25(月) 00:06:59.06
ID:BU3VsouQ0
美希「もー、ミキには『寝るな!』って言ったくせに」
P「zzz」
美希「プロデューサーさん、おきてー。寝過ごしちゃうのー」ユサユサ
P「―――ん、ぅ」パサ
美希「あ」
美希(これ、プロデューサーさんのノートだ)ヒョイ
P「zzz」
美希「……」
P「zzz」
美希「……………みちゃえ☆」パラ
15:
◆dzX3.Do/lI 2018/06/25(月) 00:07:55.51
ID:BU3VsouQ0
美希「わー……カレンダー、ぎっしり」パラパラ
美希「これが今日のお仕事で、こっちは……明日のお仕事?かな」
美希「……え、こんな先までお仕事決まってるの!?」
P「zzz」
美希「うー…………ミキ、そんな頑張るつもりないのに」
美希(プロデューサーさんも、もっとテキトーでいいのにな)パラ
16:
◆dzX3.Do/lI 2018/06/25(月) 00:08:33.04
ID:BU3VsouQ0
『6/5 定例会議』
美希(……何書いてあるかわかんない)パラ
『各アイドルとプロデューサーの現状と今後の活動方針』
美希(ミキ以外にもアイドルの子いるみたいだけど、いつか会えるかな?)
『美希の活動方針について』
美希(あ!これならミキにもわかりそ)
『ダンスレッスンの先生から寝坊と遅刻についてきつく怒られる。先方には6日に社長と謝罪に―――』
美希「…………」パラパラ
17:
◆dzX3.Do/lI 2018/06/25(月) 00:09:33.49
ID:BU3VsouQ0
美希「もー、読んで損したの!ちっとも面白くないし」パタン
ピラ
美希「メモも落ちるしっ!プロデューサーさんもちゃんとしてってカンジ―――」
『5/27 美希のオーディション』
美希(あれこれ……この前のオーディションのことかな)
美希「字、汚過ぎ……えっと」
『美希がオーディションに合格した!!!
ランクもDが近づいてきてる。ここまで大変だったろうけど、
ようやく美希の頑張りが目に見える形になろうとしている』
『美希も少しずつアイドルにやりがいを見出していると感じる。
まだまだ超えなきゃいけない壁はあるけれど、でも―――』
美希「―――」
18:
◆dzX3.Do/lI 2018/06/25(月) 00:09:59.55
ID:BU3VsouQ0
P「………」
美希「プロデューサーさん、プロデューサーさんっ」
P「……ぁ」
美希「おきてー。まだ電車の中なのー」
P「…………はっ!? 俺、寝てた?」
美希「うん、ぐっすり」
P「今どこの駅だ!?時間は?もしかして寝過ごして―――」
美希「えっと、今はここみたい」
P「………………あぶねえ、次の次だ」
美希「おはよ、プロデューサーさん」
P「おはよう……ああ、焦ったあ」ホッ
19:
◆dzX3.Do/lI 2018/06/25(月) 00:10:40.07
ID:BU3VsouQ0
美希「ハイこれノート。落としてたよ」
P「ああ……ありがとう、美希。それとごめんな、寝るなって言ったのこっちだったのに」
美希「プロデューサーさんいっぱいお仕事してるみたいだから、仕方ないって思うな」
P「はは……。な、ノートの中身、見たか?」
美希「みたよ。難しいことばっかりでちんぷんかんぷんなの」
P「……落としておいてなんだけど、次から読むのは控えてくれると助かる」
美希「はーい。あ、でも字はキレイに書いたほうがいいって思うな」
P「善処する」
20:
◆dzX3.Do/lI 2018/06/25(月) 00:11:19.29
ID:BU3VsouQ0
ガタンゴトン ガタン ゴトン ガタン
『次は○○――― 次は○○―――』
P「よし、降りるか」
美希「ね、プロデューサーさん」
P「どした?」
『まだまだ超えなきゃいけない壁はあるけれど、でも』
美希「今日はどんなお仕事するの?」
P「そうだなあ、詳しいことは現場についてから改めて話すけれど―――」
『もし美希が、もっとアイドルを好きになれたなら』
21:
◆dzX3.Do/lI 2018/06/25(月) 00:11:45.67
ID:BU3VsouQ0
P「多分美希が、アイドルをもっと好きになれる仕事だと思うぞ」
美希「じゃあミキ、プロデューサーさんと一緒に頑張るね」
P「おう!」
『―――星井美希は必ず、トップアイドルになれる!!』
おしまい
22:
◆dzX3.Do/lI 2018/06/25(月) 00:13:06.03
ID:BU3VsouQ0
以上でおしまいです。ここまで読んでくれてありがとうございました。
アイマスは基本車で移動のイメージがありますが、比較的初期の方のランクだと
電車移動もあるんじゃないかなあと。
「プロデューサーさん」呼びの美希は可愛い、どうか伝われ。
元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1529852063/
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