114 名前:おさかなくわえた名無しさん[] 投稿日:04/02/23 13:10 ID:5KY4FKAw
もう20年ほども前の話です。
私の曾祖母は手まりを作る職人でした。
小さなピンポン玉くらいの大きさのものからドッジボールよりも一回り小さいくらいのものまで
とても精巧で美しく、工芸品屋やお土産物やさんに卸していました。
ついて遊ぶものではなく飾って楽しむものでした。
どうしてだったか忘れたけど小学校の校庭に曾祖母からもらった大きめのマリを持って遊びに。
そこには年上の女の子たちがいてハンドボールをしようということになったんだけど
あいにくボールがない。仲間に入れてほしかった私は大きいおばあちゃん(と呼んでいた)の
マリを差し出してこれを使ってといいました。
女の子たちはさすがに込んだ刺繍細工を見ていいの?いいの?と口々に言ってくれたけど
「いいの、いいの!」と遊んでほしい一心で言いました。
で、それを蹴って遊んだんだけど校庭の隅にあった池にはまったり泥だらけになったりで
もうもう、ぼろぼろになってしった。
それをどうしたか、家族に見せられなくて捨ててしまったか、それとも持って帰って怒られたのか
どうしても思い出せないけどあのまりを足蹴にしてしまったことは確か。蹴った感触や池に落ちたときの様子はよく覚えてる。
曾祖母はもうなくなりましたが初めての曾孫である私ととてもかわいがってくれて
ボケてからも何度もなんどもお年玉をくれようとしたり名前を呼んでくれたりしていた。
ごめんなさい。おっきいおばあちゃんごめんなさい。
未だに思い出すとせつない。苦しい。

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