宮本フレデリカ「ダメなところ10コ言うよー!」
城ヶ崎莉嘉「……うぅ~~ん」
ガチャッ
宮本フレデリカ「おはよー! 呼ばれてないのにフレデリカー!」
莉嘉「あ、フレちゃん……おはよ」
フレ「ンー? リカちゃんどうしたの? ケータイ無くした?」ヒョコッ
莉嘉「いや、持ってるけど」
フレ「ふむ……」
フレ「名探偵フレちゃんの推理によれば、城ヶ崎リカちゃん……
あなたはちょっとブルーであるとみた!」
莉嘉「んー……どうしよう~って、悩みがあってさ」
フレ「聞かせてくりゃれ」
――――
――
友達A『本当の友達は、相手のダメなところを10コ言えないとダメなんだって!』
莉嘉『えーっ、何で? イミ分かんない!』
友達B『それくらい、友達をちゃんと見ているかどうかってことかな』
友達C『えー、どうしよう……10コって、結構多いよね?』
友達A『私はちゃんと皆のダメなところ言えるもーん!』ドヤッ
友達B『それ、アンタが性格悪いってだけじゃない?』
友達A『何よそれー!』ムキー!
莉嘉『……』
――――
――
莉嘉「なーんて事をさ、話してて……」
フレ「ほぅ……つまりナウ、リカちゃん氏は親密になりたい人がいると?」
莉嘉「お姉ちゃん」
フレ「ン?」
莉嘉「お姉ちゃんとアタシ、本当の友達なのかな、って……」
莉嘉「で、でも! アタシお姉ちゃんのダメなところ10コなんて言えないよ!」
莉嘉「優しくって、カッコ良くて、キレイでカワイくて……お料理も上手なんだよ?」
フレ「うんうん。ミカちゃん、レッスンでも人一倍頑張り屋さんだもんねー」
莉嘉「でしょ? アタシ、すっごくお姉ちゃん大好きなのに……」
莉嘉「ダメなところを10コ言えなきゃ、ちゃんと見てないのかな……
友達じゃないのかな、って……」
莉嘉「うぅ~~~ん……」グデー…
フレ「ふむふむ、なるほどなるほど」
フレ「どうしたら良いかな、シューコちゃん?」
塩見周子「おっと、キラーパスやねフレちゃん」
莉嘉「えっ、い、いたの周子ちゃん!?」
周子「いたよー。ウンウン唸ってる莉嘉ちゃんの真ん前でケータイ弄ってた」
周子「いいのいいの、気配消してたから。で、どうしろって?」
フレ「リカちゃんがミカちゃんのダメなところ10コ言わないとダメなんだって」
周子「いや聞いてたけどさ」
フレ「こういう時、頼りになるのがシューコちゃんなんだよー!」
周子「どんな時やねん。そんなダメ出しするキャラじゃないでしょ、あたし」
周子「ただ、まぁ……うん」
周子「無いワケでも無いかなー、方法としては」
フレ「聞かせてくりゃれ」
周子「フレちゃんそれマイブームなん? まぁいいや」
周子「確かに、美嘉ちゃんはすごく良い子だよね」
周子「欠点も無いこたぁないけど、それはあたしの主観だし、
今回は、莉嘉ちゃん自身がそれを見つけないと意味が無い」
周子「さて、どうしたもんか……その方法は一つ」
莉嘉「……」ゴクリ…
周子「無いものは、作ればいいんだよ」
莉嘉「……え?」
周子「いっそ美嘉ちゃんをダメ女にしちゃえばいいと思うよ」
双葉杏「何で杏を見たのさ」
周子「まぁつまりさ、美嘉ちゃんに何かしらチョンボさせて、茶化しちゃおうって話」
周子「どうこれ、フレちゃん?」
フレ「ウーーン!」マルッ!
周子「宮本議院は通過しました。さて、どうされます総理?」
莉嘉「よ、よぉし! お姉ちゃんともっと仲良くなるためだもん!」
莉嘉「お姉ちゃんダメ女化計画、やってみよー!!」ガッツ!
フレ「ミカちゃんのダメなところ10コ見つけよー!」オー!
周子(キマッてんなー)オー!
城ヶ崎美嘉「アハハハ! でさー、その時に凛がねー?」
大槻唯「ウソー!? それマジヤバくなーい!?」
キャッキャ…!
ヒョコッ ヒョコッ
フレ「こちらフレちゃん、今ターゲットを捕捉しました」
莉嘉「アタシ達も一緒だけどね」
周子「唯ちゃんとギャルトークに華を咲かせてますなぁ」
周子「さて、莉嘉ちゃんちょっとコレを」スッ
莉嘉「? なにコレ?」
周子「あ、莉嘉ちゃんは見ちゃダメだよ?」
莉嘉「えーなにー? 気になるー!」
周子「ダメダメ。莉嘉ちゃんは絶対に見ないこと。美嘉ちゃんと仲良くなるんでしょ?」
莉嘉「ぶー……分かった」
フレ「おぉっと、ミカちゃん氏ここでおもむろにペットボトルを取り出しました!」
周子「グッドタイミングやね。あたしの合図で出して、莉嘉ちゃん」
莉嘉「う、うん!」ドキドキ…
美嘉「そうそう、それからの未央ったらもう……?」グイッ
莉嘉「」 つ 『Pの全裸マッチョポーズコラ写真』ムンッ!
美嘉「ッッ!!!?」ゲブーッ!!
唯「うわああーっ!! ちょ、ちょっとミカちゃん!?」
莉嘉「あっ、待って周子ちゃん!」ダッ!
フレ「ミカちゃーん、ありがとー!」フリフリ
タタタ…
美嘉「ゲェホッ!! ゲホッ!! ウェッホ!」
唯「ミカちゃん、大丈夫!? いきなりどうしたの!?」
美嘉「な゛っ!! い、いま゛、エホッ!! 莉嘉が……!?」
【お姉ちゃんのダメなところ①】
・唯ちゃんの前でいきなり吐く。
タンッ タンッ! キュキュッ!
美嘉「はぁ、はぁ……!」
ベテラントレーナー「ダレるな! 目の前にいる観客を常に意識しろ!」
美嘉「はいっ!!」タタン タンッ!
ガチャッ キィィ…
ヒョコッ ヒョコッ
フレ「こちらフレちゃん、ターゲットはすっごく頑張っています…!」
莉嘉「お姉ちゃん、カッコいい……」
周子「うーん、こういうのに水を差すのはさすがに気が引けるなぁ」
周子「なので、頑張るミカちゃんには差し入れを持っていってあげよう」スッ
周子「大丈夫、別に変なモン入れてないよ。自販機で買ったフツーのコーラ」
フレ「シキちゃんのお薬とかも?」
周子「志希ちゃんが自販機に細工でもしてない限りはね」
周子「とりあえず、これを目一杯振っといて、と……」シャカシャカ
ベテトレ「よし、休憩だ。私は少しプロデューサーと話をしてくる」スッ
美嘉「はい! ……はぁ、はぁ」
ガチャッ バタン
ガチャッ
周子「やっほー美嘉ちゃん、お疲れさんやね」
美嘉「……え?」
美嘉「莉嘉! どうしたの皆して、今日レッスンじゃないでしょ?」
美嘉「あ、そういやさっきアンタ…!」
フレ「呼ばれてないのにフレデリカー!」ガバーッ!
美嘉「えぇい、フレちゃん暑苦しい!」
周子「まーまー、とりあえずはい、これ」スッ
美嘉「え……あ、ありがと」
美嘉「あっ、ちょっと待って、何かヤな予感がする」
周子「へ? 何が?」
美嘉「目一杯振って、アタシがビチョビチョになんの狙ってたりしない?」
莉嘉(す、鋭い……)
美嘉「ま、そうでなくてもアタシ、炭酸は飲まないけどね」
美嘉「ううん全然! ありがとう。
法子達がこの後来るから、そこのクーラーボックスに入れといて」
周子「はいよー」
ガチャッ
椎名法子「やったー、一番乗りー! ねぇ、時子さんも早く!」グイーッ
財前時子「気安く手を引くのは止めて。何が楽しいのかしら、この子は」
法子「えー、ドーナツの後の運動だよ? しかも時子さんと一緒……あっ!」
美嘉「ヤッホー★ 待ってたよ、法子、時子さん」
法子「美嘉ちゃん! すっごい汗だくだね!」
美嘉「第一声がそれ!?」
時子「蒸し暑いわね、まるで豚小屋だわ……あら、あなた達も一緒なの?」
フレ「冷やしデリカー☆」
周子「んじゃ、帰ろっか莉嘉ちゃん」
莉嘉「う、うん……」
莉嘉(お姉ちゃんのダメなとこ、見つけられなかったかぁ……)
時子「ところで美嘉。せっかく私が来たというのに、もてなしの一つも無いのかしら?」
美嘉「あ、あぁ。ごめんね時子さん、そこのクーラーボックスにコーラがあるけど」
法子「あ、ホントだ!」ガチャッ
法子「ドーナツのお供にはコーラもアリだよ!」
時子「スイーツのお供が砂糖水? 法子、あなたの頭も立派に砂糖まみれのようね」
美嘉「うーん、まぁ、運動には甘いものが良いっていうし、法子にも悪気は無いしさ」
時子「当たり前よ、悪気があったらとっくに私が躾けているわ」
法子「じゃあ皆で飲もっか!」グリッ
ぶしゃああああ~~!!
時子「」ポタポタ…
時子「……」ポタポタ…
美嘉「と、時子さん、違うんだよコレは…」
時子「二人して良い度胸ね。
そこに倣いなさい。そのおめでたい根性を叩き直してあげるわ」ビシィッ!
美嘉・法子「ひええぇぇぇぇぇっ!!」
周子「……よし、撤収っ」
莉嘉「ひょっとして……周子ちゃん、ここまで計算ずくだったの?」
周子「いやいや、まさか」ケラケラ
【お姉ちゃんのダメなところ②】
・コーラを時子さんにぶちまける。
北条加連「じゃあ、例のやつ、ヨロシクね美嘉♪」
美嘉「ハイハイ……」ガシッ
藤本里奈「ふぇっ?」
加連「そーれこしょこしょ、こしょこしょ~♪」コチョコチョ
里奈「ちょ!? まぢかこれダメダメヤバイ!やっ、やひゃははははははは!!」
周子「な、何という卑劣な行為!」ワクワク
【お姉ちゃんのダメなところ③】
・加連ちゃんと二人して里奈ちゃんをいじめる。
高垣楓「見て、美嘉ちゃん」
楓「私の時計、ちょっと遅れているんです」
美嘉「あれ、ホントだ。直さないんですか?」
楓「多少の遅れは、ほっとけい……なんて」フフッ
美嘉「…………えっ。あ」
楓「……」シュン…
美嘉「うわっ!? あ、いやいや面白い! 面白いです、楓さん!!」
フレ「www」ゲラゲラ
【お姉ちゃんのダメなところ④】
・楓さんを悲しませる。
速水奏「美嘉、この間の写真をLINEで送ったわ」
美嘉「やりぃ~! サンキュー、奏ちゃん!」
美嘉「……って、えっ?」
奏「どうかした?」
美嘉「何で……皆の集合写真なのに、何でアタシとプロデューサーしか映ってないの!?」
奏「そう加工してあげた方が、あなたが喜ぶと思ったからよ」フッ
美嘉「か、かな……かなっ、かなぁ~~ッ!!」スタスタ
奏「ふふ、セミかしら?」スタスタ
莉嘉(……カブトムシじゃない!?)
【お姉ちゃんのダメなところ⑤】
・セミになる。
周子「……おっ、来た来た。奏ちゃん、こっちこっち」フリフリ
奏「お役に立てたかしら?」スッ
周子「うん、ありがとね。しかし……」
【お姉ちゃんのダメなところ】
・唯ちゃんの前でいきなり吐く。
・コーラを時子さんにぶちまける。
・加蓮ちゃんと二人して里奈ちゃんをくすぐる。
・楓さんを悲しませる。
・セミになる。
・発情する。
・お漏らししそうになる。
・すぐ脱ぐ。
莉嘉「これで8コ……あと2コかぁ」
フレ「シキちゃんが手伝ってくれてからの3つはトントン拍子だったねー☆」
一ノ瀬志希「にゃはははー♪ こんな楽しそうなコトしてるなら早く呼んでよ~」
奏「それだけちょっかいを出されたら、さすがに美嘉も警戒するでしょう」
志希「別に経口薬じゃなくても、お香で作用させるものならいくらでもできるよ?」
フレ「ワォ♪ さっすがシキちゃんとんち者~☆」
莉嘉「…………!」ティン!
莉嘉「そうだイイこと考えた!」ガタッ
周子「おっ?」
フレ「リカちゃん、頑張ってー♪」フリフリ
タタタ…
奏「……あれは、果たしてどうかしら」
志希「んー、あたしの推測だと、たぶん良からぬ事になるねー」
周子「だねー」
>>11 最下段
ミカちゃん→美嘉ちゃん
>>18
加連→加蓮(3箇所)
P「美嘉、明日のオーディションが正念場だ」
P「この仕事を勝ち取れば、今度出す新曲にも弾みが付くし、その後のフェスでも有利になる」
P「てっぺん、取りに行くぞ」
美嘉「トーゼン★ アタシを誰だと思ってんの?」
P「あぁ、その意気だ……ところでお前、何か色っぽくなってないか?」
美嘉「へぇあ!? い、いやいや、これは別に志希ちゃんがただ……!」
ヒョコッ
莉嘉「むっふっふ……!」
莉嘉(思った通り、P君とお姉ちゃん、一緒にいるね♪)ウシシ
――――
――
莉嘉『P君、お姉ちゃん、お疲れー! コーヒー淹れてあげるね!』
P『おぉ、莉嘉。悪いな、ありがとう』
美嘉『莉嘉っ!? プロデューサー、それ飲んじゃダメ!
今日の莉嘉ちょっとヘンなんだよ!』
莉嘉『あー、アタシ何も悪いこと考えてないのにお姉ちゃん信用してくれないんだー』
美嘉『なっ!? い、いや、そういうワケじゃ……!』
莉嘉『まぁそりゃあ、愛しのP君のためなら、お姉ちゃんムキになっちゃうよねー♪』
美嘉『何バかなこと言っち!』
【お姉ちゃんのダメなところ⑨、⑩】
・アタシのことを信じてくれない。
・P君のことになるとムキになる。
莉嘉(カンペキじゃん! これで10コ揃うし、お姉ちゃんもヘンなの飲まなくてすむし!)
美嘉「アタシが子供っぽいって言いたいの!? もうっ!」プンスコ!
莉嘉「P君、お姉ちゃん、お疲れー!」ピョン!
P「お、莉嘉。何だか楽しそうだな」
美嘉「げ、莉嘉」
莉嘉「げ、って何さ。もー失礼だなーお姉ちゃんは」
美嘉「だって今日のアンタ、何かヘンなことばっかするし」
莉嘉「えー、そんなこと無いよー」
莉嘉(エヘヘ、疑ってる疑ってる♪)
莉嘉「ま、いいや、とりあえずコーヒー淹れてあげるね♪」
P「な、何をそんな動揺するんだ……?」
莉嘉「P君も飲むでしょ?」
P「あぁ、ありがとう。助かるよ」
美嘉「莉嘉っ!」ガシッ
莉嘉「うわっ!?」
美嘉「ちょっとアンタ、いい加減にしなよ!
アタシはともかく、プロデューサーにまでイタズラする気!?」
莉嘉「え、な……」アセアセ
莉嘉「や、やだなーお姉ちゃん。
あーあ、アタシ何も悪いこと考えてないのにお姉ちゃん信用してくれないんだー」
美嘉「当たり前でしょ!」
莉嘉「!?」
美嘉「今度のアタシの仕事がすっごく重要なの、アンタにだって分かるでしょ!?」
美嘉「アタシ達だって、本番に向けてしっかり準備したいの!
やっていいレベルとダメなレベルの分別くらい、ちゃんとつけな!」
莉嘉「そ、そんな……!」
莉嘉「何でイタズラするって決めてかかるの!?
アタシ、今回は本当に、ただコーヒー淹れてあげたいってだけで…!」
美嘉「今まで一度もコーヒー淹れたことの無いアンタが?」
莉嘉「うっ……!」ギクッ
美嘉「ほら、やっぱりヘンなこと考えてるんじゃん」フンッ
P「お、おいおい二人とも…」
莉嘉「アタシはただ、お姉ちゃんのダメなところを…!」
美嘉「はぁ!?」
莉嘉「ちゃんと、見つけないとって!」
美嘉「イミ分かんないこと言わないで! それでアタシの仕事のジャマをするの!?」
莉嘉「まだしてないじゃん! 仕事なんかいつだって出来るのに、お姉ちゃんはアタシの…!」
美嘉「なんか、って……!」
パンッ!
莉嘉「……ふぇ」
美嘉「アタシの仕事を“なんか”呼ばわりしないでよっ!!」
美嘉「……あ」
莉嘉「お姉ちゃん……アタシ、お姉ちゃん……」
莉嘉「友達、な……ならなきゃ、って……!」ポロポロ
莉嘉「なんで……なんで、わか、わかっ、て……えぇ……!」ポロポロ
美嘉「り、莉嘉……あの……」
莉嘉「お姉ちゃん……バカぁ!!」ダッ!
美嘉「莉嘉!? ちょっ…!」
ガチャッ! バタンッ!
【お姉ちゃんのダメなところ⑨】
・アタシをぶった。
莉嘉「うぅ……ううぅ……!」グスッ…
莉嘉「…………ッ」
【お姉ちゃんのダメなところ⑩】
・__
莉嘉「…………」
【お姉ちゃんのダメなところ⑩】
・お姉ちゃん、嫌い__
莉嘉「……うぅ」ジワ…
【お姉ちゃんのダメなところ⑩】
・お姉ちゃん__
莉嘉「イヤだよ……お姉ちゃん……」
莉嘉「嫌いになんて、なれない……イヤな所なんてないよ……」
莉嘉「分かんないよ……だけど……!」
莉嘉「ちゃんと、好きになりたいよぉ……!」ボロボロ…!
莉嘉「ヒック…………ヒック……!」
フンフンフフーン…♪
フレ「フンフンフフーン フンフフーン♪」ルンルン
フレ「あーるーこー♪ あーるーこー♪」
フレ「わたっしはー みやもとフレデリカちゃーん♪」
莉嘉(語呂が悪い……)
志希「にゃーん♪」スッ
フレ「あっ! 野生の捨てシキちゃんだー!」
志希「にゃんにゃーん♪」
フレ「おぉよしよしよし、シキちゃん可愛いですねぇ~~☆」ナデナデ
莉嘉(なんか茶番が始まった……)
志希「はい……実は、この一ノ瀬、悪い事をしていたら、悪いプロデューサーに、猫にされちゃったのです」
フレ「ワォ☆ シキちゃん悪い事してたら、悪いプロデューサーに猫にされちゃったのー!?」
周子「フレちゃん、そこは常務っぽく」スッ
フレ「あ、そっか」
フレ「コホン。ふむ……一ノ瀬志希。
君は、悪い事をしていたら、悪いプロデューサーに、猫にされちゃったとでもいうのか」
志希「はい、そうなのです」
志希「宮本さんであれば、猫をやめる方法を、ご存知とお聞きしております」
フレ「確かに、私は猫をやめる方法を心得ている」
フレ「その方法とは、城ヶ崎美嘉……彼女のダメなところを10コ言うことだ」
志希「えっ! 美嘉ちゃんのダメなところを10コ!?」
フレ「できらぁっ!」
志希「フレちゃんの台詞じゃなくない?」
フレ「あ、そっか」
周子「グダグダやなー」
莉嘉「グダグダだね」
周子「ねー。なんかごめんね」
志希「あぁ、どうしましょう! 私、彼女のダメなところを10コなんて言えませんわ!」
志希「こんな時、城ヶ崎美嘉のダメなところを10コ言える人がいてくれたら……!」
フレ・志希「……」ジロリ!
莉嘉「!?」ビクッ
フレ「……えっと、早くすることだ。私は気が長い方ではない」
志希「あぁ、どうしましょう! 私、美嘉ちゃんのダメなところを10コなんて……!」
志希「こんな時、あの子のダメなところを10コ言える人がいてくれたら……!」
志希「彼女の事をよく知っている、妹的な人がこの場にいてくれたら……!」
フレ・志希「……」クワッ!
莉嘉(めっちゃアタシ見てる……)
莉嘉「あっ、奏ちゃん」
フレ「カナデちゃーん! カナデちゃんもやろー☆」
志希「莉嘉ちゃんに美嘉ちゃんのダメ出しさせる遊びー♪」
周子「いやいや、それ言ったらあかんやろ」
志希「あ、そうだったっけ? にゃははー、まーまー、どんとまいんど♪」
莉嘉(そういう遊びだったんだ……)
奏「馬鹿な事をやっていないで、事務所に来て」
奏「明日のオーディションの事で、周子……
プロデューサーからあなたに、招集が掛かっているわよ」
莉嘉「あ、明日のオーディション、って……お姉ちゃんの!?」
奏「美嘉のメンタルを勘案して、代打を当てた方が良いと、プロデューサーが判断したの」
奏「この際だから、隠さずに言うけれど、莉嘉……
あなたに手を上げてしまった事が、美嘉自身も相当にショックだったみたいね」
奏「明日までにコンディションを回復させる事は、極めて難しいだろうって……だから」
周子「だから、あたしが代わりに行けって?」
奏「あなたなら上手くやれると、彼は言っていたわ」
周子「んーまぁ……
今回に関しては、割とあたしに全責任があるのは分かるけど、気が引けるなぁ」ポリポリ…
周子「美嘉ちゃんを茶化して貶めた挙げ句、仕事を横取りしちゃうようで、すごくそのさぁ……」
莉嘉「待ってよ!!」
奏「莉嘉……」
莉嘉「元はと言えば、アタシがダメだったんだよ!」
莉嘉「アタシが、無理矢理お姉ちゃんのダメなところ、見つけなきゃって……!」
莉嘉「周子ちゃんもフレちゃんも、皆、アタシを手伝ってくれただけだもん!」
莉嘉「お姉ちゃんだって、アタシが悪いことしなきゃ、アタシをぶたなくてすんだもん!!」
莉嘉「アタシ……イヤだよ……!」ジワァ…
莉嘉「アタシのせいで、お姉ちゃんのお仕事を取らないであげてよ!!」ポロポロ…!
莉嘉「本当の友達じゃなくても……アタシ、お姉ちゃんに嫌われてもいいから……!」
莉嘉「強くてカッコ良くて、優しくてキラキラのお姉ちゃんがアタシ、大好きだから……!」
莉嘉「悪いのはアタシなんだ……アタシのせいで、お姉ちゃんがダメになるの、イヤだよぉ!!」ポロポロ!
周子「だってさ、美嘉ちゃん」
莉嘉「…………え?」
莉嘉「お、お姉ちゃん!?」
奏「ごめんね、莉嘉。さっきの話は、全部嘘なの」
莉嘉「は……?」
志希「手を上げた事に、美嘉ちゃんがすっごく落ち込んでたのはホントだけどねー」
周子「プロ意識の高い美嘉ちゃんの代打は、ちょっとあたしじゃ荷が重いかなー」
フレ「プロデリカー☆」
莉嘉「お……お姉ちゃん……」
美嘉「バカだなぁ、莉嘉」スッ
ギュウ…
莉嘉「ふぇ……」
美嘉「大好きって、莉嘉が言ってくれただけで、アタシ、すごく嬉しいよ」
莉嘉「お姉ちゃん……!」ポロポロ…
美嘉「痛かったよね……ごめんね、莉嘉。お姉ちゃん失格だね……」
莉嘉「そんな事、無い……お姉ちゃん、うわあぁあぁぁ……!!」ボロボロ…!
美嘉「…………」ヨシヨシ
【お姉ちゃんのダメなところ⑩】
・ダメなアタシを許してくれる。
周子「んー、いやまぁ……さ」ポリポリ
周子「今回ばかりは、莉嘉ちゃんを唆したあたしが悪かったねー。
ごめんね莉嘉ちゃん、美嘉ちゃん」
美嘉「ありがとう、周子ちゃん。莉嘉の面倒見てくれて」
美嘉「さっきの小芝居だって、周子ちゃんのアイデアだって、奏ちゃんから聞いたよ」
志希「めちゃくちゃ焦ってたよねー。周子ちゃん、ひょっとして気ぃ遣いなのかにゃ?」
フレ「ひょっとしなくてもシューコちゃんは気配り屋さんだよー☆」
莉嘉「周子ちゃん、ありがとう!」
周子「あー、と……そういうのはホント、いいや。ごめん」
奏「……もしもし、プロデューサー?」
奏「えぇ……大丈夫、心配要らないわ。これから皆でそっちに戻るから」
奏「……ふふっ、何もしてないわよ。
喧嘩して仲直りするの、そうおかしな事でもないでしょう?」
P「美嘉のダメなところ?」
美嘉「そっ。プロデューサー、ちゃんと言える?」
P「当たり前だろ」
美嘉「えっ?」
P「俺達プロデューサーは、お前達のファン第一号であると同時に、指導者でもある」
P「自分の担当アイドルの課題も見いだせないようでは、おまんまの食い上げだ」
P「そろそろ出るぞ、荷物持ったか?」
美嘉「ちょ、ちょっと! じゃあ試しになんか言ってみてよ!」
P「ん? そうだなぁ……」
美嘉「…………え゛」
P「グラビアの仕事の度に、お前の写真は修正が大変だって、先方から小言を言われるんだ」
P「お前はその仕事が好きだから、プロフィールを詐称してまで何とか取っているけどさ。
そろそろ、方向性の見直しを検討しよう。何か色気も出てきたし」
美嘉「なぁっ!?」ドキッ
P「あとは、自分の肌を見せる事に、普段から抵抗がなさ過ぎる。
ギャルだからといって、ホイホイ晒して良いもんじゃない。奥ゆかしさを学んでくれ」
P「それと、ちょっとした事で感情的になりやすいのも玉にキズだな。昨日だって…」
美嘉「プロデューサーのスケベッ!!」ボコー!
P「オホッ!?」ドサァッ!
美嘉「もういいっ!! 莉嘉、行くよ!」
莉嘉「えっ?」
美嘉「プロデューサーじゃ頼りになんないから、アンタが付いてきて」
美嘉「莉嘉ならちゃんとアタシの事、見てくれるでしょ?」ニカッ
莉嘉「……やったぁ!! お姉ちゃん大好きっ!!」ダキッ
美嘉「あーもう、暑いから離れなってば」
ガチャッ バタン
周子「ま、雨降って地固まる、ってとこ?」
フレ「もっと仲良しになれて良かったねー、リカちゃんとミカちゃん☆」
フレ「ねーねーシューコちゃん」
周子「ん?」
フレ「アタシのダメなところ、シューコちゃん言える?」
周子「おっほ、いやいやいやフレちゃんのダメなところなんて、
あたしなんぞじゃ畏れ多くてとてもとても」
フレ「聞かせてくりゃれ」
周子「いやいやとてもとても!」
奏「相変わらず白々しいわね」
周子「おっ、そういう奏ちゃんは言える? フレちゃんのダメなとこ」
奏「思い当たりすぎて、わざわざ口に出すのも馬鹿らしいわ」フッ
フレ「ねー♪ あ、シキちゃーん、フレちゃんのダメなところテルミー♪」
志希「んー? あたしに構ってくれるトコー♪」
フレ「ワォ、即答ー☆」
志希「フレちゃんはどうかにゃ? あたしのダメなトコ」
フレ「ンー? えっとねー」
フレ「シキちゃんなところー♪」ダキッ
志希「にゃはははー、サラッと全否定~♪」
フレ「皆のダメなところも頑張って10コ言うよー!」
周子「いや頑張らなくてもよくない?」
~おしまい~
財前時子Pは、時子様のダメなところを10個挙げてください。
お読みくださり、ありがとうございました。じゃあの。
「シンデレラガールズ」カテゴリのおすすめ
「ランダム」カテゴリのおすすめ
今週
先週
先々週
コメント一覧
-
- 2018年07月23日 22:34
- 時子様は最近ぬるすぎるのでは?抜けた部分ばかりでは凡百のアイドルと似たり寄ったりになってしまいます(マジレス)
-
- 2018年07月23日 22:54
- ↓ちひろの悪いところ10個
-
- 2018年07月23日 23:04
- かわいい顔してやることがえげつない
-
- 2018年07月23日 23:20
- ガチャ引いても出ない
-
- 2018年07月23日 23:37
- 蒸しても無視できない存在感
-
- 2018年07月23日 23:41
- 伝説の教師っていうかなり昔のドラマであったな。相手の欠点10個言ってその日のうちに笑って一緒に酒飲んでくれたらそれがほんとの友達ってやつ
-
- 2018年07月23日 23:47
- さらっと全否定〜♪ 好き
スポンサードリンク
デイリーランキング
ウィークリーランキング
マンスリーランキング
掲示板サイト
アンテナサイト
新着コメント
最新記事
LINE読者登録QRコード
スポンサードリンク