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夢とロマンと危険がいっぱい。世界10の水中洞窟 : カラパイア

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 水中洞窟には、神秘の発見と巡り合えそうでワクワク感があるだろう。

 洞窟という地下領域だけでも私たちの想像力を刺激してくれるが、それが水中世界に広がるというのだから尚更だ。

 それはただ水で満たされたトンネルというだけでなく、何キロも続く長大なものや、入り口が密林に覆われ、陸や遠く離れた水路につながるものなど、それぞれの特色がある。

 ここでは世界有数の壮大さを誇りつつも、同時に危険な水中領域でもある洞窟系を集めてみた。
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10. サク・アクトゥン洞窟系(Sac Actun Cave System)メキシコ



Divers discover 215-mile-long cave in Mexico full of Mayan relics

 メキシコには数多くの遺跡、ビーチ、森林が存在するが、実は水中洞窟でも有名な国だ。それは巨大な迷宮のように入り組んでおり、その全容はまだ明らかになっていない。

 サク・アクトゥン洞窟系は、ドス・オホス(Dos Ojos)とつながっていることが明らかになったことで、総延長346キロという世界最大の洞窟系として認定された。

 セノーテでもあり、大量の真水がまるで地下の川のように流れている。不用意に中に入ろうものなら、あっという間に迷い、二度と出てこられなくなってしまう。


9. ブッシュマンズホール(Boesmansgat)南アフリカ



Boesmansgat April 2008

 南アフリカの大地に開いたシンクホールで、荒れた田園風景にぽっかりと開いた未知の地下世界へのポータルのようだ。

 深さ270メートル、幅100メートルのブッシュマンズホールは、緑色の不気味な水で満ちた洞窟で、侵食されたドロマイト岩石に深く真っ直ぐに穿たれている。一見、農業用ため池のようだが、そこには恐ろしい秘密が隠されている。

 水面からは崖のような壁がそびえ立ち、その周囲を植物が覆う。ここではその筋のエキスパートも含め、何人ものダイバーが深く淀んだ水から帰還することなく命を落としている。

 美しい桜の木の下には死体が埋まっていると言うが、ここの水面に繁殖する浮き草や藻の類は、彼らの養分を吸って生きているのだろうか?


8. オルダ洞窟(Ordinskaya)ロシア



Orda Russia - Cave Diving

 ロシアはタイガやツンドラのほか、様々な地下洞窟でも有名だ。

 中でも有名なものの1つは、水晶のように澄んだ水ではなく、本当に石膏の結晶組織を特徴としている。

 ペルミ地方を流れるクングル川(Kungur River)の近くに形成されたオルダ洞窟は、洞窟ダイビングスポットとして人気で、ロシアの国定記念物でもある。

 全長4.8キロ以上に広がる謎に満ち、冷たく暗い洞窟は、地下石膏洞窟として最も重要な場所で、水と石膏のコンビネーションを目の当たりにできる。

 水は非常に澄んでおり、45メートル先まで見渡せる。柔らかく脆い石膏は、その水の侵食作用によって、ピラミッドや槍のようなミステリアスで非常にドラマチックな景観を誕生させた。

 だが水温は低く、15メートルの深さではマイナス22度にも達する。


7. バハマ洞窟(Bahamas Caves)バハマ



Bahamas caves

 美しいビーチが広がる同国だが、バハマ洞窟は地球で最も危険な水中洞窟の1つだ。そこを満たす暗い水は天然の有毒化学物質で汚染されている。

 硫化水素だけでも危険だが、鋭い堆積物にも細心の注意を払わねばならない。

 内陸のブルーホールと知られるここは、水門地質学的に海とつながっている。だが潮汐流はかなり弱いために、洞窟内の海水は真水の薄い層で覆われる。

 熱帯の環境は、空気循環の欠如、有機物の蓄積、限られた水の流入出と相まって、生化学物質のハザードを作り出す。空気が乏しく淀んだ環境でバクテリアが繁殖し、これが硫化水素を放出。この毒ガスは洞窟に立ち入った者の気分を悪くさせ、命を奪うこともある。

 軽い暴露でちょっとした見当障害が起きただけでも、複雑怪奇な洞窟内部では迷い、溺れる危険を大きく高めてしまう。


6. プルーラ(Plura)ノルウェー



Plura Cave - Norway

 美しいフィヨルドの国ノルウェー。あまり知られていないが、そこには冷たく、複雑な水中洞窟がある。プルーダレン谷の中央には不思議な池がある。それがプルーラだ。

 ただの池ではなく、水中河川の入り口であり、そこからは500メートルの通路と、空気がある部分と水没した部分で構成される長い洞窟へと続いている。

 これはサンプという種類のU字の通路で、世界で最も深いサンプ洞窟であると考えられている。

 U字の部分は表面から135メートルも下降し、今度は上へ向かって伸びる。そこでSteinugleflaget洞窟へつながり、さらにその上まで上昇すると、洞窟から89メートル上にたどり着いたところで、山腹に開いた出口に出る。

 その冷たさと誰もいない通路のために、ここでは死亡事故も起きている。


5. イーグルズネスト・スプリング(Eagle’s Nest Spring)アメリカ



Cave Diving Eagle's Nest

 米国フロリダ州には湿地帯が広がっている。そこは水で満たされたトンネルが広がる土地でもあり、例えば、イーグルズネスト・スプリングは、狭く暗いくねくねとした通路が91メートルの地下世界へと続く危険な洞窟だ。

 だが、その危険さゆえに命知らずの冒険者を強く惹きつけてもいる。

 1981年以来、イーグルズネストを特徴付ける蛇のようにくねる迷路は、10人の命を奪ってきた。その形状はどこかキッチンの排水パイプに似ており、U字パターンを描く。入り口は、なんの変哲もない池のような見た目で、その周囲にはいい雰囲気の木が生える。

 だが、一度中に潜入してしまえば、簡単に方向感覚を失わせ、経験豊富なダイバーであっても命がけの冒険となる。


4. 青の洞窟(Grotto Azzurra)イタリア



Grotta Azzurra (Blue Grotto) - Capri

 ここで取り上げた悪名高い洞窟は、ダンジョンのように入り組んでおり、下手をすれば死の危険があることで知られているものだ。

 だが不吉な言い伝えというよりは、天使の伝承と関連づけられている洞窟もある。そのような洞窟の1つ、イタリア、カプリ島の青の洞窟は美しくも、素晴らしいスペクタクルが味わえる場所だ。

 そこには海上に開いた1メートルほどの入り口から入る。弧を描く天井と、名前の由来となった青い水が印象的だ。

 圧巻なのはその所在地で、昔は地元の漁師だけが知る秘密の場所で、ローマ時代は海の妖精の神殿として使われていた。

 侵食作用によってゆっくりと長い時間をかけて形成された洞窟内部では、地下世界と海というユニークな組み合わせを楽しむことができる。


3. ショダンヌ洞穴泉(Chaudanne Spring Cave)スイス



Cave Diving in the Swiss Alps.wmv

 スイスといえば、そびえ立つ霊峰の数々で知られるが、地下湖や洞窟もある。

 ヴォードワアルプスという、やや知名度の劣る谷にあるショダンヌ洞穴泉は、地中160メートルという地球の地殻の一部に食い込むほどに潜っている。

 スイスで最も深いとされるこの洞窟の隠された謎めいた通路は、かなり間に合わせの手段を利用する命知らずたちによって探索されてきた。

 2006年、マイケル・ウォルツら、冒険の先駆者たちが自家製の装備を使い160メートルまで潜水することに成功。さらに洞窟のマッピングと記録を目的とする別のグループは現在でも活動中で、さらなる深さを更新しようと組織的な活動を続けている。

2. ナヌマンガ洞穴(Caves of Nanumanga)ツバル


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 ポリネシア西部、ツバル、ナヌマンガ島には、海面から36から46メートルの地下に広がるナヌマンガ洞穴がある。

 比較的最近まで知られていなかった洞窟であるが、その歴史は古代まで遡る謎めいたものだ。

 ナヌマンガ洞穴は、1986年に一帯を探索していたダイバーらによって発見された。どうやら古代人によって使われたらしく、火を使ったような痕跡が見つかっている。

 水中洞窟としてはきわめて珍しい発見であるが、このような古代人が生活した跡は、海面レベルの変化といった、過去における劇的な出来事を垣間見せてくれる。


1. 大興九頓天窟(Daxing Spring)中国



Exploring Daxing Spring, China

 中国には見事なカルスト地形が広がる地域がある。

 広西チワン族自治区都安にある大興九頓天窟は、石灰岩が侵食されて形成された、まるで仙人でも住んでいるかのようなカルストの風景の地下に作られた。

 地下の奥底へと続く侵食された構造のほとんどは、水の流れによって広げられたものだ。水は圧力によって石灰岩を侵食するが、同時に化学的にも分解し、長い時間をかけて洞窟を長く大きく広げていく。

 液体が浸透しやすい地下世界には水が大量にあるため、そうした洞窟の多くが水で満たされており、ダイバーでなければ到達できない。

 それはスペクタクルな冒険となるだろうが、危険と隣り合わせで、複雑に入り組んだ洞窟を探索するには、十分に減圧するなど、きちんとした安全対策を行わなければならない。

References:10 Unearthly Underwater Cave Systems - Toptenz.net/ written by hiroching / edited by parumo
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コメント

1

1. 匿名処理班

  • 2018年07月31日 20:54
  • ID:zmj.LBHM0 #

洞穴の奥に閉鎖環境へ適応した未知の生物がいたりってのはないのだろうか

2

2. 匿名処理班

  • 2018年07月31日 21:02
  • ID:WlOcOspO0 #

3番の場合仮に160メーターにおりるまでにも時間が
かかり、底いる時間は最大20分。戻るにもさらに時間が
かかり最低6時間以上なので、普通のタンクだと持たずに
そのまま海の底に沈む
しかも深海探査の場合、仲間同士の結束も重要だけど
己の精神力が重要になるので、窒素酔いの耐える根性が
ないと同じく死ぬ
文字では軽く書いているが、この深さって知っている奴が
見たらあり得ん凶悪な領域だ

3

3. 匿名処理班

  • 2018年07月31日 22:00
  • ID:BP9uY6Q90 #

命がけの美しさだ。
フィンの動かし方?も独特らしいですね。上下バタバタさせたら、底に沈殿している粉状の泥?がブワッと舞い上がって、視界が塞がれてしまうらしいですね。

4

4.

  • 2018年07月31日 22:05
  • ID:Vk46CLSz0 #
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