整形美女「生まれた子供がブス時代の私そっくりなんだけどどうしよう……」
美女「ううぅ~……っ!」
イケメン「頑張れっ! もう少しだっ!」
美女「ヒッヒッフーッ!」
イケメン「いいぞぉ!」
美女「う、生まれるぅぅぅぅぅ!」
オギャアオギャア…
美女「よ、よかった……」
イケメン「顔を見るかい?」
美女「ええ……もちろん」
美女「!?」
美女(うわ、すっげえブス! っていうか、これは――)
美女(1000万かけて整形して美女になった私のブス時代にそっくり!)
美女「え、ええ」
美女(どこが可愛いのよ……全然可愛くない)
美女(私はかつてこの子と似たような顔で、どれだけ地獄を見てきたことか……)
美女(だけど、一生懸命お金を貯めて整形して、その美貌でイケメンさんと結婚して)
美女(やっとブスな自分にサヨナラ、と思ったのに……)
美女(これから先、私はこんな子を育てなきゃいけないの……!?)
美女「ええ……」
ブス娘「ばぶ、ばぶ」
近所の奥さん「あらぁ~、ご両親は美男美女なのに、娘はブスねぇ~!」
美女「そんなことないですよ、ホホホ」
近所の奥さん「そんなことあるでしょぉ~、ひどいブスだわこれ! 100年に一人レベル!」
美女(やっぱりこういわれるよね……)
イケメン「ほら、高いたかーい!」
ブス娘「きゃっ、きゃっ」
美女(夫のイケメンさんは、あの子をよく可愛がってくれるけど……)
美女「ねえ……」
イケメン「ん?」
美女「その子、ブスじゃない?」
イケメン「そんなことないよ、可愛いよ!」
美女(この人は本当にいい人だ……)
イケメン「この子はボクや君を救ってくれる……そんな気がしてならないんだ」
美女「そ、そう……」
美女(そんなわけないでしょ!)
美女(イケメンさんはほとんど昔のことを語ってはくれないけど)
美女(きっとイジメなんて醜い世界とは無縁な世界で生きてきたはず……)
美女(だけど、私の人生ははっきりいっていじめられ続ける人生だった)
美女(この子の存在そのものが昔を思い出させて、私を苦しめるのよ!)
美女(うちの子、絶対イジメられるんだろうなぁ……)
ガキ大将「わっ、なにこいつ! すっげえブス! ふくわらいかよ!」
ブス娘「……」
美女(ほらね)
美女(私も幼稚園の頃は、よくかっこいい男の子にいじめられてたわ……)
美女(『や~い、お前の顔面現代アート~』『没ポケモン~!』なんていわれて……)
美女(言い返すこともできず、いつも泣いてたっけ)
美女(まるで昔の自分を見ているよう……)
ガキ大将「ぐべぁっ!」
美女「え!?」
ブス娘「あたしはね、ほんとうのこといわれるときずつくのよ!」
ブス娘「こんどブスっていったら、やつざきにしてやるから!」
ガキ大将「お、おまえ……やるじゃねえか! おもしれえな!」
美女「えっ、なにこれは、どういうことなの」
美女(ほっとけ)
ブス娘「でしょう?」
美女「え」
ブス娘「あたしって、“とつぜんへんい”だから! パパにもママにもにてないの!」
近所の奥さん「まぁ、なんて前向きなブスなのかしら! ブスのくせに!」
ブス娘「アハハ~」
美女「……」
ガキ大将「ブス、遊びに行こうぜ~!」
ブス娘「うん!」
ブス娘「行ってきま~す!」
イケメン「行ってらっしゃい。あのガキ大将君はよくうちに遊びに来るね」
美女「……」
ブス娘「鬼はもちろん、鬼より怖い顔のこのあたし!」
ワイワイ… ガヤガヤ… ハハハハハ…
教師「娘さんはどうしようもないブスですが、クラスの人気者ですよ!」
イケメン「そうですか、ありがとうございます」
イケメン「ですが、人の娘をブスというのはやめてもらえますか」
教師「あっ、これは失礼しました! 教育委員会にチクらないで下さいね!」
美女「……」
美女「――何故だッ!」
美女「なぜほとんど同じ顔をしてるのに、娘はあんなにいい人生を送れて……」
美女「私は整形を余儀なくされるような地獄みたいな人生を送らなきゃならなかったの!」
美女「本当は私だって整形なんかしたくなかったのに! ありのままでいたかったのに!」
美女「こんなの間違ってる! こんなの不公平だわ!」
美女「……」
美女「こうなったらァ……」
ブス娘「“お前の強さに前々から惚れてた”なんていわれちゃって……」
ブス娘「あいつ、乱暴だけどなかなか男前だし、付き合っちゃおっかな~」
美女「……」ビキッ
美女「この私そっくりのドブスがァァァァァ!!!!!」ガシッ
ブス娘「お、お母さん!?」
美女「なんでお前ばかり! なんでお前ばっかりィィィィィ!」ググッ…
ブス娘「や、やめ……ぐえぇ……」
美女「はなしてぇ!」
ブス娘「げほっ、げほっ!」
美女「ブスであることを苦にしなかったり、生まれついてイケメンのあんたたちには……」
美女「あんたたちには私の気持ちなんか分からないわよぉぉぉぉぉ!!!」タタタタタッ
ブス娘「お、お母さん!」
イケメン「ボクがなんとかする。君はここで待ってろ」
イケメン「あの……」
美女「もうあんたとはお別れよ! 離婚よ!」
美女「今こそ、あんたに私の真の姿を見せてやるわ!」
美女「これよ!」バッ
イケメン「……!」
美女「私の子供の頃の写真……。どう、あの子そっくりのブスでしょぉぉぉぉぉ!?」
美女「……は?」
イケメン「ボクは君の本当の顔を知っててプロポーズした」
美女「なにいってるの? 励まそうとしても無駄よ!」
イケメン「いや、どうやら……ボクの真実も教える時が来たようだね」
美女「イケメンさんの……真実?」
美女(あっ、まさかイケメンさんも、私と同じように――)
美女(きっとそうよ! だから同族である私に近づいてきたのよ! 類は友を呼ぶのよ!)
イケメン「“現代アート”とか“ボツになったポケモン”とか、ひどいことをいったのをよく覚えてる」
美女「え……」
イケメン「なぜ、いじめたのか……それは君が好きだったからだ」
美女「ハァァ!? なにいってんの!?」
イケメン「いや、本当なんだ」
イケメン「幼い頃のボクに、君の芸術的顔面はあまりにも強烈に印象付けられてしまったんだ」
美女「ウソ……」
イケメン「ボクは小学校は私立に行ったから別れてしまったけど……」
イケメン「そしたら、君は美女に生まれ変わっていた。本当に残念だったよ」
イケメン「あの芸術的顔面が、原型も留めてなかったんだから……」
美女「あなたが私に近づいてきた理由は、それだったのね!」
美女「私が美しいからじゃなかったのね!」
イケメン「……ああそうだ。初恋の相手だった君を、大人になっても忘れられなかったんだ!」
イケメン「いえるわけがないよ……」
イケメン「かつて君をいじめてたなんていったら、君に嫌われる可能性があったし」
イケメン「思い詰めて整形までして美貌を手に入れた君に、元に戻れだなんて……」
イケメン「だが、今こそいおうと思う」
イケメン男児『やーい、おまえのがんめんげんだいアート~! キモイんだよ~!』
ブス幼女『うえぇぇぇん……!』
イケメン「あの頃の君に……ブスに戻ってくれ!!!」
美女「は……はい!」
イケメン「おおっ……!」
ブス娘「お母さんったら、あたしよりブスー!」
ブス女「まぁね、年季が違うわよ年季が」
ブス女「よく見てみると、あんたにはお父さんの成分がちょっと混ざっちゃってるしね。しょせんは雑種よ」
ブス女「純正ブスをなめんじゃないわよ」
ブス娘「悔しい……将来もっとブスに整形してもらおうかな……」
ブス女「ええ、これが私の真の姿なんです」
近所の奥さん「あらまぁ~、ドラクエのラスボスみたい!」
ブス女(そういえば、あだ名がミルドラー子だったこともあったっけ)
近所の奥さん「だけど、前より表情は明るくなった気がするわ!」
ブス女「そうでしょう、オホホ!」
ブス娘「変な奴らに絡まれたけど、二人でぶっ飛ばしちゃった!」
ブス女「ちょっとぉ、暴力はよくないわよ」
イケメン「まぁいいじゃないか。絡んできた方が悪いんだ」
ブス女「……」
ブス女「あなたのいうとおりだったわね」
イケメン「ああ、娘は君とボクを救ってくれたんだ……」
― おわり ―
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コメント一覧
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- 2018年08月06日 23:48
- タイトルに創作話と入れといてください、時間を無駄にする
-
- 2018年08月06日 23:58
- ※1
いやここssまとめサイトだから実話なんて滅多に入れないでしょ。その指摘はおかしいよ。
俺は面白いと思ったので点入れるね。こんぐらい強く生きられたら俺を含めた一部のエレファント民は苦労しないんだろうなァ
-
- 2018年08月06日 23:58
- ※1
タグにSSって入ってるだろうが…頭おかしいんじゃねぇの?というか分かるだろ普通。
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