トランプ氏、制裁関税を自賛＝中国は「弱腰」

　【ワシントン時事】トランプ米大統領は４日、中国などを対象に追加関税を課す貿易制裁について「予想よりはるかに効果が出ている」と、ツイッターに投稿した。「中国市場は過去４カ月で２７％下落した」「中国は米国と対話しようとしている」と述べ、自らの政策を称賛した。

「より強い反撃」の用意＝中国外相、米警告に応酬－貿易問題

　また、中国政府が３日に発表した対米報復措置の対象（６００億ドル）について、米国が表明した対中制裁の対象（２０００億ドル）を大きく下回ることを念頭に、「中国は初めて弱腰になっている」と指摘した。
　４日の演説では「中国の調子は悪くなるだけだ」と語り、中国経済が厳しいとの認識を示した。米メディアによると、貿易摩擦への懸念や経済の減速で、中国本土の株式の時価総額が世界第２位から３位に後退した。（2018/08/05-16:42）

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018080500288

中国、貿易摩擦で苦慮＝対米報復「弾切れ」も
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018080500316&g=int
　【北京時事】トランプ米政権の貿易制裁に対する中国の報復策に限界が見えてきた。米国が表明した追加制裁対象が２０００億ドル（約２２兆円）に上ったにもかかわらず、中国の報復対象は、米国からの輸入が少ないため６００億ドルにとどまった。中国は関税以外の対抗措置を探るものの、米企業締め出しなどをすれば国際社会で孤立化する恐れもあり、対応に苦慮している。
　「弾切れではない」。中国政府の主張を反映する国営新華社通信は４日配信の論評記事で、規模で米国の３分の１にも満たない報復策について、こう釈明した。中国はこれまで「徹底的にお相手しよう」と強硬姿勢を貫いてきたが、論評記事では「米国に付き合って踊ることはできない」と方針転換した。
　中国の統計によると、２０１７年の米国からの輸入総額は１５００億ドル。中国が表明済みの報復対象の規模は合計で１１００億ドルに達し、「弾切れ」に迫りつつある。しかも、景気減速の懸念が強まる中、米国からの全輸入品に高関税を適用すれば、物価上昇を招いて国内経済が混乱する。
　中国は「他の対抗措置を打ち出す権利を留保する」（商務省報道官）と、威嚇を続ける。しかし、米製品の不買運動を展開したり、法令違反を口実に米企業を相次いで摘発したりすれば、日本や欧州などからも批判の声が上がり、先進国の企業が対中投資に及び腰になる可能性がある。手詰まり感は強まる一方だ。（2018/08/05-18:03）