(社説)自民党総裁選 安倍1強を問う論戦に 2018年8月11日
今回、石破氏が掲げたキャッチフレーズは「正直、公正」だ。森友・加計問題で、行政の公平・公正に対する信頼が失墜し、野党の質問に正面から答えようとしない首相の不誠実な対応に批判が集中したことが念頭にあるのは間違いない。
きのうの立候補会見では「政治・行政の信頼回復100日プラン」の実行を掲げた。期限を切って、強引な国会運営を見直し、官邸主導のあり方も見直す考えを強調した。
石破氏は安倍政権の現状に対する直接的な批判は控えていたが、問おうとしているのはまさに、安倍1強政治の弊害そのものだろう。ならば、首相の政治手法のどこに問題があり、どう改めていくのか、具体的に示し、論戦に挑む責任がある。
党内では、7派閥のうち5派閥が、すでに首相の3選支持を決めた。総裁選後の党役員・閣僚人事を見据え、こぞって首相にすり寄る姿は、1強の下、活力を失った党の現状を物語る。
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