水中でうごめく緑の触手。ある意味ホラーだ。
実はこれ、硬い骨格(一般にサンゴと呼ばれる部分)を形成するとても小さな刺胞動物、サンゴのポリプが食べ物を探しているところだという。
夜な夜な長い触手を伸ばし、石のような骨格を広げながらプランクトンを食べるポリプたち。「サンゴの本体」とも称される彼らの成長をとらえたタイムラプス映像が話題になっている。
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Time lapse of staghorn hard coral growth
骨格を拡張しながら育つサンゴのポリプ
この映像は自然史カメラマンであるピーター・カラさんが、カリフォルニア州サンディエゴの水族館で、硬い骨格を拡張しながら餌を食べて育つポリプの様子をとらえたもの。
image credit:youtube
このサンゴはイシサンゴ目ミドリイシ科アクロポラ属のシカツノサンゴ(またはツノサンゴ)だ。その硬い骨格はポリプの活動によって沈着する炭酸カルシウムで成長し、岩のようなサンゴ礁を形作る。
触手で水中のプランクトンを食する
アメリカのフロリダキーズ国立海洋保護区によると、彼らは夜な夜な長い触手を伸ばし、水中を浮遊してるプランクトンを食べるという。
image credit:youtube
カラさんはこの映像について以下のようにコメントしている。
この映像で一番興味深いのは、新しいポリプがどこからともなく現れて成長してるように見えるところだと思います
なお、このポリプの触手は明るい緑色にみえるが、それはポリプ本来の色ではない。これはポリプ内に生息する小さな褐虫藻が作る色素によるもので、ポリプ自体は無色なのだ。
カケラから復活する姿も
カリフォルニア州でサンゴ礁の保全活動を行う団体によると、世界中の海で大量のサンゴが酸性化や温度上昇に脅かされているが、サンゴには回復力もあるという。
この動画では折れたサンゴのカケラが復活し、新しいポリプが成長している様子もがうかがえる。
image credit:youtube
膨大な時間をかけてサンゴ礁に
とはいえ、彼らの遅々とした活動が海の生態系を支えるサンゴ礁を生み出すまでには膨大な時間がかかる。
一見モノにしか見えないサンゴはこうした生命の営みからできている。もしどこかの海でサンゴをみかけたら、その小さな世界に想いを巡らせてみてはいかがだろうか。
References:livescience / youtubeなど /written by D/ edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
食べられるプランクトンの量はだいたい15グラム
2. 匿名処理班
姉さん事件ですって元ネタわかる人いるんかい
3. 匿名処理班
サンゴはプランクトン以外に水中を漂う他のサンゴ幼生も捕食する、弱肉強食なプレデターだよ
4. 匿名処理班
触手が主役なのかと勘違いして早回しし過ぎ!と思ったら違った
成程、骨格の成長がメインだったのな