古代の巨大ザメ「メガロドン」をテーマとするSFアクションホラー映画『MEG ザ・モンスター』が全米で公開中だ。日本でも9月7日より公開される。
メガロドンはこれまで地球に存在した中でも特に印象的な生物だ。大きく、凶暴で、謎に満ちたそれは、かつて本当に存在した知られているものとしては最大のサメである。
サメマニアの人はもちろん、古代の巨大生物好きな人も大注目の映画で、私も見る気満々なのだが、その前に予備知識として、メガロドンについて学んでいこう。
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映画『MEG ザ・モンスター』本予告
クジラを捕食していた巨大種、メガロドン
正式名称はカルカロクレス・メガロドン。約600万前から200万年前に絶滅したと考えられている。
実際に存在していたことを示す歯の化石は18センチもある。その化石からはクジラを捕食していたことが窺え、体長は17メートルにも達したと考えられている。
巨大な古代生物へのあこがれ
既に絶滅しているものの、巨大生物に対する根源的な恐怖は現在も生き続けており、古代生物に対する畏敬の念が多くの人々の心を惹きつけている。
海の8割はまだ探査の手が及んでいない。かつて、メガロドンのような海のハンターが潜んでいたという事実は、あるいはもしかしたら、現世にも存在しているのでは?という疑念がつきまとうのだ。
それと同時に、果たして太古の海にはメガロドン以外にどのような生物がいたのだろうかという好奇心をも掻き立てる。
そこで、映画にすれば大ヒット間違いなしの絶滅した海のモンスターたちをいくつか紹介しよう。
映画化してほしい5つの巨大水中生物
1. イクチオサウルス
2億年前に存在したイルカにも似たイクチオサウルス(魚竜)は流線型の体をしているが、危険な海の爬虫類である。
12〜20メートル(さらに大きい可能性もある)の巨体であっても高速で泳げるように進化した。大いに繁栄し、恐竜の時代である中世代を1億6000万年生き、世界の海を支配した。
2. プリオサウルス
こちらも中生代の海生爬虫類。体長15メートルで、体に対する脳の大きさはホホジロザメのそれに似ていた。また歯はクロコダイルのそれのようだ。ノルウェーで発見された化石は「プレデターX」、メキシコで発見されたものは「アランベリの怪物」と呼ばれている。
3. モササウルス
Mosasaur Shark Attack - Reign of the Dinosaurs
『ジュラシック・ワールド』で活躍したモササウルスだが、スピンオフで主役を張れるほどだ。体長17メートルに達し、円錐状の歯が特徴的な捕食者である。これまで記載されたものとしては最古かつ最大の海生爬虫類の1つで、古生物学の歴史では特別な存在だ。
4. シファクティヌス
体長5、6メートルで、アイスピックのような歯が生えたブルドッグのような硬骨魚である。白亜紀後期に生息していた。
当時、もっと大きな生物はいたが、その体型のおかげで可能になった電光石火のスピードは容易に真似できるものではなかったろう。通称フィッシュ・ウィズイン・ア・フィッシュと呼ばれる化石など、餌を平らげた状態で発掘された化石も存在する。
5. バシロサウルス
その名の意味は”トカゲの王”であるが、実際は初期のクジラだ。
ヨルダンとエジプトで発掘されたバシロサウルスは、4000万年前の始新世に生息していた。15〜18メートルに成長し、骨を噛み砕く歯がある一方、哺乳類並みの知能があったと考えられている。
水中の巨大種はほぼ絶滅
これまで存在した種の99パーセントはすでに絶滅している。おそらくメガロドンのような生物は、過去に存在したが失われてしまったものを忘れずにいるために、我々が大切にしなくてはならないものなのだろう。
メガロドンの現在の近縁を特定することは困難であったが、最も近いのはホホジロザメ(Carcharodon carcharias)だと考えられている。
ホホジロザメについて、かつてデイビッド・アッテンボローは次のように述べている。
「その動物は水の世界のみならず、まるで夢のように我々の無意識にまで滑り込む。この地球上を自由に動き回る最後の偉大な捕食者の一種で、恐ろしいまでに均整のとれた美しさを持つ生物だ」
悲しいことに、数百万年をかけた自然による精密な調整という詩は、恐怖と無知という大衆のコーラスの中で消えてしまった。
映画「ジョーズ」によりホホジロザメのイメージダウン
ジョーズ効果のために、ホホジロザメの一般的なイメージは無機質な殺人者に堕してしまった。その失墜ぶりに、著者のピーター・ベンチリーですら映画化したことを後悔するほどだった。
今、サメのあらゆる種が、その肝臓やヒレを戦利品と考えるより危険なプレデターの脅威に晒されている。控えめな推定によれば、人間は1時間で11000匹のサメを殺し、毎年2億7300万匹が海から引き上げられているという。
サメに残された唯一の希望は教育だ。ハリウッドは映画館を出れば恐る必要などない生物を取り上げることで、少しはその一端を担える。
だが我々は映画製作者がジョーズのような映画の教訓からなにがしかを学んでいることを願うよりない。映画の力で、恐怖ではなく、関心と畏敬の念を喚起してくれるといいのだが。
References:sciencealert/ written by hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
モササウルスは映画化してほしいですね。キャッチコピーは「海の猛者が復活」でどうですか。
2. 匿名処理班
きっとこいつもメカと戦ったりトルネードになったり、タコと合体したりゾンビやゴーストになるんでしょう?
3. 匿名処理班
デモペチ、じゃなくてシロナガスクジラさんのがもっと大きいんだよね
4. 匿名処理班
アメリカ人ってサメ好きだよな
ゾンビシャークだのシャークトルネードだの
サメの着ぐるみ着た犬猫画像もよく見るし
5. 匿名処理班
アーケロン 「俺は意外と小さいから期待するな」
ステラー海牛「人間の脅威を描けよ」
ゴライアス蛙「抱きかかえられる大きさやぞ」
ロブスター 「そんなに大きくなれへんって知ってるやろ?」
クマ 「なんでぬいぐるみとかで可愛く描くの?」
6. 匿名処理班
ジョーズを観たからサメが好きになった
7. 匿名処理班
モササウルスってジュラシックワールドでめっちゃ優遇されてたな
前はラスボス倒してたし、今やってるやつでも一人だけほぼ自力で脱出という特別扱い
8. 匿名処理班
ダンクルオステウスの方が怖そうだけど。…
9. 匿名処理班
イクチオサウルスって3〜3.5m位だと思ってたが、結構大きさに幅のある種なんだな
調べたら26m位の奴もいたかもしれないって記事があったわ
10. 匿名処理班
※4
続編が作られるのは日本での人気・売り上げも大きいけどなw
11. 匿名処理班
また宇宙まで飛んで行って宇宙ステーションを襲撃したり
火星までたどり着き、今度は火星人との壮絶な戦いでも
するのかいな
その時には貞子と一緒にベーコンも持って逝ってくれ
12. 匿名処理班
小学生の時にテレビで見たジョーズ(最初の)は衝撃的すぎた。今も海こわい。
13. 匿名処理班
フカい海の底に生き残っているかも
14. 匿名処理班
ゾンビシャークよりトルネードシャークよりヤバい映画はハウスシャークだぞ
ググって画像見ても笑ってはいけない
15. 匿名処理班
イクチオサウルスはそんなに大きくないですよ。
15メートルなんてのはショニサウルスでしょう。
あと、バシロサウルスは哺乳類だから哺乳類並みの知能なのは当たり前かと。
16. 匿名処理班
4番のシファクティヌスはアロワナの絶滅した親戚というw
17. 匿名処理班
イクチオサウルスもっと小さいんですが
しかも文中の「イクチオサウルス」のリンク先wikiがイクチオサウルスじゃなくて魚竜ってなってるのはミスリードな気が
というか、今のところ見つかってる最大種でもおおよそ15mクラスって話なのに、20mとかそれ以上とかどっから出てきた数字なんだろ
元記事が吹かしまくってるんだろうか
18. 匿名処理班
でかいサメってロマンだよなぁ
でも、そんなみるからに凶暴そうなメガロドンを乱獲した挙げ句
絶滅に追い込んだのがシャチって…
19. 匿名処理班
モササウルスの出産シーンが雪風のフリップナイトシステムっつーかシューティングゲームの子機射出に見えた。
20. 匿名処理班
※14
動画観ましたが、訳わかりませんね(笑)
私は以前スキー場でサメが人を襲うやつを観たことがありますが、わりと面白かったです
21. 匿名処理班
またアレか。
主人公が巨大サメと闘って、ギリギリのところで助かって。
「奴をこのまま生かしておくわけにはいかない・・」
「やめて!アナタ死にに行くようなものよっ!」
「大丈夫。君を残して僕が死ぬものか」
「待って!ブラッドっ!!」
だいたいこんな感じか?
22. 匿名処理班
>>15>>17
2016年に発見されたイクチオサウルスに属する化石をショニサウルスの化石と比べてみたら、見つかった化石が一部だけだから正確とは言えないが26m近くなるって記事があったよ
23. 匿名処理班
動画のメガロドン、デカすぎw
実際の倍以上、30m以上あるだろ
24. 匿名処理班
アサイラムもアルバトロスも関わっていないサメ映画だと・・・!?
名作やん
25. 匿名処理班
ふと思ったのだが、巨大種が絶滅していったり体が小さくなっているのに対して何故にクジラだけ体が大きいままなのだろうか?クジラは餌に困ることはなかったかもしれないが捕食対象になっていたであろうから真っ先に絶滅しても良さそうな気もするのだが?
26. 匿名処理班
アメリカ人てほんとサメ好きよねー
27. 匿名処理班
メガロドンの登場するゲームといえばセガのオーシャンハンター、メガロドン以外にも巨大タコや巨大蟹とか海洋のロマンが詰まったゲームだった。
28. 匿名処理班
メガロドンはネーミングセンスで一歩抜きん出てるんだよなぁ
名前だけでもメッチャ強そう
29. 匿名処理班
ホオジロも絶滅の危機らしいやないか…