弟子のことが可愛くて可愛くてしょうがないお師匠ちゃん「……あいにくと、私は弟子を取らない主義でね」
お師匠ちゃん「強くなりたい? そんなことを必死な声で言われても、私には関係ないね……」
お師匠ちゃん「……はぁ。面倒なことだ……うるさい、静かにしろ……」
お師匠ちゃん「……大体、私のことは誰から……あいつめ。面倒ごとを」
お師匠ちゃん「私が人嫌いだとは聞いていないのか? 弟子など取るはずもないのに」
お師匠ちゃん「……しつこいな。わかった。なら一つ、テストをしてやろうか」
お師匠ちゃん「根性はあるようだ。まあ、いいさ。家の手伝いとしてなら置いてやろう」
お師匠ちゃん「ついでに魔法のことでも教えてやろうかね……ふん。そんなに喜ぶな」
お師匠ちゃん「……だから子供は苦手なんだ」
お師匠ちゃん「……ではまずこの文を詠唱してみろ。ああ、ただ読み上げるだけでいい」
お師匠ちゃん「基本的な魔法だ。これが使えなければ話にならない」
お師匠ちゃん「では始めろ……ふわぁ……」
お師匠ちゃん「ん? ……!」
お師匠ちゃん「……ほう? これは……」
お師匠ちゃん「……ふふ、あいつめ。面白いのを私に寄越してきたな」
お師匠ちゃん「……ああ、何でもない。続けろ」
お師匠ちゃん「何を怖気ている。人と争うのが怖いか?」
お師匠ちゃん「心配などいらん。ここにいるのはボンクラばかりだ……私が教えた魔法があれば楽に勝てるだろうよ」
お師匠ちゃん「……ふん。なぜ私がその一つしか魔法を教えなかったかわかるか?」
お師匠ちゃん「それで十分だからだ……あとは自分で考えるんだな」
お師匠ちゃん「ここで負けるようなら、お前はその程度の存在だということだ」
お師匠ちゃん「両親を救うことなど、到底できようもないな」
お師匠ちゃん「こと対人においては回復魔法が最強」
お師匠ちゃん「そんな当たり前のことをどうして誰も理解しようとしないのか……」
お師匠ちゃん「呪い? ふふ、蒙昧な奴らだ。多少構造を弄っただけで、魔法の本質を見失うとは」
お師匠ちゃん「……いや、初めから理解していなかったのかな?」
お師匠ちゃん「なんにせよ、この勝負は○○の勝ちだ」
お師匠ちゃん「……少しはやるようになった。ご褒美に、今日は家事を免除してやるか」
お師匠ちゃん「しかしそれすら倒すとは、さすがの私も予想外だったぞ?」
お師匠ちゃん「少しは、私の弟子に相応しくなってきたようだ」
お師匠ちゃん「……む。私とて褒めるべき時は褒めるさ」
お師匠ちゃん「そんなに驚くことはないだろう」
お師匠ちゃん「……全く。いいから、食べろ。折角私が用意したんだ。冷めたら勿体ないだろう」
お師匠ちゃん「意外か? 別に、私は家事ができないわけじゃない。面倒だからやらないだけだ」
お師匠ちゃん「……頑張った弟子に対するご褒美くらいは作れるよ」
お師匠ちゃん「……よくやったな」
お師匠ちゃん「……いや、月夜を眺めていたんだ。似合わないか?」
お師匠ちゃん「時々、こうして物思いに耽るんだ。なにを考えるっていうのでもないけどな」
お師匠ちゃん「……お前はないのか? 両親を思い出して、物思いに耽るときが」
お師匠ちゃん「ないのか。前向きな奴だ。さっぱりしているともいえる」
お師匠ちゃん「……だから、まあ……なにを考えるっていうのでもないのさ」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……もう寝よう。明日もまたお前に魔法を教えなくてはならないからな」
お師匠ちゃん「寝不足で時間の無駄にはしたくない」
お師匠ちゃん「ふふ、明日はなんと……遠距離攻撃魔法を教えてやるからな」
お師匠ちゃん「以前、覚えてないと言ってあいつらからブーイングを受けたと聞いたから、サービスだ」
お師匠ちゃん「派手だぞお? 楽しみにするんだな」
お師匠ちゃん「いや……」
お師匠ちゃん「……なんでもないさ」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「ちょっと、楽しいと思っただけだよ」
お師匠ちゃん「……ふふ」
お師匠ちゃん「……よし。それまで」
お師匠ちゃん「……いいな。ちゃんと時間内にできるようになったじゃないか」
お師匠ちゃん「これまで真面目に魔法を習得してきた成果だ。誇っていいぞ」
お師匠ちゃん「……ところで」
お師匠ちゃん「……何かあったか? 今日はやけに口数が少ないようだが」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「いや、謝らなくてもいい。集中するのは悪い事じゃない」
お師匠ちゃん「……その」
お師匠ちゃん「……あいつらと大陸の方へ行った時に何かあったのか?」
お師匠ちゃん「それから、様子がおかしいように見えるが……」
お師匠ちゃん「……だから謝らなくてもいいと……あっ、おい!」
お師匠ちゃん「……っち。なんだというんだ……」
お師匠ちゃん「……あー、もう」
お師匠ちゃん「はぁ……」
お師匠ちゃん「いつまでもこうしてても仕方ない……」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……私だ。おい、入っていいか?」
お師匠ちゃん「入るぞ……ぅ」
お師匠ちゃん「な、泣いているのか……?」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「悲しいことがあったのか……?」
お師匠ちゃん「どうしたんだ……」
お師匠ちゃん「……いいから話してみろ」
お師匠ちゃん「……私は、その、お前の師匠だろう……?」
お師匠ちゃん「うん、ゆっくりでいいから……」
お師匠ちゃん「……いや……魔物と化した人間は、もうどうしたって戻らないよ」
お師匠ちゃん「……それに、戻れたとして……」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……辛いか?」
お師匠ちゃん「そうか……」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「この件に関して、力を貸してあげることができない」
お師匠ちゃん「……精々、お前の父を解放させる手助けくらいだ」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……お前は、そうやって無理に」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……お前は、そうやっていつも前向きな事を言おうとする」
お師匠ちゃん「私がどんなに厳しくしても、お前は下を向くことがない」
お師匠ちゃん「お前は底抜けに純粋で、明るくて、真面目な人間だ」
お師匠ちゃん「……お前が来てから、私の家が騒がしくてしょうがない」
お師匠ちゃん「そうやって泣きたい時に、どうしていいかわからないでいるようだ」
お師匠ちゃん「……今は前向きな事を言わなくていいんだよ」
お師匠ちゃん「……来なさい。ほら」
お師匠ちゃん「今だけは、甘えなさい」
お師匠ちゃん「……私はお前の師匠だ。お前の良いところもダメなところもそれなりに知っている」
お師匠ちゃん「だから、良いんだよ……」
お師匠ちゃん「今だけは、思いっきり泣いてもいい」
お師匠ちゃん「……私が、受け入れるから」
お師匠ちゃん「……うん」
お師匠ちゃん「悲しかったな……」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……しまった、いつの間にか寝ていたようだ」
お師匠ちゃん「……柄にもないことを言った気がする……」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……撫でやすい頭だ」
お師匠ちゃん「……ん、起きたか」
お師匠ちゃん「ここは、お前の部屋だ」
お師匠ちゃん「何で私がいるのかというと、お前を寝かしつけてたらいつの間にか一緒に寝ていたようだ」
お師匠ちゃん「お前が抱き着いているのは私のおっぱいだ」
お師匠ちゃん「腕がしびれそうだよ……ぷっ、お前……顔が真っ赤だぞ」
お師匠ちゃん「……いいんだぞ? まだこうしてても」
お師匠ちゃん「く、くくく……そんなに慌てなくてもいいだろう」
お師匠ちゃん「……可愛い」
お師匠ちゃん「なあに、師匠の役目だからな。当然のことだよ」
お師匠ちゃん「……ああ、いいよ。今日は、私が料理をする」
お師匠ちゃん「んん……まあ、気まぐれだ」
お師匠ちゃん「……いや」
お師匠ちゃん「……お前に何かしてあげたくてな」
お師匠ちゃん「……つい言ってみたが、そう顔を赤くするな。言った方が照れる」
お師匠ちゃん「やれやれ……」
お師匠ちゃん「そうか、そうか……」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……ん? いや、何でもない……」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……お前がここにきてからどのくらい経ったかな……」
お師匠ちゃん「……まだ2年も経ってないか? 案外短いな」
お師匠ちゃん「あの頃のお前は、今よりちょっとは幼い顔立ちだったな……」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……これからどうすべきか、迷うか」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……まだ」
お師匠ちゃん「……まだ、答えを出さなくてもいいさ」
お師匠ちゃん「ゆっくり休んでいい」
お師匠ちゃん「お前は、とても頑張ったのだから」
お師匠ちゃん「いつまででもいいさ。遠慮しなくたっていい」
お師匠ちゃん「……お前は、私の可愛い弟子なんだから」
お師匠ちゃん「師匠が甘やかしたって、しょうがないよ」
お師匠ちゃん「んー……違う」
お師匠ちゃん「……液体の動きを考えろ。手を貸してみなさい」
お師匠ちゃん「いいか? 一からまたやるぞ……」
お師匠ちゃん「……どうした?」
お師匠ちゃん「……まあいい。じゃあ、今からの動きをちゃんと覚えるんだぞ」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「いい出来だ。これならいくらでも高値で売れるだろうよ」
お師匠ちゃん「よくやった。さすがは私の弟子だな……」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……嬉しそうな顔をするじゃないか」
お師匠ちゃん「……撫でてやろう」
お師匠ちゃん「……恥ずかしがるなよ。そう言いながら嬉しそうじゃないか……」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「そんな申し訳なさそうにするな。私が作りたくて作っているんだから」
お師匠ちゃん「お前の料理も食べたいがな……」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「ほら、召し上がれ」
お師匠ちゃん「……おいしいか?」
お師匠ちゃん「そうか……」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……お前が嬉しそうな顔をすると、私も嬉しくなるよ」
お師匠ちゃん「……咳き込むな。落ち着いて食べなさい」
お師匠ちゃん「私のせい? どうして私のせいになるんだ」
お師匠ちゃん「顔が赤いな……」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……お前は、その」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……今のが、どういう意味であってほしいんだ?」
お師匠ちゃん「妙なことを言って悪いな」
お師匠ちゃん「……ご飯の最中だ。冷めないうちに食べないといけない」
お師匠ちゃん「……いつまでぼーっとしている? 早く食べなさい」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「年甲斐もなく……駄目だろ……」
お師匠ちゃん「なんでだろ……」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「○○も今は悩んでいる時期なんだから……」
お師匠ちゃん「私が刺激したら、まずいだろうに……」
お師匠ちゃん「……○○のためを考えないといけないのにな」
お師匠ちゃん「……ふう。よし、明日からは、ちゃんと……ん?」
お師匠ちゃん「○○か? どうした? 入っていいぞ」
お師匠ちゃん「……顔が赤いな」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「まあ……座るといい」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「ああ、いい。いい。座って待ってなさい」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……あ、違う。こっちじゃない……」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……それで、何の用なんだ?」
お師匠ちゃん「……黙ってたら、わからない」
お師匠ちゃん「……!」
お師匠ちゃん「な、泣くな……どうした?」
お師匠ちゃん「……あ」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「それは、どうしてだ?」
お師匠ちゃん「うん、そうか……私のことを考えてしまうのか……」
お師匠ちゃん「……そうか」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「軽蔑? どうして私がお前を軽蔑するんだ?」
お師匠ちゃん「……だ、大丈夫だよ、それは、自然なことなんだ」
お師匠ちゃん「……両親のことがあって、混乱するのもわかる」
お師匠ちゃん「……でも、それを負い目に考えて、他の物事をできなくするのはよくない」
お師匠ちゃん「……そ、それで……」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……今日は、何をしに私の部屋へ来た……?」
お師匠ちゃん「……何を期待して、ここに来たんだ……?」
お師匠ちゃん「……言ってごらん?」
お師匠ちゃん「うん、うん……」
お師匠ちゃん「そうか、男の子だもんな。しょうがない……」
お師匠ちゃん「私のことを考えると、そういう気持ちになるんだな?」
お師匠ちゃん「ああ、泣くな。大丈夫だ。大丈夫だよ」
お師匠ちゃん「だから、軽蔑したりしないって」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「固まるな。大丈夫だよ」
お師匠ちゃん「お前のしてほしいことは、ちゃんと叶えてやるから」
お師匠ちゃん「……まあ、いき過ぎな事でなければ」
お師匠ちゃん「可愛い弟子の頼むことだからな……」
お師匠ちゃん「……いいよ、言ってごらん?」
お師匠ちゃん「……大丈夫だ。ちゃんと聞くから」
お師匠ちゃん「……うん、そうか」
お師匠ちゃん「……私のことをか」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……私も、嫌いでは、ないけど」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……ううん」
お師匠ちゃん「……顔を上げて」
お師匠ちゃん「ん……」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……ほら、今日のところは、これでいいだろ」
お師匠ちゃん「……おやすみ」
お師匠ちゃん「……ううん」
お師匠ちゃん「……眠れない」
お師匠ちゃん「もう、駄目だ……」
お師匠ちゃん「我ながら、年甲斐もない……」
お師匠ちゃん「どうしたらいいんだ……」
お師匠ちゃん「……うん。おいしそうだな」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……目くらい合わせたらどうだ。全く」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……そうか。まあ、今日に支障がでなければいいが」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……おい」
お師匠ちゃん「……ひゃいってなんだ……そんな状態だとやはり支障が出るだろう」
お師匠ちゃん「……やれやれ……思った以上に初心な奴だな」
お師匠ちゃん「……ふぅ」
お師匠ちゃん「呪文の再構築もかなりスマートになってきた」
お師匠ちゃん「うんうん。いいね。実にいい」
お師匠ちゃん「いい子だ。撫でてやろう」
お師匠ちゃん「あ、すまない。つい……」
お師匠ちゃん「ううん、甘やかし癖がついたかな……」
お師匠ちゃん「……お前も、一々赤くなるな」
お師匠ちゃん「いろいろ手ほどきするにも触ることができないとやり辛い」
お師匠ちゃん「そうやって抵抗を感じられると困るんだがな」
お師匠ちゃん「ああ、いや……恐縮されてもな……」
お師匠ちゃん「……必死に平常へ戻ろうとしているようだが、顔が茹でられたようだ」
お師匠ちゃん「……どうするかな」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……我慢してくれたら、その」
お師匠ちゃん「ご、ご褒美をやろうかな……」
お師匠ちゃん「うん、ご褒美……」
お師匠ちゃん「……だから、欲しかったら、まあがんばれ」
お師匠ちゃん「……顔がものすごく赤いぞ」
お師匠ちゃん「……やはり、子供だなあ」
お師匠ちゃん「……こうやって、子ども扱いに甘んじてていいのか?」
お師匠ちゃん「もっと男らしい姿を私に見せたいとは思わないのか?」
お師匠ちゃん「だって、お前私のこと好きなんだろう?」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……く、くくく」
お師匠ちゃん「悪い、悪い……泣くな」
お師匠ちゃん「んー、そろそろご褒美をやろうかな。そうだな……」
お師匠ちゃん「顔を上げてみてくれ」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……今度はおでこだ。もっと頑張って男らしいことしたら、前みたいに口にしてあげるよ」
お師匠ちゃん「……さあ、もう終わりにして、ご飯の用意をしようか……」
お師匠ちゃん「慣れない……」
お師匠ちゃん「ううん……」
お師匠ちゃん「はー……」
お師匠ちゃん「肉体の鍛錬か? 殊勝なことだが……」
お師匠ちゃん「体力づくり? なんでまた……」
お師匠ちゃん「ほう……男らしくなるために? 今日から始める?」
お師匠ちゃん「……もじもじしながら言われてもな」
お師匠ちゃん「うん、まあ、頑張れよ……」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……大真面目に、なんともまあ。私が前言ったことでか……?」
お師匠ちゃん「長い目での計画なあたり、変に堅実というかなんというか……」
お師匠ちゃん「ふ、ふふふ! はあ、まあ気が紛れているのならなんでもいいがね」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「冷たい飲み物を持ってきてやったぞ。飲みなさい」
お師匠ちゃん「たくさん動いたな? 汗でびしょびしょだぞ」
お師匠ちゃん「なんだ、汗なんか気にするなよ。乙女か」
お師匠ちゃん「こういう時はな、しょっぱいものをとるのがいいんだ。生活の知恵だな」
お師匠ちゃん「勿論一緒に持ってきてある。お前の好きな干しものだ。飲み物と一緒に食べようか」
お師匠ちゃん「頑張ったから、あの、膝枕とかどうだろう?」
お師匠ちゃん「んー? なんだ。膝枕、嬉しくないのか?」
お師匠ちゃん「……嬉しいか。そうか、ほら……」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「…………あーん」
お師匠ちゃん「……しっかりと噛むんだぞ」
お師匠ちゃん「あはは。私、お母さんみたいだな」
お師匠ちゃん「いい天気だしな」
お師匠ちゃん「……ほら、お代わりはどうだ?」
お師匠ちゃん「あーん」
お師匠ちゃん「……ふふふ」
お師匠ちゃん「……ん? どうした、惚けて」
お師匠ちゃん「ちゃんと噛んで飲み込みなさい。全く……」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……世の中には、どうしようもないこともある」
お師匠ちゃん「……失われたものを取り返そうとして、また更に失うものもある」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……結論はでたか?」
お師匠ちゃん「……そうか」
お師匠ちゃん「ずっと思ってた」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……お前の両親はもう死んでしまったんだ。どうしたってこれは覆らない」
お師匠ちゃん「……化けた魔物を殺しても、もうどうにもならないよ」
お師匠ちゃん「……腕のいい奴らを知っている。解放させるだけなら、彼らにしてもらえばいい」
お師匠ちゃん「……怒ったか?」
お師匠ちゃん「お前がそうやって、心を殺して、両親の影を追うのを見るのがたまらなく辛い」
お師匠ちゃん「……こんなことを言って、すまないな」
お師匠ちゃん「お前の意思を尊重すべきとは思うんだが……」
お師匠ちゃん「……なんだか、我慢できなくなった」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「○○……このまま私と一緒にいないか……?」
お師匠ちゃん「……いや正直、断られるものと思っていたから」
お師匠ちゃん「とても嬉しいよ、○○」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……ちょっと起き上がってくれるか?」
お師匠ちゃん「……そう、そのまま、じっとしていてくれ」
お師匠ちゃん「……ん」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……こ、こういうことも、これからしていこうか」
お師匠ちゃん「……ふふふ、お前の気が済むまで好きなようにさせてあげるよ……」
お師匠ちゃん「……後で、お前にも不老の魔法を教えてやろう」
お師匠ちゃん「これは禁呪扱いで、実はだれにも教えてはいけない魔法なんだ」
お師匠ちゃん「私がこれ使ってるのも秘密だったりする」
お師匠ちゃん「お前にはこっそり教えてやろうな」
お師匠ちゃん「なあに、お前ならあっという間に使いこなしてしまうよ」
お師匠ちゃん「お前は、私の自慢の弟子だからなあ」
お師匠ちゃん「……嬉しくて仕方がないなあ」
お師匠ちゃん「これからたっぷり魔法を教えてやるからな」
お師匠ちゃん「私以上の魔法使いにしてみせるよ」
お師匠ちゃん「……」
お師匠ちゃん「……もう気にしなくていい」
お師匠ちゃん「……もう、苦しむことはない」
お師匠ちゃん「悲しくなったら、私に甘えなさい」
お師匠ちゃん「私が、全部忘れさせてあげるから」
お師匠ちゃん「……ずっと一緒にいような。○○」
おねショタは奥が深い
おねショタの得意はエ口だと思ったけど他要素を尊重して断念した
元スレ
弟子のことが可愛くて可愛くてしょうがないお師匠ちゃん「……あいにくと、私は弟子を取らない主義でね」
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1534650140/
弟子のことが可愛くて可愛くてしょうがないお師匠ちゃん「……あいにくと、私は弟子を取らない主義でね」
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コメント一覧
-
- 2018年08月19日 18:46
- 魔法なんてものがあったら、昔死んだ俺の親も生き返るとまではいかなくても、一目会うことくらいは出来たんだろうか…
-
- 2018年08月19日 18:57
- これは良ss
欲を言えば最後までヤってほしい
-
- 2018年08月19日 18:57
- はーすき
-
- 2018年08月19日 18:59
- ※1
勇者かなにか?
-
- 2018年08月19日 21:25
- 大好き
-
- 2018年08月19日 23:06
- 今回は省略卍
-
- 2018年08月19日 23:12
- ※に勇者がいるときいて
-
- 2018年08月19日 23:25
- 安易にエロへ走らなかった姿勢、イエスだね!
-
- 2018年08月20日 00:03
- おねショタ三箇条
お姉さんが優位である(お姉さんがショタを立てる意図があればその限りでない)
ショタは自分から性行為を始めようとしてはいけない(お姉さんの罠であればその限りでない)
ショタが余裕を持ってはいけない(シリーズもの後半のいちゃラブに関してはその限りでない)
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