まさか・・・私のその気持ちは1本の友人の電話からでした。
1ヶ月ほど前でした。私は会社でお昼の休憩を終えようとしていた時でした。
その時、携帯に友人からの着信がありました。
「俺だよ! どこで打ってるの? 駐車場だけどお前の車の横が空いてたからさ!」
私は友人の言ってる意味がよく理解できないまま
「お前こそなんか間違ってね??」と言い返しました。
その状況はこうでした。
友人は空調関係の仕事をしてますが、お昼から仕事が入っておらず、パチンコに行こうと思い立体駐車場に入り空きスペースに停めたら偶然我が家の所有の車の横だったらしく、友人はてっきり私がパチンコをしてると思い、電話してきたのです。
最初は友人の勘違いかと思い、ナンバーを言わせると、間違いなく我が家の車・・・
私意外に運転するのは妻しかおらず、妻が通勤に使ってます。私は電車通勤・・・
妻がパチンコ?タバコの煙が大嫌いで家でも私は吸えない状況なのにあんな煙だらけのパチンコ店に妻が?それに今日も仕事なはず・・・
私は頭の中が少しパニックになりかけてましたが、とにかく友人にパチンコ店を聞き、そして店内に妻が居るかどうか探して欲しい事をお願いしました。
私は、外回りに出かけると言って、会社を出て、すぐにそのパチンコ店に向かいました。
到着して、立体駐車場を回ると、確かに我が家の車が間違いなく停まっており、横には友人の業務用のワゴン車が停まっていました。
その場から友人に連絡をすると、店内には妻らしき女性は居ないとの返事・・・
私はすぐに店内に入り、隅から隅まで探しましたが妻の姿はありませんでした。
どうなってるのか?どういう事なのか?私は益々頭の中がわからなくなってしまいました。
ようやく友人と会え、私は状況を話しました。
友人から
「まさかと思うけど・・・沙織ちゃん(妻の名前)・・・」
友人は言いにくそうに言いましたが、友人が言いたい事は私にはわかりました。
「どうする?」
友人から聞かれましたが私はすぐに何をすればいいのかわからず、とりあえず駐車場に戻る事にしました。
駐車場に戻り、とにかく、店内に居ないのであれば、必ず妻は戻ってくる・・・
私は友人と共に友人の車を我が家の車の横から移動させ、少し離れた場所に停めなおしました。
店内に居たのに探しきれなかったのだろうか?・・・
丁度、トイレにでも行ってて探せなかっただけかも・・・
私はそんな思いを頭に浮かべながら、ひたすら妻が車に戻るのを友人の車の中で待ちました。
友人も私に気を使ってくれたのか、黙って私と一緒に待ってくれました。
私は友人の車の後部座席に座って、友人は運転席に座ってました。
それから1時間程経った時でした。
それまで私達の車の前を何台も行き来する車はありましたが、1台の車が私達の前を通ると、その先でUターンし、妻の車の前で停まりました。
その車からは紛れもなく妻が降りました。運転席には間違いなく男性が運転してました。車を降りた妻はいつも仕事に出かける時の服装で、降りると、中の男性に軽く手を振りました。
なんで・・・誰なんだ・・・
私は目の前の光景がこれまでの妻との生活から想像できない状況にただその姿を見つめる事しかできませんでした。
すると友人は急にエンジンをかけ、車を動かし始めました。
えっ??と思った瞬間、車は妻の車の前を通り過ぎました。窓から見た妻は車に乗り込もうとしてるところでした。
「どうした?」
ようやく私は友人に声をかけました。
「見た通りだろ?とにかく相手の奴が誰なのかをわかるのが先だろ!」
友人は妻が降りた車を追い出し始めました。
それはライトバンでやはり何か会社の営業車のような感じでした。
それからひたすらその車の後ろに付け、ひたすら後を追いました。
ようやくある会社の駐車場に車は入りました。
私自身は全く縁も何もない会社でした。
車を降りた男性は年齢的には明らかに私達より若く見え、私自身、会った事もない男性でした。
「知ってる奴か?」
友人に聞かれ私は知らないと答えました。