烈海王「サンドバッグに突きを決めたら中から血が滲んできた……ッッッ!」
烈「早朝稽古を始めるか……」
烈(まずはこのサンドバッグに突きを――)
烈「噴ッ!」
ドッ!
烈「破ッ!」
ズドッ! ドドドッ! ドガガガッ!
シュゥゥゥゥ…
烈「よし……」
烈「……む?」
ジワ…
烈(まさか、中に人が……!? いったい誰が!?)
烈「フンッ!」シュッ
ザンッ!
ムリムリムリムリムリ…
加藤「……」ズズズ…
烈「~~~~~~ッッッ!」
烈「カ……カトォォォォォォォォォッ!!!」
烈「加藤ッ! しっかりしろッ!」
烈(駄目だ……まったく意識がないッ!)
烈「おそらくあのドリアンという死刑囚に挑み、敗れ、サンドバッグに詰められたのだろうが――」
烈(トドメを刺したのは私)(殺人?)(逮捕)(判決)(今度は私が死刑囚!?)
烈(どうすればいいのだ……ッッ)
烈(――む?)
烈「おお……生きてたか、加藤ッ!」
烈「謝々(アリガトウ)……危うく私が六人目の死刑囚になるところだった」
加藤「……」
烈「?」
加藤「……」ズチャ…
烈「!?」
加藤「……」ダッ
烈(ものすごい速度でこちらへ向かってきたッ!)
ドガガガッ! ズドドドドッ!
加藤「……」ドサッ…
烈(しまった! つい本気で突きを……)
加藤「……」ヒョコッ
烈(き、効いていない!?)
ザクッ!
烈(素足での蹴りを頚部に――これを受ければ最低でも昏倒に至るハズ……)
加藤「……」ケロッ
烈(やはり効いてないッ!)
加藤「……」
烈(しかも、この加藤からは全く生気を感じられんッ!)
烈(ようやく理解(わか)った……おそらく加藤はキョンシー化してしまったのだ!)
末堂「みんな道場に入れ! 稽古を開始(はじ)めるぞ!」
克巳「オウっす、烈さん」
独歩「朝っぱらからどうしたい」
烈「おおっ! 実は――」
加藤「……」
門下生A「オイオイオイ」
門下生B「死んでるわアイツ」
克巳「映画とかに出てくるゾンビみたいなもんか……」
末堂「だったら俺にやらせてくれ。同期のよしみとして、加藤を止めてみせるッ!」
末堂「セリャアァァァァッ!!!」
ズドドッ! ドガガッ!
加藤「……」
末堂「平気なツラァしてやがる……ッッ」
克巳「どいてろ。あの人は俺の師匠だ、俺が止めてやらなきゃならねェ」
ドドドドッ!
加藤「……」
克巳「~~~~~~ッッッ!」
克巳(正中線四連突きで、ダメージ無しかよ……ッ)
独歩「オイラに任せな、克巳」
独歩「フンッ!」カッ
加藤「……」ブシュッ
烈「ロッパガエシ……見事な」
加藤「……」スタスタ…
独歩「き、効いてねェ……ッッ」
末堂「ウソだろ……」
克巳「頭蓋骨の縫合を外されてへっちゃらなんて怖すぎだぜ……」
烈「おのれ……こうなれば加藤をあのようにした張本人に責任を取ってもらう!」
烈「キサマの責任だ、どうにかしろッ!」
克巳(烈さん……アンタも突きを入れちゃったけどね)
ドリアン「よかろう。私が加藤君に引導を渡してやろう」チラッ
加藤「……」ギョロッ
ドリアン「……ッッ」
克巳「エ~~~~~~ッ!?」
ドリアン「キャ……キャンディ……」
ドリアン「パパが二つしかくれないの……ボクはもっと食べたいのに……」
烈「い、いかん! 恐怖で幼児退行してしまったようだ……」
独歩「おかしいのが二人に増えちまったじゃねェか。どうする、克巳よ……」
克巳「俺にはもうこれ以上、加藤を壊せねェ」
克巳「残り三人の死刑囚に、なんとかしてもらうしかねェな」
克巳「黒格闘技者といえるアンタらに、彼を退治してもらいたいンだけど……」
シコルスキー「……」
ドイル「……」
柳「……」
ドイル「刑務所に戻るよ」
柳「今度こそ大人しく服役させてもらう」
克巳「エ~~~~~~~~~~~ッ!?」
死刑囚編、完!!!
独歩「誰でぇ、その黒人は」
克巳「神心会米国支部から紹介してもらったミスター・オリバだ。彼ならきっと加藤を止められる!」
オリバ「フフ……死しても動くとは自由にも程がある」
オリバ「私以上の自由は許すことはできん!」
加藤「……」ギョロッ
オリバ「……」
オリバ(死人が動いていると聞いたが……噂通りの噂以上ッ!)
克巳「チョッ!?」
克巳「いいのかよ!? アンチェインが他人の自由を認めて!」
オリバ「他人の自由を認めるという……自由もある」ニコッ
克巳「~~~~~~ッッッ」
オリバ、帰国……ッッ!
独歩「オオッ、あなたの武名はかねがね……」
郭「ホホ……ワシに任せておけい」
加藤「……」ギョロッ
郭「ホホ……」
克巳「心臓が止まってやがる……ッッ」
烈「老師ィィィィィッ!!!」
加藤「……」ザッザッザッ…
独歩「オイオイオイ……どうすりゃいいんだこれ」
克巳「こうなったら海外で発見された原人――ピクルの出番だ!」
加藤「……」
独歩「逃げたな……」
克巳「逃げましたね」
烈「いかに白亜紀といえどキョンシーはいなかったでしょうし、無理もないでしょう……」
花山「勘弁してくれ……」
渋川「危うきには近寄りたくないので……」
ジャック「神様どうか――この人を昇天させて下さいッッッ!」
本部「誰かワシを守護ってくれ!」
克巳「ここらへんのメンツでも無理か……」
烈「なにしろいくら攻撃しても、無駄なのだから……」
寂「組まないか、この私とッ! 君の不死身さで日本の若者を導こう!」
加藤「……」
独歩「あの二人はなんとか対抗できちゃいるが……」
烈「根本的な解決には至っていないッ!」
克巳「こうなったらあの男に動いてもらうしかないな」
地上最強のガキ――範馬刃牙!!!
刃牙「ア……なんか照れるな。こういうの初めてなもんで」
刃牙「ちなみに“初めて”はちゃんと梢江と済ませ――あ、こういう情報は不要(いら)ない?」
刃牙「エ~ト、加藤さんを一目見た瞬間、俺にはワカりました」
刃牙「これはたとえ、剛体術やゴキブリタックルでも止められないって……」
刃牙「だからすぐさまこう言いましたよ」
刃牙「“俺じゃムリだ、誰か代わってくれ”……ってね」
刃牙「加藤さんを止めてくれって」
勇次郎「下らねェ……」
勇次郎「なんで俺が他人の指図で動かなきゃならねェんだ」
刃牙「逃げるのかい?」
勇次郎「挑発するにせよ言葉を選べ……」
勇次郎「いいだろう、加藤とやら……屠ってくれるッッッ!!!」
勇次郎「……」
勇次郎「あれは死人が動いてるに過ぎねェ……いわば腐った料理だ」
勇次郎「腐った料理を喰らう趣味はねェ……」クルッ
ダダダダダッ
刃牙「オヤジ逃げんなァ~~~~~~~~~~ッ!!!」
烈(すでに死んでいるに等しい加藤を止めることは、攻撃では不可能だ……)
烈(たとえ核ミサイルをぶつけても、蘇り、再生してしまうだろう)
烈(むしろどうにかして生き返らせてやらねばならぬ……)
烈(しかし、そんなことができるものなのか!?)
烈(何か方法を考えるのだ……烈海王)
烈(たとえば、何か栄養のあるものを……)
烈(そうかッ! 一つだけ方法があるッ!)
加藤「……」
烈「これを飲むがいい」
加藤「……」グビグビッ
加藤「……」ムワァァァァァァ
克巳「オオッ!?」
独歩「こ、これは……ッッ」
加藤「あっ、館長! すまねェ、俺ドリアンに敗けちまった! ……ってなんで俺、道場にいるんだ!?」
烈「復活ッ! 加藤清澄復活ッッ! 加藤清澄復活ッッ! 加藤清澄復活ッッ!」
独歩「オオ~~~~~~ッ!」
克巳「スッゲェ~ッ! 烈さん、アンタ何を飲ませたんだ?」
烈「14キロの砂糖水だ……」
烈「やはり――加藤には果糖がイチバンだったか!!!」
アライ「スゴいね、人体♪」
― 完 ―
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コメント一覧
-
- 2018年09月01日 22:00
- 上手いことまとめてて笑うw
-
- 2018年09月01日 22:07
- 収拾つかなくなってんじゃんと思ったらいいオチ
-
- 2018年09月01日 22:07
- あ、はい
-
- 2018年09月01日 22:12
- オチがなかったらどうなっていたことか
-
- 2018年09月01日 22:38
- 最後の勢いで吹いた
-
- 2018年09月01日 22:39
- 面白かった
-
- 2018年09月01日 22:56
- オチが良し
-
- 2018年09月01日 23:11
- 烈はいつ復活するん?
-
- 2018年09月01日 23:26
- スゴすぎる
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