202 名前:おさかなくわえた名無しさん[sage] 投稿日:04/04/09 04:08 ID:NWpR3Pb1
どっかのスレに書いたことあるんだけど、知人に聞いた話。

40代の両親と小学生の娘の三人家族。
お父さんはいつも仕事が忙しく帰るのは連日終電真際。
お母さんと娘はお父さんの帰りを待つことなく先に寝ている。
暗い家に帰り茶の間の電気を灯す。テーブルに用意してある冷めた夕食。
毎日がその調子なので特に寂しいと思うこともなく
背広の上着を脱ぎネクタイを外してテレビをつけ、一人テーブルにつくお父さん。
その茶の間には三ヵ月程前に娘に買い与えてやったハムスターが飼われていた。
いつの日からか、お父さんはそのハムスターに話し掛けながら
晩酌をし、食事を摂るようになっていた。
その日にあった会社の話、うまくいったこと、失敗したこと。
テレビから流れてくるニュースについて。娘の将来について。
酒の肴のピーナッツなど分け与えながら問わず語りに話し掛けるお父さんと
時たま黒い瞳でジッと見つめ返すハムスター。

そんな二人の夜が何日か過ぎ、ある日曜の朝。
お母さんはお父さんの叫び声で目を覚ました。
茶の間に行ってみるとハムスターの籠を前にしてお父さんが泣き叫んでいる。
何ごとかと思い籠の中を見てみると横たわったまま身動きをしないハムスターが。
後からやって来てそれに気付きお父さんと一緒に泣き出す娘。
お母さんは何故お父さんがそんなに取り乱しているのかが分からない。
お父さんのたった一人の友だちがいなくなってしまった事など知る由も無い。

長文ゴメン。