972 名前:おさかなくわえた名無しさん[sage] 投稿日:04/06/11 19:09 ID:Y+IPI2Kl
自分の結婚のとき。決まったのは初夏で父の3回忌のあとだった。
自分は式も披露宴もしないつもりだった。
だけど、父の3回忌の後入院し、もう夏は越せないかも、という状態のじいちゃんに
結婚の報告をしたくてドレスの写真を撮って持っていった。
チラッと見ただけで「いっぺん見ればいい」と憎まれ口をたたいたじいちゃん。

その後、旦那側の意向で式も披露宴もすることになり、準備を進めるうち、
なんとなくじいちゃんは式も披露宴も出られないな、という気がした。
あかんぼから幼児までの数年、じいちゃんばあちゃんに育てられた分、
何となく、そう思えて仕方なかった。
ドレスは買った。買えば式より前に何かあっても、いや、多分あるけど、
病院で着替えてじいちゃんに見せられる、と思って伯父に相談して段取りしておいた。
結婚式の3週間前、「おじいちゃん元気ないって」という連絡があって
お見舞いに行った。金曜の夜仕事が終わってから高速バスに乗り、
次の朝病室に伯父と一緒に行った。もう声にならないのに、色々話すじいちゃん。
「あのね、ドレスね、買ったの。だからね、おじいちゃんに一番先に見せにくるよ。
あとね、ちゃんと花束贈呈もしたいから良くなってね」と、話した。
じいちゃんも色々声にならない話をしてくれた。
ドレスは結局間に合わなかった。お見舞いの次の日他界した。
間に合わなかった、と思った。
父の葬式のあと、どんどん弱ってしまったじいちゃん。
あの3回忌のあと、急に弱った気がする。
本当はおじいちゃんの車椅子押して、バージンロード歩こうと思ったんだよ。
じいちゃんが「○○(私)の御祝儀にでる、△△(父)の代わりだ」と
招待状を見て言っていたと聞いた。ドレス姿だけでも見せたかった。
いまでも「間に合わなくてごめんね。ありがとね。」と思う。