http://famicoroti.blog81.fc2.com/blog-entry-2912.html「スーパーマリオ無限増殖技」ツイートの嘘松騒動に思うこと
◆無限増殖の発見者!?◆ いろいろ理解に苦しむ騒動だった、、、
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「今日はマリオの無限増殖を雑誌に投稿した親父の葬式」→オタク「その時はまだファミ通は創刊されてません!嘘松!親父と一緒に死ね!」 - Togetter その情報が私のもとへ飛び込んで来たのは昨日のことだった。なんでもツイート主さんの亡くなられた親父さんがあの『スーパーマリオブラザーズ』の
無限増殖技の発見者だったというのである。しかもファミマガとファミ通にトップ掲載されたというのだ。興味をもった私はさっそく自前の資料をチェック。
※オロチのファミコン雑誌創刊号コーナー そもそも『スーマリ』の発売日は1985年9月、ファミマガ創刊が1985年8月、ファミ通が1986年6月ということで、ファミ通に関しては創刊されてなかったのだが、まあ
記憶違いということもある、、、
◆各誌のマリオ無限増殖技◆ ということで調査を進めるとやはりファミ通にはそのような記事は見つからなかったのだが、スーパーマリオの無限増殖技については1986年1月、少年ジャンプの
ファミコン神拳が初出であることがわかったのだ。
※秘録!!ファミコン神拳より。名前のところは黒塗りしてあります。 投稿者は徳島県の方のようだ。
そしてファミマガでは1986年3月号に以下のような記事を発見。
※ファミマガ86年3月号より。名前のところは黒塗りしてあります。 こちらは東京都の方が発見したことになっていた。ちなみにトップ掲載(横綱技)ではなかった模様。
念のため、他のファミコン雑誌も調べてみたのだが、そもそもファミコン雑誌はファミマガが先駆けであり、他誌のほとんどは1986年に入ってからの創刊。そのころにはスーパーマリオの無限増殖技は
すでに広く知られた裏技だったので、掲載されていても以下のような取り扱いである↓
みんな、おぼえているかな?
一世ふうびしてしまった、マリオの無限増殖だぜ。
(引用:ファミコン大賞創刊号より)
まさかのみんな忘れてる前提!
どうやらこのツイート主さん、かなり記憶違いをされているようだ。もしかしたら前述のファミマガに載った人物が親父さんなのかもしれないなあ、そんなこと思いながら私は人知れず調査を終えたのだった、、、
◆負のスパイラル◆ しかしここから目も当てられない惨状が繰り広げられることになる。私と同じように調査をされた方々が現れ(その多くは純粋に真実を知りたいだけの人々だと思うが)、次々と証拠資料がアップされ、それに便乗したいだけの第三者たちも加わって、まるで
凶悪犯を吊るし上げるがごとく「嘘松」を連呼。中には筆舌に尽くしがたいほどの罵詈雑言を浴びせるリプライもあり、私は唖然とせざるを得なかったのだ。
なんだ、なんだ、この潔癖症どもは、、、!?
ここ最近、とみに感じるのは
物事の正義に対して極端に潔癖なひとたちの存在だ。「罪を犯したことのない者だけが石を投げなさい」というキリストの言葉が想起される。俺は罪なんて犯してない。だから石を投げてもいいんだ、と解釈するのは間違いだ。この言葉の真意は
「ひとはひとを裁けない」ということである。それなのに彼らは他人がちょっとでも自分のルールに合わないことをすると、ここぞと言わんばかりに正義を振りかざす。しかもその内容は、議論とか建設的な批判とかそういった類のものじゃない。ただただ憎しみをぶつけるスタイルだ。
たとえばこれがファミコンの歴史を捻じ曲げるような悪質なデマだったならまだしも、ただの一般人のツイートじゃないか。「
ファミマガ1000冊作戦」のように有料の講演会で事実として話しちゃうようなレベルでもない。もし親父さんの葬儀が本当ならばそんな日に「知ってる方はRTを」みたいなツイートをするのはどうかと思うが、そこまで攻めてたるような内容でもなかろう。しかも、こうなってくると次の展開は予想がつく。冒頭リンクのような、純粋に真実を知りたかったひと、ただ批判したいだけのひと、全部ひっくるめてオタクというレッテルを貼った上で
「オタクども必死だな」と冷笑したいだけのまとめ記事が量産されるのだ。
この負のスパイラル。ああ、眩暈がする、、、
◆重要なのは真実◆ 私は「嘘」とか「本当」とか実はあまり重要じゃないと思っている。
重要なのは「真実」であり、このツイート主が嘘松とか、本当松とか、そんなことは騒ぐことじゃないのだ。完璧な人間なんかどこにもいやしないのだから。誰だってたまにはトンチンカンなこと言ってしまうことはあるし、この親父さんが子どもだったツイート主さんを喜ばせるために口走ったデタラメ話だったのかもしれない。そんな在りし日の親父の姿を葬儀のとき、ふと思い出してついついツイートしちゃったのかもしれない。勿論、批判されても仕方ないときは批判もされよう。私は批判自体を否定するつもりはないのだ。
しかしながら、万が一、このツイート主さんが日常的に嘘をついてるような人間だったとしても、だからといって
度を越した集団私刑は見ていて気持ちのいいものじゃない。少なくとも私は真実を求めてひたすら穴を掘るだけだ。
| | オロチは真実松! |
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検証してウソ確定してる人もある種の愛情、ゲーム愛でやってるんだな。ツイートから伺えるこの人の親父さんへの愛情もそうだし、親父さんの言ったであろう発言も息子さんへの愛情だろうし。全部愛のなせる業かと。
愛は素晴らしいんだけど、不都合も孕んでるのよね。