http://famicoroti.blog81.fc2.com/blog-entry-2786.html経験値って何!? 「ライアン餞別事件」のせいでドラクエ4が嫌いになってしまった知人の話
◆DQ4を嫌いにさせた事件◆ 憶えてる?
『ドラクエ4』の第一章をクリアしたとき、ライアンは王様から
“あるもの”をプレゼントされるんだけど、、、
先日、知人Qがふいにドラクエの話をしはじめた。なんでも彼は当時、
その演出のせいで『ドラクエ4』のことを嫌いになってしまったというではないか。はて、そんなことあったかな。調べてみると、たしかにライアンは王様からあるものをもらっていたのだ。
それは、、、
経験値!
※実際の画面
※このあと、ツーと音が鳴って経験値3000ポイント(ファミコン版の場合)が加算される 幾多のクエストをこなしたライアンは伝説の勇者を求めてさらなる旅へ出る。そのとき、たしかに王様から餞別(せんべつ)として経験値をもらっていたのだ。
あれは本気でやっちゃいけない演出だよ、Qは悲しげにそう言った、、、
いわゆる
ライアン餞別事件である。
◆図式の崩壊◆ そもそも経験値という言葉は『ドラクエ』が発祥ではないものの、同ソフトが新しい日本語として世間へ定着させた影響は計り知れないと言われている。(
参照)
そんな同作の経験値を得られるイベントは戦闘のみだったのだ。つまりQをはじめとする多くのファミっ子にとって『ドラクエ』の
経験値=戦闘で得られるポイントという図式が成り立っていたのである。
しかし四作目にして
初めてひとから経験値をもらったキャラクタが現れたのだ。それがライアンだった。この画期的な演出は、長い間、彼の中で成り立っていたドラクエの経験値の図式を崩壊させたのであろう。
厳密に言うと、この図式は前作『3』に登場した「しあわせのくつ」が既に崩していたのだが、このアイテムについてQは
“特殊な魔力がかけられた靴を履いた状態でフィールドを歩く”という行為が経験値になると解釈すれば何とか許せたらしい。しかし今回は違う。ひとから経験値をもらうとは一体どういうことなのか。もしかしてナメック星の長老みたいに王様がライアンの潜在能力を引き出してくれたということなのか。それともドラクエ世界での経験値は「キン肉マン」の超人パワーみたいに光る玉に物質化(可視化)でき、他人へ与えることができるのか、、、
※一歩歩くたびに経験値が1ポイントもらえた「しあわせのくつ」 当時、中学生だった彼にとってこの王様の行動は、あまりにも唐突で、不可解で、腹立たしいものだった。結局、クリアするまでイライラがおさまらず、とうとう
『ドラクエ4』自体を嫌いになってしまったというわけなのだ。
◆バランス調整説◆ 改めて考えてみよう。
なぜ、王様はあのときライアンに経験値を与えたのだろうか?
その理由について、ライアンが第五章で他のキャラクタと集結したとき一人だけレベルが低い状態を避けるためと説明するのは
バランス調整説だ。
(※) しかし『ドラクエ』のように本来の意味でのロールプレイングを志向するゲームにおいては「どれだけ物語に没頭できるか」が核心であり、物語の外にある事情を匂わせるようなメタ演出は、プレイヤーを興醒めさせるリスクが高いため、なるべく入れないのが定石である。
※この説のソースに関しては現在「ニコニコ大百科」以外に見当たらないのが難点だが※ゲーム終盤にはマスタードラゴンからも経験値ボーナスをもらえる 勿論、ドラクエ世界にはメタ的な発言や演出がいっさいなかったわけではない。
ただ、シナリオを担当した堀井雄二氏は、勇者たちが全滅しても復活できるというゲーム的な処理を
「死んでしまうとは何事だ!」というシニカルな一言で、見事に物語の中へ消化させてしまった豪腕の持ち主だ。バランス調整などむしろ堀井マジックの見せ所ではなかったのか。それなのに、どうして取って付けたような演出をせざるを得なかったのか。元々『ドラクエ』にとって王様は「ふっかつの呪文」など、ゲーム的な処理を担うメタな存在ではあるものの、今まで築き上げてきた
ドラクエ世界における経験値の概念を覆してまでそれをさせる必要はあったのだろうか?
Qは言った。王様が餞別を与えるとき、一度しか使えない王家の秘宝アイテムをライアンに強引に使わせて経験値ボーナスを与えた方がプレイヤー側としてはすんなりと理解できたのではないかと、、、
私は彼に何て答えれば良かったのだろう。
| | みんなの意見を聞かせてくれい! |
|
※Q=市長queen氏 好きなドラクエシリーズは『2』と『3』
- 関連記事
-