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どうしても中が気になったプレハブの酒場 - デイリーポータルZ

 

特集 2018年9月15日
 

どうしても中が気になったプレハブの酒場

!
先日、街を歩いていたら、とっても気になる一軒の酒場を見つけてしまいました。

その日は営業しておらず、泣く泣く諦めたのですが、ど〜〜〜しても中が気になる!

今、路線検索をしてみたら、自宅の最寄駅から最短ルートで1時間23分もかかる、ちょっとアクセスが良いとは言えない場所にあるんですが、無論、リベンジしてみました。

注:この記事には、お店の意向により、店名や住所などの詳細を一切記載しておりません。有用な飲食店情報ではなく、僕が出会ったとあるお店の体験記として、お読みいただければ幸いです。
1978年東京生まれ。酒場ライター、他。酒カルチャー雑誌「酒場人」監修をはじめ、いろいろとやらせてもらってます。

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運命の出会い

今回の記事の舞台となるのは、東京都日野市にある「平山城祉公園」という駅。
新宿から京王線で約1時間ほど、八王子にもほど近い、多摩地区の街です。

駅前のロータリーから見渡す範囲にコンビニはなく、2〜3分も歩けば
こんな風景
こんな風景
が広がる、のんびりしたところ。

ここに数年前から、仕事の都合でたま〜に行く機会があったのですが、先日、急に見つけてしまったんですよね。
僕の心をかき乱す「どうしても中が見てみたい! ここで飲みたい!」というお店を。
その店、この写真の中にあります
その店、この写真の中にあります
って、これじゃあわからないですよね。
この中です
この中です
これでどうだ!
これでどうだ!
「あ、わかった〜。右側のアパートっぽい建物の1階にあるんでしょ? もしくはその向かいの茶色い屋根?」

いやいや、そっちじゃないんです。
その手前の……
こっちなんです!
こっちなんです!
どうです? このコンパクトなかわいらしさ。
建物自体は、まぁ言ってみれば「プレハブ」ですよね。
しかしながら、ひさしの下に赤と黄のちょうちんがふたつ、植木がふたつ、心地よく配置され、どこか凛とした美しさがある。

窓から覗いても中はあまりよく見えない。
しかしどう見ても、もう潰れてしまったお店とかではなさそう。
息をしています。
あぁ、中がどうなっているのか知りたい! そして飲んでみたい!
はい、行き過ぎた探究心を抱えてしまった酒飲みの、悲しき性です。

で、まずこの日は時間が早かったこと、そして次の予定があったこともあり、心の中の「いつか行きたいお店フォルダ」にいったんしまってその場を立ち去りました。
その「いつか行きたい」がものすご〜く強力だったんですよね。
何日か後「よし、今日なら行けるぞ!」というタイミングがあり、いてもたってもいられずに、再び現地へ。

2回目のアタック

とある夏の日の17時、僕は再び、平山城祉公園へとやって来ました。
あ、ちなみに、インターネットでおもてに書いてある店名を調べても、一切の情報は見つかりませんでした。
つまり、まだなんら手がかりのない状態。
とりあえず、酒場が開くとしたら17時くらいからの可能性が高いだろうと来てみたんですが、残念ながらひっそりとしており、営業開始の気配すらありません。

う〜む、しかたない……。
張り込むか
張り込むか
お店の裏手を流れる川の対岸に小さなスーパーを見つけたので、そこで小腹を満たす軽食とドリンクを買い込み、しばらく待ってみることにします。
この位置なら、何か動きがあればわかるだろう
この位置なら、何か動きがあればわかるだろう
あ、ちなみに、気になってしまった方がいるかもしれません。
酒場張り込みのドリンクということで、士気を上げるためにお酒を選んでみましたが、別に「楽しみたい」という気持ちからではないので悪しからず。
トイレが近くなっては困るので、こういう時はストロング系が重宝しますね。

小腹を満たす軽食には、
「特製つくね」(298円のなんと3割引き!)
「特製つくね」(298円のなんと3割引き!)
を選んでみました。

ではちょっと失礼して……プシュ! ゴクゴクゴク……ふぅ〜。
つくねもモグモグ……うま! 軟骨のコリコリした食感がアクセントになって、肉がみっちりと食べ応えあって、チューハイとの相性抜群!
気分だったのであえてチンしてもらわなかったんだけど、こういうシチュエーションで食べる、冷めた惣菜ならではの「つまみ力」最高!

……決して楽しんでいるわけではありません。
それが証拠に、「このつくねのお肉みっちり感を読者のみなさまに伝えなければ」というジャーナリズム精神から、箸で割って断面を記録しておこうとしたところ、
全然歯が立たず、バキッと折れました
全然歯が立たず、バキッと折れました
僕がこんなにも苦労をしているということをぜひ知っておいてください。
それにしても、水がきれいだな〜
それにしても、水がきれいだな〜
あのしげみ、ちょっとトトロっぽい!
あのしげみ、ちょっとトトロっぽい!
いつの間にか富士山が見えてる! こんなに近く見えるんだ〜
いつの間にか富士山が見えてる! こんなに近く見えるんだ〜
え! 飛行機が3機も!?
え! 飛行機が3機も!?
いや〜、一生いれる、この河原
いや〜、一生いれる、この河原
てな感じで張り込みをしていたら、時刻は18時15分。
対岸から見る限り、お店に変化は見られません。

が、実はこの日、あとにも予定が入ってしまっていて、この街にいられるタイムリミットは19時くらいまでなんですよね。
とりあえず、何かヒントが増えているかもしれないし、もう一度お店の前まで行ってみるか……
あ、やってるわ
あ、やってるわ
ポンコツ酒探偵ここに極まれりといった感じですが、18時くらいに開いたんでしょうか。
そして無事、飲めました
そして無事、飲めました
結論、僕はこのお店が大好きになりました。

ただしこの日は、本当に限られた時間しかいられなかったので、さらに後日、あらためて訪問することに。