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カードを集めて秘密のレアカードをゲットだぜ!(砂防の) - デイリーポータルZ

 

特集 2018年9月21日
 

カードを集めて秘密のレアカードをゲットだぜ!(砂防の)

砂防にまつわるイベントが行われている国はほかにあるだろうか
砂防にまつわるイベントが行われている国はほかにあるだろうか
大雨や地震などで、このところ土砂災害が頻発している。

ポケモンっぽいタイトルだと思った途端にヘビーな書き出しでカウンターを喰らった方も多いと思うが、地震や津波、洪水や噴火などと同じくらい、土砂崩れや土石流も言い方悪いけどポピュラーかつ破壊力の強い災害である。

そんな土砂災害に立ち向かう砂防施設をPRするカードが発行された。しかも、すべて集めるともらえる限定シークレットカードまで存在するという。
さっそく集めに行ってきた。
1974年東京生まれ。最近、史上初と思う「ダムライター」を名乗りはじめましたが特になにも変化はありません。著書に写真集「ダム」「車両基地」など。 個人サイト:ダムサイト

前の記事:「電車が国道を爆走!陸送に密着した」
人気記事:「お祖父さんが作ったドールハウスが泣けるほど昭和の住宅だった」


日本砂防のメッカ

砂防カードを発行したのは長野県の北部、北アルプスの麓に広がる大町市、池田町、松川村、白馬村、小谷村という5市町村だ。それぞれが地元に造られた砂防施設を1つ選び、ダムカードなどと同じ様式のカードを製作。さらに、これら5枚のカードをすべて集めて最終ポイントに持って行くと、シークレットカードまでもらえる「砂防カードラリー」を9月1日から開催している。取材行って記事書いててなんだけど、正直誰得!?というイベントである。

砂防カードやラリーの詳細は長野県姫川砂防事務所HPをご覧ください。
砂防施設のカード、欲しいですか?いや僕は欲しいけれども
砂防施設のカード、欲しいですか?いや僕は欲しいけれども
しかし地震計や防波堤、火山の監視カメラなどと比べて、砂防堰堤や流路工にどれだけの人が注目しているだろう。もっと砂防施設をPRして土砂災害への意識を高めてほしい、あと砂防目的でも観光に来てほしい、ということで、この地域の砂防カードは今年で3年目、毎年内容を変えているという熱の入れようだ。

今年度の砂防カードはそれぞれの市町村の道の駅で配布しているとのこと。ダムカードはダムに行かないと手に入らないけれど、砂防カードは砂防施設に行かなくても良いのだ。確かにこまめに管理された貯水ダムと違って、砂防施設は野に放たれたイメージだ(維持管理はされていると思います、たぶん)。施設の性質上、現地に行くのはダムほど簡単ではないだろう。
小谷村では砂防ダムだけめぐるバスツアーもある(詳しくはこの記事で)
小谷村では砂防ダムだけめぐるバスツアーもある(詳しくはこの記事で
しかし、実際に見ないと単なる道の駅めぐりになってしまう。せっかく長野まで行くならなるべく実物を見たい、と思い、行ける砂防施設は見てくることにした。

松川村の流路工

長野自動車道を安曇野インターで降りて北上。まずやってきたのは5市町村の南西端に位置する松川村だ。カード配布場所である「道の駅安曇野松川」は高瀬川沿いにあるけれど、その前に松川村のカードになっている砂防施設「芦間川流路工」に行ってみることにした。

もし、この記事を見て行ってみようと思ったら、実際の砂防施設の位置は事前に調べて地図をプリントアウトしておくとか、スマートフォンの地図に登録しておくとかすることをオススメする。僕はアタリだけつけておいて現地に行ったのだけど、ホームページやパンフレットの地図はかなりアバウトなので、探すのがけっこう大変だった。
根拠が分からないけれど「いかにも信州!」という景色だと思った
根拠が分からないけれど「いかにも信州!」という景色だと思った
芦間川流路工は道の駅から5分くらいの場所にあった。現地に看板も何もないので正解か確信は持てないのだけれど、まあ間違いないだろう。橋の上から眺めると、大きな石がゴロゴロしている川が、人工的ながら自然石を貼りつけてある段差をざばざばと流れ下っていた。
お、ここでは!?
お、ここでは!?
人工的な段差がつけられている
人工的な段差がつけられている
この先に向かって長さ3kmも続いているらしい
この先に向かって長さ3kmも続いているらしい
この人工的な段差を床固(とこがため)と言って、川の傾斜を緩くして、流れる水のスピードを抑え土砂の移動を防いでいる。この床固と人工的な護岸を組み合わせたものが流路工である。土砂の流出が激しい川で、川底や岸が削られるのを防いでいるのだ。

この川の土砂の流出がどんなに激しいかは航空写真を見ると分かる。
分かるだろうか、見事な扇状地になっているのが
上流(左側)を中心に、下流(右側)に向かって扇が開いたような地形になっているのが分かるだろうか。これが、長い年月をかけてこの川の上流から土砂が流れてきて溜まった跡である。

その後、カードをもらいに道の駅に行った。これから5ヶ所もまわるのに、カードだけ受け取るのもどうかと思ったので、それぞれの道の駅で気になった食べ物を1つ買うことにした。せっかくなのでそのレポートもお届けする。
道の駅安曇野松川
道の駅安曇野松川
砂防カードラリーのポスターを探すが見当たらない
砂防カードラリーのポスターを探すが見当たらない
本当にここで砂防カードもらえるのだろうか…
本当にここで砂防カードもらえるのだろうか…
砂防カードのさの字も見当たらなかったので不安だったけれど、レジで聞いたらカードをとパンフレットを1枚ずつ手渡してくれた。芦間川流路工のカード、ゲットだぜ!
さっきのと同じ!
さっきのと同じ!
各砂防施設の場所や解説が載っているパンフレット
各砂防施設の場所や解説が載っているパンフレット
そして、道の駅安曇野松川で選んだひと品はこれ。
食べるだし醤油\540
食べるだし醤油\540
えーと何でこれにしたんだっけ。よく覚えていないけど、最初ということで特に名産とか考えずに興味のあるものを選んだ気がする。あ、卵かけごはんに愛用していた「牡蠣醤油」がなくなったのでその代わりとして選んだかも知れない。

というわけで、さっそく食べてみよう。
いかにも白米に合いそうなルックス
いかにも白米に合いそうなルックス
これくらいで軽く1膳いけるのではないか
これくらいで軽く1膳いけるのではないか
白米の上に乗せて食べてみた。かなり塩辛いけど、麹と鰹節の風味がふわっと広がって上品な味わいだ。これはご飯がすすむやつだ。そして間違いなく卵かけにも合う!これは買ってよかった。
これからちびちび楽しみます
これからちびちび楽しみます