愛媛県にある伊方原子力発電所3号機について、広島高等裁判所は、運転停止を命じた去年12月の仮処分の決定を取り消し、運転を認めました。伊方原発3号機は去年の決定によって運転できなくなっていましたが、判断が覆ったことで、再稼働できる状態になりました。
愛媛県にある伊方原発3号機について、広島高等裁判所は去年12月、熊本県にある阿蘇山の巨大噴火の危険性を指摘し、今月30日までという期限つきで運転の停止を命じる仮処分の決定を出しました。
これに対し、四国電力は、決定の取り消しを求めて異議を申し立て、広島高裁の別の裁判長のもとで審理が行われてきました。
広島高裁の三木昌之裁判長は運転停止を命じた去年12月の決定を取り消し、運転を認めました。
決定の中で、裁判長は「伊方原発が運用されている期間中に阿蘇山で破局的な噴火が発生する可能性が根拠をもって示されているとは認められず、火砕流が到達する可能性が十分小さいと評価できる」という判断を示しました。
伊方原発3号機は去年の決定によって運転できなくなっていましたが、判断が覆ったことで、再稼働できる状態になり、四国電力は、速やかに準備を進める方針です。
一方、同じ伊方原発3号機をめぐり、別の住民が申し立てた仮処分については、今月28日に大分地方裁判所が判断を示すことになっています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180925/k10011643171000.html