高森藍子「事務所のみんなと」道明寺歌鈴「ドジ克服作戦です!」
・「アイドルマスター シンデレラガールズ」のSSです
・描写について、複数のコンテンツの要素や独自の解釈を含むことがあります
・こちらの板では初投稿です。不手際が生じるかもしれませんが、ご容赦ください
-----事務所-----
ガチャ
高森藍子「失礼します」
道明寺歌鈴「あっ、藍子ちゃん! おはようございましゅ! ……あぅ」
藍子「ふふっ。おはようございます、歌鈴ちゃん」
歌鈴「あはは……朝一番から噛んでしまいました……」
藍子「ですね。……でも、よかった」
歌鈴「はい?」キョトン
藍子「歌鈴ちゃんが元気そうで。昨日、次のお仕事のお話をプロデューサーさんから聞いたときは、とっても不安そうにしてたから……」
歌鈴「……ふっふっふ……」
藍子「……歌鈴、ちゃん?」
歌鈴「実はですね。私、今回はある秘策を用意しているんです!」
藍子「秘策、ですか?」
歌鈴「はいっ! これでもう、ドジでノロマな歌鈴からは脱却できるに違いありませんっ!」ドヤァ
藍子「はぁ……。それで、その秘策っていうのは、一体どういうものなんでしょう?」
歌鈴「それはですね! たぶん、もうそろそろ……」
ガチャ
池袋晶葉「できたぞ歌鈴! 半径5m以内にバナナがあると警報で知らせてくれる装置だ!」
藍子「えぇぇっ!?」
~~~~~
歌鈴「うぅうぅぅ~……」イジイジ
藍子「し、仕方ないですよ。あんなに大きなヘッドセット型の装置を付けて収録したら、すごく目立っちゃいますし……」
歌鈴「でも! そうでもしないと、きっと失敗しちゃいますよぉ……」
藍子「やっぱり、不安だったんですね……」
歌鈴「だって! まさか私たちが、『アイドルデュオユニット対抗☆大運動会』に出場するなんて……!」
藍子「私も、インディゴ・ベルを選んでもらえるとは思っていませんでしたから、驚きはしましたけど」
歌鈴「しかも、競技の中によりによって、二人三脚があるだなんて……! こんなの、どう頑張ってもコケちゃうやつじゃないですかぁ!」ナミダメ
藍子「それは……あ、あはは」
藍子(うーん、否定はできないなぁ……)
歌鈴「自分がドジして笑われるだけならともかく、藍子ちゃんを巻き込んじゃうと思うと、もう気が気じゃなくて……」
藍子「そんな、気にしなくてもいいのに」
歌鈴「気にしますよぉ……くすん」
藍子「それで、晶葉ちゃんに頼ったんですね」
歌鈴「そんなことないです! バナナは……バナナは神出鬼ぼちゅ……鬼没、ですから。常に警戒しておかないと!」
藍子「大袈裟ですよ……悪魔かなにかじゃないんですから」
歌鈴「たとえば、前の競技が借り物競争で、お題にバナナがあったとしたら! コースにバナナの皮が残っててもおかしくないですし!」
藍子「……それって、借りた後、走りながら食べてるってことですか?」
歌鈴「あるいは、バナナ食い競争なんかがあったりしたら、もう……!」
藍子「パンじゃなくて」
大原みちる「パンの話ですかっ!?」ニュッ
藍子「わっ! ち、違いますっ」
歌鈴「ちょっと、転ばないようにするための話です!」
みちる「チョココロネ!?」
藍子「聞き間違いがやんちゃすぎません?」
歌鈴「……こうなったら、事務所にいる他の子にも話を聞いて、ドジしないための必勝法を編み出して見せますっ!」タタタッ
藍子「あっ、えっ!? か、歌鈴ちゃん! 待ってください、私も行きます~!」
~~~~~
浜口あやめ「ふむ……なるほど。ドジをしないための秘術を学びたいと」
歌鈴「はいっ! あやめちゃんなら運動神経もいいし、何かいい方法を知ってるんじゃないかと!」
あやめ「これまで数々のお仕事を共にしてきた盟友、歌鈴殿の頼みであれば、わたくしも協力を惜しまないところなのですが……」
藍子「何か、問題でも……?」
あやめ「ああ、いえ。ただ……くノ一にお色気が欠かせないように、歌鈴殿とドジは切っても切れない関係といいますか……むしろそれが歌鈴殿の魅力のひとつなのではないかと」
歌鈴「そんなぁ!」ガーン
あやめ「あっ、いい意味で、ですよ! いい意味で!」
藍子「そうそう。歌鈴ちゃんのドジって、不思議と周りを和やかな空気にしてくれるから、大丈夫ですよっ」
歌鈴「あうぅ~……で、でもぉ……」
あやめ「そうですね……そこまで仰るのでしたら、わたくしにひとつ策があります」ガサゴソ
歌鈴「こ、これは……!?」
あやめ「あやめ特製の煙玉です! もし転びそうになった時は、これをお使いください! 転ぶところを誰にも見られなければ、それはもはや、転んでいないのと同じこと!」
歌鈴「な、なるほど……! さすがです、あやめちゃん!」
藍子「……あのぅ、それって、かえって目立ってしまうんじゃ……? それに、二人三脚のタイムは結局変わりませんし……」
あやめ「むっ、そうですか……でしたらここはひとつ、走りやすくなるように、縄抜けの術を会得すれば!」
藍子「それはたぶん、反則になっちゃいますね」
歌鈴「そ、それは困りますっ! ちゃんと二人で協力して、って、あっ」ポロリ
藍子「え?」
ボフーン!!
あやめ「あわわ、落とした衝撃で、煙玉が……けほ、けほっ!」
藍子「こほっ、か、歌鈴ちゃん、大丈夫ですか……?」
歌鈴「ひぃぅっ! ご、ごめんなさ……ぶほっ!」
~~~~~
矢口美羽「一発ギャグですっ!」フンス
藍子「……はい?」
歌鈴「ギャグ……ですか?」
美羽「いいですか? 例えば走っている途中に、こう、派手に滑ってしまったとします」
歌鈴「は、はいっ」ゴクリ
美羽「そこで! 敢えて失敗をネタにするような一発ギャグを繰り出せば、見ている人はもれなく大爆笑! マイナスをプラスにできるってもんです!」フンス
歌鈴「す、すごい自信……でも、そんなにうまくいきますかね?」
藍子「……これも、根本的な解決にはなっていないような……」
美羽「そうですね……歌鈴さんの場合、こんなのはどうでしょう?」
美羽「『すってんころりん、りんりんかりーん♪』」キュピーン
歌鈴「……ほぉー……」
藍子「あ、あはは……は……?」
美羽「ですがっ! こうやって滑ったときこそ、一発逆転の一発ギャグを……!」バッ
藍子「す、ストップです! これ、なんだか延々に繰り返されちゃう予感がしますっ!」
歌鈴「延々に滑りっぱなし……い、痛そう……」
藍子「……さっきから、歌鈴ちゃんと美羽ちゃんで『滑る』の意味が食い違ってませんか?」
藍子「それに、そもそもは二人三脚をどう乗り切るかっていうお話ですから……」
美羽「そ、そうでしたっ! 肝心なことを忘れてましたね……」
美羽「二人三脚というからには、藍子ちゃんのぶんのギャグも考えないとっ!」
歌鈴「た、確かにっ!」
藍子「えぇっ!? ど、どうしてそうなるんですか~!?」
~~~~~
???「ふっふっふ……話は聞かせてもらったよ」
歌鈴「ほぇ……? 部屋のどこからか、声が……?」
藍子「変ですね、今は私たち以外誰もいないはずなのに……」
???「道明寺歌鈴よ……力が欲しいか? いかなる状況でもコケずに済む、禁断の力が……!」
歌鈴「こっ、コケなくなる力!? ほ、欲しいですっ!」
藍子「な、なんだかゲームに出てくる魔王みたいなことを……だ、大丈夫なんですか?」
???「……よかろう。ならば代償に……」
歌鈴「だ、代償……?」ゴクリ
双葉杏「飴をよこせー!」ガバッ
歌鈴「ひゃあああぁっ!?」
藍子「あ、杏ちゃんっ!? ソファーの後ろにいたんですか!?」
歌鈴「ど、どうしよう……? 飴なんて持ってないですよぉ……」
歌鈴「……あ。昨日、芳乃ちゃんにもらったおせんべいがありました。こ、これじゃダメでつかっ?!」
杏「おせんべかぁ……甘いものじゃないけど、まぁ、特別に許してあげるよ」ボリボリ
杏「まぁねー」
歌鈴「そ、その方法とはっ!?」
杏「ズバリ! 『何もしない』!」ドヤァ
歌鈴・藍子「…………え?」
杏「走ると転んじゃうんでしょ? だったら、その場で動かず、ずっとだらだらしてれば、絶対に転ばないじゃん」
歌鈴「い、言われてみれば確かに……!」
藍子「そ、それはそうですけど……お仕事は、どうするんですか?」
杏「んー…………サボる?」
藍子「ダメですっ!」
~~~~~
日野茜「足腰を鍛えましょうっ!! 悩んだときは、特訓あるのみです!!」
歌鈴「と、特訓でしゅかぁ!? ……あぅ」
茜「はいっ! 流した汗は、嘘をつきませんから!」
藍子「……あはは……。なんとなく予想はしてたけど、茜ちゃんらしい解決方法だね……」
茜「ご安心ください! 私でよければ、いくらでもお付き合いしますよっ!! さぁ、何から始めますか!? 走り込みですか!? それともランニングですかっ!?」ズイッ
藍子「それって同じ意味じゃないですか?」
歌鈴「あわわわっ! あ、茜ちゃん、近い! 近いですっ……あっ」ズルン
藍子「あっ」
歌鈴「へぶぁ!」ステーン
茜「歌鈴ちゃーん!? 大丈夫ですかっ!?」
歌鈴「いたた……は、はい! 大丈夫です、慣れてますんでっ」
茜「すみません……つい、勢いがパッションしてしまいました! 歌鈴ちゃん、掴まってください!」ヨイショ
歌鈴「あ、ありがとうございます……!」
藍子「言いたいことは伝わるけど、よくよく考えると『勢いがパッション』って結構めちゃくちゃですよね」
茜「何を言ってるんですかぁ!!」
歌鈴「ひぃッ!?」ビクゥ
茜「簡単に諦めちゃダメです! 前にも言いましたが、100回転んだら、101回立ち上がればいいんですよっ! その為なら、手でも肩でも、いくらでも貸しますから!」
藍子「茜ちゃんの言う通りですよ。私だって……いつも側にいるんですから、歌鈴ちゃんの支えになりたいですっ」
歌鈴「藍子ちゃん……! 茜ひゃんも……っ!」プルプル
歌鈴「わっ、私、頑張りましゅっ!」
茜「その意気です! さぁ、共に栄光への道を駆け抜けましょうっ! ボンバー!!!」ズドドドド
歌鈴「ふぇっ!? は、走るって、今ここでですかっ!?」
藍子「あ、茜ちゃーん! ここ、事務所の中ですよっ!? せめて屋外でお願いします~!」
~~~~~
歌鈴「ふひゅー……も、もうくたくたですぅ……」ゼェゼェ
藍子「はぁ、はぁ……私も、さすがに疲れちゃいました……」
歌鈴「やっぱり、茜ちゃんってすごいですね……」
藍子「茜ちゃんに打合せの予定が入ってなかったら、夜まで特訓してたかもしれませんね」
歌鈴「ひぃ……! ドジだけじゃなくて、筋肉痛で足が動かなくなってコケちゃいそう……」
藍子「あ、歌鈴ちゃん。お水どうぞ」
歌鈴「わわっ。ありがとうごじゃいまし!」
藍子「……ごじゃいまし?」クス
歌鈴「はうぅ……り、リピートしないでください……///」
藍子「ふふ、ごめんなさい。つい、可愛くてっ」
歌鈴「そ、そんな……えへへ」
藍子「みんな、転んでもいいって言ってくれたじゃないですか」
歌鈴「……はっ……」
藍子「あやめちゃんも、美羽ちゃんも、茜ちゃんも……杏ちゃんは、ちょっと違うかも、ですけど」
歌鈴「で、でもそれは、皆さんに諦められてるってだけじゃ……?」
藍子「うーん……もしかしたら、それもあるかも?」
歌鈴「やっぱりっ!」ガーン
藍子「あっ、悪い意味じゃないんですよ?」
藍子「それ以上に、私も含めてみんな、ドジをしながらでも一生懸命頑張る歌鈴ちゃんのことが、大好きなんです」
歌鈴「だっ、だいしゅきだなんてっ!?」アワアワ
藍子「あはは……自分で言いましたけど、ちょっと照れちゃいますね」
歌鈴「ぅぅ……///」
歌鈴「あ、あのっ。藍子ちゃんっ!」
藍子「はい」
歌鈴「ふっ、ふつつつか者ですが、よ、よろしゅくお願いしますっ!」フカブカー
藍子「ふふっ。『つ』が多いですよっ」
藍子「……こちらこそ。二人三脚、一緒に頑張りましょうね♪」
歌鈴「はいっ!」
そうして迎えた収録本番。
インディゴ・ベルの二人三脚は、途中七回ほど転倒しながらも、なんとか完走できましたとさ。
藍子「やっとお弁当タイムですね」
歌鈴「ふぁぁ……な、長い戦いでした……」クター
藍子「もう、歌鈴ちゃんったら。運動会はお昼からもまだ続きますよ?」
歌鈴「で、ですよねっ。歌鈴、頑張りますっ!」
タタタッ
美羽「あっ、お二人ともー! お疲れ様です! 二人三脚、見てましたよっ!」
歌鈴「美羽ちゃん! えへへ……たくさん転んで、結局ビリになっちゃいましたけど」
美羽「でも、もうちょっとで前のチームを抜かせそうでした! いやー、惜しかったですね!」
歌鈴「は、はいっ!」ピーピー
美羽「……はて? そういえば、一発ギャグは、結局どうなったんですか?」
歌鈴「ふぇっ!? そ、それは……」ピーピー
美羽「藍子ちゃんも、せっかく矢口史上五本の指に入るとっておきを伝授しておいたのに……」
藍子「それは……ほら、またの機会に、ね?」
美羽「なるほど! 切り札は最後まで取っておく、というやつですか!」キラキラ
歌鈴「あ、藍子ちゃん。なんだかハードルが上がっちゃってる気がしますけど……?」ピーピー
藍子「だね……。うーん、使う機会、来るかなぁ……?」
藍子「……あの、ところで、さっきから歌鈴ちゃんの荷物から、ぴーぴー音が鳴ってる気がするんですけど。スマホの着信か何かですか?」
歌鈴「あっ、これは……たぶん、美羽ちゃんのお弁当に反応してるっぽいです」ピーピー
美羽「へっ?」
歌鈴「お弁当というか……その、デザートのバナナに」
藍子「まさか……持ってきてるんですか? 晶葉ちゃんの装置……」
歌鈴「い、一応、もしもの時のために……あ、あはは」ピーピー
美羽「……???」
おわり
以上、お付き合いありがとうございました。
デレステにドレスコーデ機能が実装されたことで、ついにインディゴ・ベルに藍色(っぽい)衣装を着せることが出来て大満足。
あとはユニット曲の実装を待つばかり……!
前作
高森藍子「歌鈴ちゃんがくっついてきます」
こちらもよろしければどうぞ。
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先週
先々週
コメント一覧 (6)
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- 2018年10月07日 22:01
- あったよ!!藍子のssが!!
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- 2018年10月07日 22:15
- でかした!!
-
- 2018年10月07日 22:57
- みんな藍子は持ったな!!行くぞォ!
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- 2018年10月07日 23:29
- インディゴ・ベル尊い…
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- 2018年10月07日 23:48
- (とうとみで浄化される音)
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- 2018年10月07日 23:48
- なにっ!?インディゴ・ベルに色っぽい衣装とな?(乱視)
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