琴葉「おかえりなさい、あなた」
琴葉「ほら、風邪を引いてしまいますから早く上着を脱いで…お風呂、用意しておきましたから」
琴葉「あ、それと……」
琴葉「……んっ///」チュッ
琴葉「…これだけは、しておきたくて…///」
琴葉「…はい、ちゃんとゆっくり浸かってくださいね」
琴葉「…それなら良かった…♪」
琴葉「あ、食事の用意もしてあります」
琴葉「はい、あなたの大好きなハンバーグですよ。お味噌汁も温かい内に」
琴葉「ふふっ、召し上がれ♪」
琴葉「…うん…えへへ」
琴葉「良かった、いつも愛情をたっぷり込めていますからね」
琴葉「……♪」ニコニコ
琴葉「あ、ごめんなさい…食べづらかったですか? 美味しそうに食べてるところを見ると、つい」
琴葉「…ソース、付いてますよ…はい」
琴葉「もう、いくつになってもあなたらしいですね」
琴葉「…はあ」
琴葉「もしかして、外でもう食べちゃってたり…してない、ですか…」
琴葉「今日はたまたま食欲がないだけ…ですか? まあ、それなら仕方ないですね」
琴葉「あ、大丈夫です。私が片付けておきますから」
琴葉「はい、お粗末様でした」
琴葉「……」
琴葉「いきなり後ろから抱きついて…びっくりしました?」
琴葉「…すぅ…はぁ…うん、すごく落ち着く…」
琴葉「同じ洗剤や柔軟剤を使っているのに…なんだか、まるで別物みたいです…」
琴葉「あなたの体温も…すごく心地良いです」
琴葉「…こっち、向いてください」
琴葉「……んっ///」
琴葉「…はむっ…んぅ///」
琴葉「…はぁ…はぁ…///」
琴葉「…はい、満足しました…」
琴葉「そういえば、あなたに訊きたいことがあったんですけど…」
琴葉「さっき、たまたま食欲がないって言ってましたよね? 外食もしてないと…」
琴葉「……なんでそういう嘘をつくんですか?」
琴葉「…」スッ
琴葉「ええ、あなたがお風呂に入っている時にちょっと財布を見させてもらいました…」
琴葉「このレシート、数時間前のじゃないですか。それにこのレストラン…結構高いところ…」
琴葉「それだけではありません。あなたの濡れた上着…微かに香水の匂いがしましたよ?」
琴葉「私もあなたも香水はつけないし…今日あなたが帰ってきてキスする時、何だかいつもとは違う…口紅のような味もしました…」
琴葉「……」
琴葉「ふふっ、どうしたんですか。目が泳いで…顔色も良くないですよ?」
琴葉「ほら、とりあえず椅子に座りましょう?」
琴葉「…いいから座って」
琴葉「もしかしたら…私が知ってる子にいたり…」
琴葉「…ふふっ…もう、あなたったら…この状況でも言い逃れできると思っているんですか…?」
琴葉「…誰っ!?」バンッ!
琴葉「……」
琴葉「へぇ…そう…えぇ、知ってますよ…だってあなたがプロデュースしているアイドルだもの…」
琴葉「…まだ、若いですよね…私より5個下の18歳。奇しくも私の時と同じ年…」
琴葉「…あの時、あなたは私を一度拒みましたもんね…アイドルとプロデューサーという関係上、気持ちには答えられないと…」
琴葉「それから数年経って、やっとの事でここまで来たのに…」
琴葉「それなのに、あなたは私を裏切ったんですね…」
琴葉「あの子から、不意にやられた…?」
琴葉「……そうですか、じゃああなたにはその気がなかったと?」
琴葉「私に嘘をついてまで、2人きりで食事しておいて?」
琴葉「…ほら、やっぱりやましい思いがあったんでしょう?」
携帯「」prrrrr
琴葉「! …あぁ、噂をすればなんとやら…ですね」
琴葉「出てもいいですよ。大丈夫です、私は口出ししませんから」
琴葉「あら、出てあげないと可哀想でしょう?」
琴葉「…早くスピーカーで話してくださいよ、スピーカーで」
琴葉「……」
琴葉「……」
ピッ
琴葉「…ふぅ~ん、成程。そういう事ですか…」
琴葉「ふふっ、この女…私が聞いているとも知らず、また奥さんに内緒で出掛けましょうね…なんて」
琴葉「それに、あの口ぶりからしてこれが初めてではないようですね…」
琴葉「怪しいのは仕事の用事で遠出するといったあの時でしょうか。まあ、あなたが女と遊んでいる事ぐらい把握していましたけど」
琴葉「ええ、当然でしょう? 妻として、夫の事は何でも知っておかなければいけませんから」
琴葉「でも…」
琴葉「はぁ、改めて発覚するとやっぱりショックですね…」
琴葉「本当に、ショックです」スタスタ...
琴葉「何だそれって、見て分からないんですか? 包丁ですけど…」
琴葉「あぁっ、いえいえ! 別にこれであなたを刺そうとか切ろうとか、はらわた引きずり出そうとか考えてる訳じゃありませんよ」
琴葉「…でもね…今の私、非常に精神の状態が不安定みたいで…」
琴葉「あなたがもし、変な事を言ったり…変な動きを見せようとしたならば…この包丁で…」スッ
琴葉「…首、調理しちゃうかもしれません…」ボソッ
琴葉「ふふっ、囁かれてビクッとしました? …かわいい」
琴葉「何でそんなに顔を青くしながら謝るんですか。別に怒ってる訳じゃないのに…ただ、悲しいだけなんですよ」
琴葉「…でも、そんな表情をしたあなたも本当に愛おしいです…」チュッ
琴葉「そうだ、その表情…携帯で撮ってあの子に送ってあげましょう」
琴葉「今のあなたの表情を見ても、あの子はあなたに大好きって言ってくれるでしょうか…?」
琴葉「私は、あなたのどんな表情でも愛せますけどね…♪」
琴葉「ふふ…あはは、あははは!」パシャパシャッ
琴葉「送信、っと…♪」
琴葉「……どうして?」
琴葉「どうしてそんな事を言うんですか!? 私はあなたの事を愛しているだけなのに!」
琴葉「あなたの事を信じてプロデューサーの仕事を続けさせていたのに…どうして…!?」
琴葉「…あなたは、もう…私の知っているあなたじゃない…」スッ
琴葉「……あぁ、やっぱり…ごめんなさい。やっぱり私…耐えれないみたいです…」スタスタ...
琴葉「あなたは私だけのものなんだから…私以外のものになるくらいなら…」ブツブツ
琴葉「…あなた」
琴葉「私の中で、一緒にいてください」
プツンッ
琴葉「あ…2人とも、久しぶり」
琴葉「うん、大丈夫。私も今来たばかりだよ」
琴葉「え? あぁ、あの人なら……」
琴葉「…うん。事務所、辞めちゃったんだ」
琴葉「ちょっと、アイドルといざこざがあったみたいで…」
琴葉「大丈夫、心配しないで」
琴葉「……ちゃんとここに来てるから」
琴葉「うん」
琴葉「私たちはずっと一緒だもん」スリスリ
おしまい
>>1
田中琴葉
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コメント一覧 (1)
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- 2018年10月14日 23:00
- コンシューマ版の琴葉エンドか楽しみだな
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