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人間も動物たちもがんばっている。科学・技術・生物・宇宙界から15の良いニュース : カラパイア

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 世の中には暗いニュースが溢れている。暗いことの方が多く起こっているように見えるのは、暗いニュースの方が目立つし印象に残りやすいからだ。

 トップニュースに暗いニュースばかり並んでいると、世の中おかしくなってきているんじゃないかと思いがちだが、目立たないだけで明るいニュースもたくさんある。

 多くの人たちが明るい未来に向けて人知れず懸命に努力した結果、着実に素晴らしい成果は上がっているし、動物たちもがんばっている。

 ここでは気持ちが明るくなるような15のうれしいニュースをまとめてみていこう。
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1. 密猟者のワナの解体を学習したゴリラ


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 2012年、ルワンダ、ボルケーノズ国立公園で若いマウンテンゴリラが密猟者のワナにかかって命をおとすという事件の数日後、研究者はすごい発見をしてしまった。

 4歳のゴリラ2頭が一緒になって付近にしかけられていた同じようなワナを解体していたのだ。

 「若いゴリラのそうした行動は初めて観察されました。そんな報告は世界のどこからも伝えられていません」とカリサケ研究センターのダイアン・フォッシー氏は語っている。


2. 核融合の実現まであとわずか


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 核融合はほぼ無限のエネルギーを生み出すための鍵だ。それでいて塩水以外の副産物はほとんど生じないクリーンなエネルギーだ。これまで多くの科学者が、核融合を制御しようと挑んできたが、いまだ夢半ばである。

 だが、その状況も変わってきた。2015年末、ドイツで大型核融合反応炉が稼働し、それ以来、灼熱の水素プラズマがきちんと維持されてきた。それだけでなく、韓国や中国でも同様の成果が報告されている。さらにイギリスには革新的な反応炉が誕生した。
 
 こうした進展のおかげで、MITの専門家からは2030年までに核融合による発電が実用化されるのではと予測されている。


3. 重力波の検出が進む


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 2015年9月、アメリカの重力波検出器LIGOによって、ついに重力波の直接検出がなされた。これは、ブラックホールの衝突から発生する重力波を捉えたもので、重力波天文学の幕開けを告げるものだ。重力波とは光速で伝わる時空のさざ波のことである。
 
 2034年までには、LISAという宇宙に設置するタイプの重力波望遠鏡の稼働が予定されている。そうなれば数々の突飛な仮説を検証できるようになる。中には多次元の宇宙を解明するといったアイデアだってある。


4. メジナ虫症(ギニアワーム)の撲滅まであとわずか


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 人類は天然痘の根絶には成功した。そして今、病気の根絶例としては2番目の事例となる、メジナ虫症の根絶にあと一歩のところまで近づいた。これは皮膚に痛みを伴う水ぶくれができる症状で、ギニア虫という寄生虫が原因だ。

 2015年初めの時点で、ギニア虫症は126件にまで減った。そして今年5月の時点では、たったの5件だ。それもフィルター付きのストローが普及し、汚染された水を飲んで寄生されることがなくなったおかげだ。


5. オーストラリアで子宮頸ガンの根絶まであと一歩


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 オーストラリアは、2028年までに子宮頸ガンの根絶に成功する最初の国になると予測されている。今の発症率は10万人にたったの4人だ。そして2年以内に、同国で子宮頸ガンはきわめて稀なガンとなるだろう。

 これは1991年から実施されてきた包括的予防措置のたまものだ。2007年からは女の子には無料でヒト・パピローマウイルスのワクチン接種も行われるようになった。

 定期検診とワクチンの組み合わせで、発症率を最大30パーセント低下させることができる。


6. 自閉症の治療薬開発も前進


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 アメリカで実施された小規模な治験では、スラミンという100年前からある薬によって、子供の自閉症が大きく改善することが分かった。

 まだまだ研究は必要であるが、世界初となる自閉症の治療薬登場に期待が持てる成果だ。

・自閉症のゲームチェンジャー。100年以上前の薬に目覚ましい効果があることが確認される(米研究) : カラパイア


7. 海水を飲料水に変えるグラフェン製フィルター


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 2018年4月、酸化グラフェン膜で海水から塩を効率的に濾過することに成功したと発表された。

 現時点では、まだ実験段階にすぎない。それでも、将来的に身の回りでもっとも豊富に存在する資源である海水を、もっとも希少な資源である飲料水に転換できる可能性は実証された。


8. 査読済みの研究論文を無料で読める登場


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 これまで研究論文を読むためには購読料が必要であることが多かったが、ある研究によると、現在では4分の1以上の研究論文がオンラインで無料で読めることが判明した――「Unpaywall」のおかげだ。


9. 出生異常や流産を防止するビタミンの発見


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 葉酸以来となる妊婦にとってもっとも重要な発見と評されている。妊娠中、ビタミンB3(ナイアシン)を摂取すると、出生異常や流産を防ぐことができることが明らかとなったのだ。

 ビタミンB3が多く含まれる食品は、カツオ、サバ、ブリ、イワシ、レバー、鶏ささみ、マグロ、シラス干し、たらこ、豆類などだ。


10. 脊椎損傷を修復する方法がついに明かされつつある


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 脊椎損傷の治療はきわめて複雑であるが、新しい研究では、最先端の治療法によって傷の修復が行われる仕組みを紹介している。

 特に、焦点が当てられているのは、ちょっとした外科措置で人体が自分で傷を修復してしまう仕組みである。

 これがようやく理解されたことから、いずれは麻痺や神経系損傷の治療法開発にもつながることだろう。


11. 次世代交通システム、ハイパーループ!


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 ハイパーループとは、実業家のイーロン・マスクが構想した次世代交通システムで、チューブの中に入ったポッドを時速1126キロという猛スピードで移動させて、人間の輸送を行うものだ。

 これまでのところ、試験用のハイパーループが、アメリカ、オランダ、スロバキア、チェコに建設された。そして2021年までにアムステルダム-パリ間での稼働が目指されている。またアメリカとメキシコを分断する国境の壁をハイパーループにしてしまおうという提案もある。

・まさにぶっ飛び!!イーロン・マスク氏の革新的輸送システム「ハイパーループ」の試験走行映像が公開される。 : カラパイア


12. くしゃみでコミュニケーションを図るアフリカのリカオン



 ボツワナで、野生のリカオンが狩りに行くかどうかくしゃみで投票している場面が観察された。リカオンは、狩りに出かけるかどうかを群れの中でどのくらいくしゃみが起きたかによって決めるのだそうだ。


13. 抗生物質耐性に反撃


 国連は、抗生物質耐性菌が世界の公衆衛生に対する”根本的な脅威”であると宣言。2050年までに毎年1000万人が犠牲となるだろうと予測されている。
 
 しかし今年初め、複数の細菌の抗生物質耐性を一気に無効にしてしまう分子が開発された。抗生物質耐性菌との戦いにおけるこれまででもっとも有望な成果である。

 さらに、そもそも抗生物質を使わずに細菌を殺すことにも成功している。

 オーストラリアの博士課程の学生シュ・ラムが開発した星型のポリマーは、細胞壁を破壊することで抗生物質なしで細菌を殺すことができる。


14. NASAがすべての研究を無料で公開


 昨年、NASAが助成した研究はすべて公共ポータルで無料で公開すると発表された。

 この無料オンラインアーカイブ「PubSpace」はNASAの新しいポリシーに従ったものだ。これによって、NASAの助成を得て査読付きの学術誌に掲載された研究は、すべて1年以内に公開されることになる。


15. まったく新しい天象を認定。その名は「スティーブ」


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 一見、オーロラにも見える現象は、未知の現象だった。スティーブと名付けられたそれは、光のリボンがはためくような発光現象で、北半球の高緯度で観察された。

・新たに発見された大気現象「スティーブ」、高速で移動する熱いガスの光の弧。 : カラパイア

 その美しさを目にすれば、人生そう捨てたものじゃないと思えるはずだ。

References:sciencealert/ written by hiroching / edited by parumo
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コメント

1

1. 匿名処理班

  • 2018年10月16日 21:06
  • ID:naXvqHwc0 #

スティーブはもうちょいネーミング何とかならなかったのかw神秘感ゼロやがな
オーロラだって女神の名前からなのに

2

2. 匿名処理班

  • 2018年10月16日 21:06
  • ID:whAxjo8r0 #

中心性脊髄損傷を受けた身としては10番が大変気になります
指の麻痺が治らないかなぁ〜

3

3. 匿名処理班

  • 2018年10月16日 21:19
  • ID:GABGLP.50 #

明るいニュースいいね! …って思ったけどリカオンのクシャミが何故??
まあ すごくかわいいけどさ

4

4. 匿名処理班

  • 2018年10月16日 21:45
  • ID:UXmKInB50 #

ゴリラすげえな!!!
こういう明るいニュースこそ読みたいものだ

5

5.

  • 2018年10月16日 22:17
  • ID:49z9hFS30 #
6

6. 匿名処理班

  • 2018年10月16日 22:50
  • ID:EDfBC1GK0 #

論文を読むのが無料でも、読めるようになるまでの教育が有料なんですよ

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7. 匿名処理班

  • 2018年10月16日 23:00
  • ID:NuY2RAhy0 #

エネルギー枯渇と水不足という近い将来の深刻な問題に対応可能になりつつ事は本当に朗報

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