彡(゚)(゚) 「…ほんの一晩のユメやった」(ある物語)
master「今夜、「も」だ」
彡(^)(^) 「まーそう自虐的にならんでも」
master「キミ、友人に会いに来たんじゃないの?」
master「ケンカしたのかい?良くないね、サッサと仲直りしたほうがいい」
彡(`)(´) 「余計なお世話やでっっ今日は会いとうないんやで」
と、なんとなくふらりと入ったバアでワイは常連になっていたんや
ほんの少し前に待ち合わせの時間つぶしに入ったことがきっかけで
と言ってもほとんど他にお客もいないような閑古鳥鳴いてる感じの店やがな
master「どうした?」
彡(-)(-)「…いや、ワイの住んでる付近でなアパートメントで監禁されてたんやと
子供がな、親族に」
彡(-)(-)「…トッモに言うたらそんなん最近よくあることじゃん言うからな
よくあってたまるか!おまいはバンドの事しか考えてない奴やさかいなと
ケンカになったんやそれで今会いとうないんや」
master「ハハハ、しょうがないな」
彡(-)(-)「は~、なんなんやろうねもう気がめいるわな」
彡(゚)(゚) 「は?なんや」
master「あるお姫さんが自分の一族と何十年もの間山の中のお屋敷に蟄居させられる物語だ」
彡(゚)(゚) 「はァ蟄居?」
閉門の上、自宅の一室に謹慎させるもの。
幕府や領主などから命じられて行う場合と、命じられる前などに自発的に自宅で謹慎する場合もあった。
江戸時代には蟄居・蟄居隠居・永蟄居(解除なし)などに分けられていた。また、減封などが付加される場合もあった。
彡(゚)(゚)「そんなんあるんか?」
master「これでも文学青年だったからねェ…昔はハハハ」
彡(゚)(゚)「でどういう話なんや?」
「なんか飲む?」
彡(^)(^) 「そうさな、や、それよりまず腹ごしらえをば」
master「ハハハ図々しいやつだな、まいいかなんか作るか俺も腹が減ってきた」
彡(^)(^) 「ここの焼うどんでええで、ワイ好きなんやあれ」
土佐藩家老野中兼山が失脚して死ぬと、藩政を握った政敵たちは
当時わずか四歳であったヒロイン婉たち一族を兼山の遺族を宿毛へ閉じ込めた
その時婉(4歳)、弟(5か月)、妹(3歳)、姉(7歳)、姉(18歳)、次兄(15歳)、
三兄(8歳)、長兄(16歳)、母と乳母で子女8人、母4人であった…
赤ん坊の弟はかごに入れられて婉は乳母に手を引かれての道中であった
一族の入る獄舎は本成寺の麓にあった
茅葺の孤屋は周りを高塀と竹やりに囲まれてその外に警備の番氏が小屋に詰めてい、
竹やりは軒端を覆うほど高く組まれ、何年かたって朽ちてくると新しく組み替えられた…
人里は遠く離れてい、罪人の住むこの谷あいを皆は恐れて誰も通らなかった…
男子の係累が死に絶えるまでの40年の間、赦免が解かれることはなかったのだ
master「そう、婉エンさんは4歳から実に44歳までの間、一歩もその屋敷から
出してもらえなかったというわけだ…その家族もみんな」
master「男は全員死んで女だけ生き残ったんだ、一度嫁に出たことのある長女を除いて」
だから最後の一番下の弟が亡くなるまで続けられたわけだ
残ったのは女だけその時ヒロインはもう44歳で乳母は65歳」
彡(゚)(゚) 「…すると乳母さんは入った時はまだ若かったんやね」
幽閉時もその後も主人公のために最後まで尽してくれる偉い女性なんだ」
彡(-)(-)「なるほどなぁ…その乳母さんがいるからこそ耐えられたんかもしれへんのな」
master「しかもこれは作者の郷里が舞台の実話に基づいて書かれているからなぁ…」
彡(゚)(゚)「次兄(15歳)、 三兄(8歳)、長兄(16歳)…コイツらもずっと一緒に居ったんやろ? 」
「なんか問題とか起きんかったんか?」
master「あった、長男は皆に学問を教えて理性的だったけど次兄が抑えが利かなくなって
妹たちに襲い掛かっちゃったんだなぁこれが」
彡(^)(^)「お エ口まんがやんけ♪(不謹慎)」
彡(゚)(゚)「はぇぇなんやつまらん」
master「まぁこれはそういう内容じゃないからね」
「でもヒロインは理性などなくなってみないっそそうなってしまえばいいと
心の中では成長するにあたって願っていたようだけどね」
master「芯のしっかりしたヒロインにほぼまかせていたよーなもんだよ
放免にされた後も、お婉エンさまにまかせますって」
彡(゚)(゚) 「ま○こは頼りないもんやねやっぱ」
「で、放免された後はどないしたんや?」
薬剤などを拵えながらつつましく暮らしたのさ…生きる強さがある人だから
彼女につかえる使いの若い男だとかもいろいろと出て来てたけど」
彡(゚)(゚)「ほぅ…若い男?」
master「蟄居時から外界の人間との手紙などを通達してくれる百姓出の青年もいたんだよ」
master「年はかなり離れてはいたけれどうすうす憧れてはいたんじゃないかと」
彡(゚)(゚)「…へぇ、マザコン的な?かな」
隠していたけどヒロインもこの青年にそういう思いはあったと思うが」
彡(゚)(゚)「ウマくいかなんだか?」
master「ああ、その後もいわば師弟関係のようなものは続いていたようだがな」
master「ああ、乳母もね…でも蟄居中一度はどこぞのお偉い人から声をかけられてた話もあるけど」
彡(゚)(゚)「ほえ?!受けなかったんか?!」
master「病弱なお殿様の跡継ぎを生まさせようと考えていたらしいけど…」
彡(゚)(゚)「断ったんか?」
master「ああ、お断りしたんだ」
乳母と丸薬など拵えながらひっそりとした慕われながら生きつづけたのさ」
彡(゚)(゚)「で妹たちはどーなったん?たしかふたりいたようだけど」
master「風の頼りで何年か後、亡くなったようだけど…」
獄中を出て18年、私はそして61歳になった
こうしてここに独り生きている、これからも生きてゆく
master「と、終わるんだ…」
master「結構飲むんだな、氷いる?」 カラカラン
彡(゚)(゚)「ノド乾いてな、いらんで」
彡(゚)(゚)「ふぁぁ、結局朝までいてしかったなや」
master「いいよ別に、この後買い出しに行くから付き合うか?」
彡(゚)(゚)「…いや、いいトッモんとこ寄ってくわ」
彡(゚)(゚)「…い、いやまぁ用があったからンゴゴ」
彡(゚)(゚)「…マスター、世話んなったなまた来るで!」
彡(゚)(゚)「…あ、ああまぁ気が向いたら~な」
master「そういうな、皆ここでそれなりに生きてるんだし俺も」
彡(^)(^)「ま、それもそうやねじゃ行くわなばいなら」
通りにはゴミ溜めによくみるワンコがウロついていた
アイツもここの常連なんやろうと思いながら歩いた
-fin-
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