http://famicoroti.blog81.fc2.com/blog-entry-2969.html某ショップで買う気満々だったリンクスがとんでもない代物だった件
◆リンクスの思い出◆ それは1992年頃の話――
高校生のとき、オタクの友達が学校へ謎の黒い携帯ゲーム機をを持ってきた。
アタリコープ社というメーカーが1989年にリリースした
携帯ゲーム機「Atari Lynx(リンクス)」である。ゲームボーイでテトリスをやったことある程度だった私にとって、その携帯ゲーム機は大きさ、カラー液晶、ゲーム内容、何もかもが衝撃的だった。
とにかく「California Games」というソフトのサーフィンのやつが面白くて、面白くて、授業が終わる毎に、狂ったようにやっていたものだ。
画像:Atari Lynx - California Games "Surfing" [Epyx] 1991 - YouTube しかしある日、そのオタクの友達がたまたま学校に忘れて帰ってしまったとき、リンクスは机の中から忽然と消え去っていたのだった。そいつは
「くそー、盗まれたー」と悔しがっていたが、真相は今となっては闇の中である、、、
◆あえて潰れているようなデザイン!?◆ そんなほろ苦い思い出もあってか、リンクスは私の
「いつか手に入れたいゲーム機ランキング」で常に上位ランクインしているハードなのだが、その希少性からプレミアが付いており、なかなか手を出せないでいた。すると先日、旅先で某ショップへ立ち寄ったとき、箱付でお手ごろ価格なリンクスに遭遇したのである。
ついに出会ったー!!
もしかしたら持ってるひとなら、この上の写真だけですでに違和感を抱いたかもしれない。舞い上がっていた私には、というか、そもそも箱をまじまじと見たことのない私が、そのようなディテールに気づくわけもなかった。
さっそく中を見せてもらおうとカウンターへ持って行く。するといっしょに旅をしていた仲間から
「箱の角が変じゃない?」との指摘を受けた。
言われてみれば角は潰れているというよりも、
あえて潰れているように見せかけているようなデザインだと思った。海外のゲーム機だし、そういうもんなのだろう。そんなことより早く、中を見せておくれ!
◆さすがに違和感を抱く◆ 箱を開けると中には発泡スチロールに挟まれた本体と説明書が入っていた。
すぐさま動作チェックを所望。店員さんが電池を用意している間に説明書を取り出すと、明らかに
コピー用紙に印刷したような粗末なものが出てきた。「素人がつくったみたいだな」思わず口に出たものの、説明書のコピーなどファミコンにはよくあることだし、不思議なもんでまったく気にならなかったのだ。
しかし本体に電池を入れてスイッチオン。ウンともスンとも動かない。もしかしたらカセットを挿さないと動かないのかもしれないが、残念ながらこの店にはカセットが1本もなかったのだった。どうしよう。あーあ、死ぬほど悩む。高校生のとき夢中になったサーフィンのやつ。長い間
ゲーム名すらわからなかったサーフィンのやつ。いつかリンクスを手に入れ遊び倒してやろうと夢見ていたサーフィンのやつ、、、
遠路はるばる辿り着いた某ショップで、少し頑張ればGetできる金額。ゲームソフトはあとからどこかで買えばいい。まずは本体がなければ意味がないんだし。でも万が一、不動品だったら返品するのは距離的にいってほぼ不可能だ。あーあ、死ぬほど悩む。そんなこと思いながら、ふとひっくり返ったフタに目をやると、、、
私は箱のつなぎ目が明らかにおかしいことに気が付いたのだ。
え、そもそも、つなぎ目って何だよ!?
よく見たら箱の構造が違うじゃん、、、
これ、
誰かが勝手につくったコピー品じゃないかっ!
◆手作りの箱の謎◆ 買う気満々だった私が正気に戻った瞬間である。
この箱はオリジナルの箱をコピーしたものをダンボールに貼り付けただけの代物だったのだ。説明書のコピーやゲームそのもののコピー品なら(残念ながら)よく見かけるものの、箱をコピーしたものがお店で売ってるところを見るのは始めてだった。しかも
どこにもそのような注意書きがないからタチが悪い。
ただし、私には怒りのような感情は湧かなかった。そんなことよりも
いったい誰が、どんな目的でこんなもの作ったのだろうかという好奇心が先行してしまったのである。
この発砲スチロールも手作り品か!? 箱や説明書をコピーできるということは、オリジナル品を持っていて、コピー品をつくったあと、箱だけ売ってしまったのか。それとも箱ごと売って、あとから本体のみ入手したのか。あるいは2台持ちで1台は箱なしだったので、コピー品をつくったものの不要になって売り払ったのか。もしくは、業者による組織的な犯行か、、、
ついつい謎解き大好き人間の性分が出てしまったのだ(笑)
結局、釈然としないまま私はその店をあとにした。みんなも
“旅先で気が大きくなってるときに探してたやつを見つけて買う気満々になっちゃって違和感とかにまったく気付かなくなっちゃうやつ”には気を付けてね!
| | まだまだ修行が足りんなあ |
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すっとぼけ。近くにあるゲームギア本体のキャンペーン品には、箱手作りと書いてたはず…これも手作りする意味があるのかと思うところ。あのショーケースのはおそらくほぼ一人の人が大量に持ち込んでると思われるので、その経緯自体も謎多いんですよね。ツインFCとか改造済紅白FCとか、あれものはず。コレクターなのか、転売の果ての何かか考えさせられるところもあります。
にしても店の人が、私はゲームに詳しいと思っちゃうと、はまり込んでしまう罠なのかな?見抜けないってのは痛いですね。
あとソフトはですね、実は吊るしであったはずです。階段あがってのすぐの三角台に。体格の良い店長さんは休みだったのかな。