地の四天王「光の勇者よ! 雌雄を決する時が来た!」
光の勇者(以下、勇者)「地の四天王!? くっ、本気なのか!?」
地王「言うまでも無い! 俺には時間がないのだ!」
勇者「待て! 一体、何があった!?」
地王「闇の魔王様、水の四天王、風の四天王……」
地王「酔ってヤっちゃった事がバレている気がする!」
勇者「それは時間が無いな!?」
地王「皆が、力を高めているからだ!」
勇者「!? お前を殺すためにか!?」
地王「いや……そうではなくな?」
地王「今晩、俺を除く四天王の三人と魔王様でな」
地王「……女子会をやるそうなのだ」
勇者「高めてるのは女子力じゃねえか!!」
勇者「……ああ、サラッと言う事じゃないけどな」
地王「それでな……奴め……!」
勇者「風の四天王が……バラしたのか」
地王「男装をやめ! なんと、スカートを履いてきたのだ!」
地王「スラリと伸びた足が、まだ目に焼き付いているわ!」
勇者「だから、どうした!?」
勇者「魔王に、火と水の四天王も居た時にか!?」
地王「会議の場だ、居るに決まっているだろう」
勇者「お前、なんっ……!? 何だ!?」
地王「良いものは、キチンと良いと褒める!」
地王「それが出来ぬ程、俺は狭量では無いわ!」
勇者「時と場合ってもんがあるだろうが!!」
勇者「だろうな!」
地王「だが、問題はその後なのだ」
勇者「……やめろ、聞きたくない」
地王「見ろ、右手の小指と、左手の薬指の痣を」
地王「それと、後ろ髪が少し焦げている」
勇者「だからって見せるなよなあああああ!!」
勇者「まあ……風の四天王は、今まで男の格好をしてたしな」
地王「ああ……女だけで集まって、となっても……」
勇者「……おかしくないな」
地王「その時! チラリと!」
地王「チラリと、全員が俺の事を見たのだ!」
勇者「……」
地王「……バレている気がすると言っただろう?」
勇者「!……そう言えば」
地王「……最近、な」
地王「――本当の気持ちはわかっている」
地王「そんな言葉を全員に言われたのだ」
勇者「……!」
地王「光の勇者よ、俺の本当の気持ちとは何だ!?」
勇者「頼むから! ここで自分探しをするな!」
地王「わからん……何が、わかられているのだ!」
地王「俺は……俺は、恐ろしい!」
地王「何故! 何故、俺は酔ったらヤっちゃうのだ!」
勇者「俺はお前が酒をやめないのが恐ろしいよ!」
勇者「バレてるにせよ、バレてないにせよ……」
地王「……俺には、地獄が待っているだろう」
勇者「まあ……当然と言えば、当然の報いだな」
地王「――時に、光の勇者よ」
地王「お前は、祝福の聖女と剣の乙女とは、どうなのだ?」
勇者「……」
勇者「はっ!?」
地王「どちらか、もしくは両方とヤっちゃってるのか?」
勇者「そんな訳があるか!」
地王「何!? それは本当か!?」
勇者「当たり前だろう!」
勇者「あの二人は、大切な旅の仲間だ!」
地王「……ふむ」
勇者「いや……可愛いし性格も良い、守ってあげたくなる子だ」
地王「俺の見た所では、お前を慕っているぞ?」
勇者「まあ……それは、俺もわかっているが……」
勇者「……その、何だ」
勇者「宗教関係の子は……な? わかるだろ?」
地王「……ふっ、それでこそ俺の見込んだ男よ」
地王「ああ、我慢出来ぬ時もあっただろう」
勇者「でもな……あの子は、女神に最も愛されてるんだ」
地王「そうでなければ、祝福の聖女ではないしな」
勇者「良い雰囲気になった時は特に、な」
勇者「こう……俺も、視線を感じるんだ」
地王「見守っているのだなぁ」
勇者「まあ……綺麗だし優しいし、尊敬出来る人だ」
地王「うむ、それに強い」
勇者「……本人には、絶対に言うなよ?」
勇者「あれだけ好条件が揃ってて……キスもまだらしい」
勇者「これは、何か恐ろしい闇が潜んでいるんじゃないか、とな」
地王「……ふっ、勇気と蛮勇を履き違えぬ思慮深さだ」
勇者「考えてもみろ? 闇を……はい、払いました!」
地王「うむ! 天晴!」
勇者「そこで目に入るのは、俺とあの人の年齢差だ!」
勇者「今は! 10年、20年は良い!……だが! 40年、50年後!」
勇者「闇を払った未来に、希望が待ち受けているとは思えないんだ!」
地王「勇者らしからぬ言葉よなぁ」
勇者「……本気、みたいだな」
地王「ああ、その通りだ」
勇者「俺の命を手土産に有耶無耶にしよう……って所か」
地王「? 何を言っているのだ?」
地王「お前の首を持って行っても、俺の首が隣に並ぶだけだろう」
勇者「……」
勇者「はっ?」
地王「む? どうした?」
勇者「地の四天王、お前の目的は何だ!?」
地王「考えも見ろ、光の勇者よ」
地王「光の勇者という、リーダー」
地王「祝福の聖女という、回復後衛」
地王「剣の乙女という、物理前衛」
勇者「……おい」
地王「あと一人居たら、もっとバランスが良くなるな?」
勇者「おぉい!?」
地王「安心しろ、俺の配下の者は優秀だ」
勇者「お前の領地の心配なんか微塵もしてねえよ!」
地王「ほとぼりが冷めるまでだ! な? なっ?」
地王「それに、書き置きは残してきた」
地王「俺より強いやつに会いに行く……とな」
地王「これで、俺がどこへ行ったかわかるまい!」
勇者「滅茶苦茶相手が限られてるじゃねえか!!」
勇者「駄目だ! 絶対に駄目だ!」
地王「俺を倒した事にしても良いぞ? おっ、それが良いな!?」
勇者「魔王と四天王三人が本気で俺を殺しに来るわ!」
地王「情けないぞ、光の勇者よ!」
地王「目の前の命を救えずして、世界が救えると思っているのか!」
勇者「救われる側が言う台詞じゃねえよ!!」
地王「確かに、この俺の肉体は鋼の様に鍛え抜かれているな!」
勇者「バレなかったとしても、二人が嫌がる!」
地王「確かに、この俺のセクシーさは色々と混乱を招くだろうな!」
地王「だからこそ! 光の勇者よ!」
地王「――雌雄を決しに来たのだ!」
勇者「……」
勇者「は?」
地王「戦いの時には、己が肉体をも鉱物と化すのだ!」
地王「――つまり!」
パァァ……
勇者「……おい……おい!!」
……ァァッ
地の四天王な美少女「――性別も、この通りなのだ!」
地の四天王な美少女「壁でも魔法後衛でも、任せて貰おう!」
勇者「……雌雄って……うん」
勇者「……」
勇者「誰でも良いから、助けてくれ!!」
おわり
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コメント一覧 (6)
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- 2018年11月10日 22:03
- また酔った勢いで……
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- 2018年11月10日 22:05
- つwwwwwづwwwwwいwwwwwたwwwwwwwwwww
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- 2018年11月10日 22:15
- 関係ない勇者のせいにされそうで怖い
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- 2018年11月10日 22:27
- あの娘さん恋バナ好きなのに、保護者の監視が厳しくて春が遠いのか。
乙女は幾つなの? 乙女何だからまだ10代だよね?まさか、30代で乙女名乗っているの?
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- 2018年11月10日 23:57
- これは酔った勢いで勇者と…からの更なる修羅場ですかね…
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味方にばれて引き渡されるのも時間の問題だな