171 名前:おさかなくわえた名無しさん[sage] 投稿日:04/02/26 22:17 ID:hdCkFicw
高校のとき、彼氏と自転車で二人ノリして帰っていたときのこと。
彼は工業高校で、はっきり言って頭は良くなかったけど、
石鹸の匂いがしそうなくらいさわやかでホント子供のような無邪気な人だった。
雨上がりで目の前に大きな虹が出ていた。そしたら彼が子供のように
「うぉぉ~虹だ~!!ヤバイ!!」と突然自転車でダッシュをかけ、あせった私は
「ど、どうしたの?」と訊ねると「虹の下には宝物が埋まってるんだよ!早くしないと虹が消える!」
と自転車ダッシュを止めない。反射的に出た私の言葉は
「ええ?虹なんか存在しないよ!宝物なんてあるはずないじゃん!」だった。
彼はピタっとこぐのをやめ「・・・え?」と止まってしまった。
私は駄目押しのごとく「小学校のときにプリズムで習ったじゃん、虹は雨とかの
水滴に光が反射して見えるだけで、いくら走っても追いつけないよ。」
彼は全く意味がわからなかったようでポカンとしていた。よせばいいのに
「ん~だからぁ、目の錯覚って言うか蜃気楼っていうか・・・とにかく存在しないんだよ」
そういうと彼は「え・・・じゃあ宝物があるって話は?」とまじめに聞いてきた。
「え?う~ん、現実問題、虹の下にはいけないから 作 り 話 でしょ。」
と私がいうと、ものすごくショックそうだった。いつも明るい彼があんな顔を見せたのは
初めてだった。「そうなんだ・・・。それって誰でも知ってるのかなぁ?」と
聞いてきて、そのときようやく私は彼が本気で、走ったら虹に追いつける&
虹の下に宝物があると信じていたことを悟り、あわてて
「誰でもは知らないんじゃない?わ、私も偶然こないだTVで見て知ったぐらいだから」
とめちゃくちゃな返事をした。
今でも虹を見ると、彼の夢を壊したことを思い出して切ない。
私があんなことを言わなかったら27になる彼は今でも信じてたかも知れない。

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