45「孫の手」は、棒の先に手のような形をしたものが付いていること、またその名前から、年寄りが自分のかわいい孫に背中を掻いてもらっている姿から呼ばれるようになったと思いがちですが、実は「孫」は全く関係ないんです・・





孫の手、実は美人仙女の手。「孫の手」の本当の由来は“孫”ではないんです


実はこの道具、もともとは「麻姑(まこ)の手」と呼ばれていました。

「麻姑」とは、中国の西晋時代の書『神仙伝』出てくる仙女の名前です。

漢の桓帝の時代、王遠という仙人がいました。その仙人がかつて修行の要領を授けた蔡経(さいけい)の家に下っていたのですが、しばらくして妹も呼んできました。その妹が麻姑でした。


・麻姑


麻姑はたいそうな美人であったそうですが、手の爪が鳥のように長く、蔡経は「この爪で背中を掻いてもらえたらどんな気持ちいいだろう」と思っていたそうです。ところが王遠はそんな蔡経の邪念を見抜いており「麻姑は仙人であるのにお前は何を考えているのだ」と叱ったそうです。

このような中国の故事から、届かないところを掻く道具のことを「麻姑の手」と呼ぶようになったようで、実際かつては引っ掻く爪の部分も今より大きくて長かったそうです。

ところが、それが日本に伝わると形が小さくなり、「孫の手」といわれるようになったのだとか・・


・孫の手で悶絶する灰色猫








・孫の手・森鴎外・おさらい・トリビア