光の勇者「地の四天王、戻って来るなよ」
勇者「……」
勇者「顔も見たくない、ってのは正直ある」
勇者「……」
勇者「地の四天王、本当に頼むぞ」
勇者「……お前が戻って来たら――」
勇者「――地獄が始まる」
祝福の聖女(以下、聖女)「ふんふん~ん♪」
聖女「……ふふっ!」
聖女(突然居なくなっちゃって……悲しかったけど)
聖女(でも――帰って、来るんだよね)
聖女(大地の魔女の……お姉ちゃん)
聖女(戻って来るの……楽しみだなぁ)
聖女「お姉ちゃん……闇の魔王さんとは、もう知り合いだから――」
聖女「――水の四天王さんも紹介したいな!」
聖女「それで、光の勇者様と、剣の乙女さんと……」
聖女「……私達の赤ちゃんと、皆で……えへへ///」
闇の魔王(以下、魔王)「……ふふっ」
魔王「地の四天王よ……まさか、余をも欺くとは」
魔王(隠れ潜む間、余の側近として傍に置こうとしていたのだが)
魔王(計画が露見せぬ様、念には念を……という訳か)
魔王(ふっ……余は、きっと引き止めてしまっただろうな)
魔王(……地の四天王よ)
魔王「――其方は、今何処に居る?」
魔王「嗚呼、何故……余は、こんなにも苦しい思いをせねばならん」
魔王「……戻ったら、この苦しみの代償を支払って貰わねば」
魔王「ふふっ……地の四天王――其方自身で、な」
水の四天王(以下、水王)「……ふぅ」
水王「地の四天王は……貴方は、まだ戻らないのね」
水王(けれど――待っていてくれ、必ず戻る)
水王(貴方がそう言ったらしいと……魔王様にお聞きしましたわ)
水王(皆の前では、戻ってこなくても良いと……虚勢を張るのが精一杯)
水王(けれど……次に貴方の顔を見た途端、涙が溢れてしまうでしょうね)
水王「――早く、戻ってきてくださいな」
水王「地の領地の民も、妹君も……祝福してくれますわ」
水王「……戻ったら、皆に二人で言いましょうね」
水王「私達が――愛し合っている、と」
剣の乙女(以下、乙女)「――閃!」
乙女「……少し、休むか」
乙女(お姉様……あんまりよ)
乙女(恋人である私と、顔も合わせず行ってしまうなんて)
乙女(……けれど、もし面と向かって言われたら)
乙女(……私は、無理にでも貴女に着いて行ってしまったでしょうね)
乙女「……大地の魔女のお姉様」
乙女「貴女の思惑通り――戻るまで、私が聖女を守るわ」
乙女「その役目が終わったら……きっと」
乙女「私達にも――愛の奇跡が起きるわよね」
火の四天王(以下、火王)「……はぁ」
火王「地の四天王……私の、愛しい人」
火王(パパは……ママと二人で叱り倒しておいたぞ)
火王(――言ってみたかった)
火王(……なんて、そんな理由だったんだからな)
火王(そもそも……婚約の話も、パパが最初に言い出したのに!)
火王「お前は……私を奪いに、単身乗り込んできてくれた」
火王「あの時の喜びが、今でも私に力を与えてくれる」
火王「……戻ったら皆に……剣の乙女に二人で言おう」
火王「地の四天王――大地の魔女は……火の四天王と結婚する、と」
風の四天王(以下、風王)「どれ、少し味見……」
風王「……少し薄いけど、その方が良いかな」
風王(――お前は、良い嫁になりそうだな!)
風王(地の四天王……君は、恐ろしい男だよ)
風王(まさか、この僕が……料理の練習をするだなんて、ね)
風王(それもこれも……全部、君が悪いんだ)
風王「君を逃さないための風の結界に気づいていながら……」
風王「僕にあんな言葉をかけた意味が……わからない筈、ないだろ?」
風王「ははっ! エプロン姿は……気に入ってくれるかな?」
風王「君が戻ったら……誰を犠牲にしてでも、二人で居ようね」
勇者「……お前がきっかけで、結ばれた友情もあった」
勇者「……」
勇者「それが無ければ、俺と聖女も……ただの仲間のままだった」
勇者「……ああ、驚いたよ」
勇者「――勇者様が浮気しても、私は怒りませんよ」
勇者「――全身の毛穴から血が吹き出し、激痛で発狂しますから」
勇者「……感謝はしてるさ! ああ、凄くしてる!」
勇者「だけど……何か……! 何かなぁ!?」
勇者「……」
勇者「お前が戻ってきたら……全部、終わるんだ」
勇者「……」
勇者「地の四天王よ」
勇者「頼むから……帰って来ないでくれ……!」
勇者「それが……俺の望みだ……!」
地の四天王(以下、地王)「帰りたい! 今すぐにでも、帰りたい!」
地王「ええい、何なのだこの島は!」
地王「何故、溢れんばかりの聖なる力に包まれている!」
地王「おかげで、思念波も全く使えん!」
地王「伝説の、妖精達の楽園でもあるまいに!」
地王「泳いで離れようとしても、島の反対側についてしまう!」
地王「これでは、島から離れることすら出来ぬではないか!!」
地王「まあ、確かに? 素晴らしい場所ではあるが?」
地王「俺は――」
地王「――肉が食いたい!」
地王「それに何より――酒が飲みたい!」
地王「どちらも無い島でなど、バカンスにならんわ!」
地王「……ええい!」
地王「魔法で、島を海の底に沈めてやろうか!」
地王「あのでかい樹が……恐らく、島の中央か」
地王「……何とも見事な」
地王「もしもこの島が妖精達の楽園ならば……あれは世界樹か」
地王「まあ、だからどうしたという事も無いな!」
地王「俺は、一刻も早く酒が飲みたいのだ!」
地王「酒よ、待っていろ!」
地王「この地の四天王、すぐにでも舞い戻るぞ!」
第一部 おわり
全員の死亡フラグ立てての島流しENDです
続き書きたい人が居たら、書いちゃっておkです
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コメント一覧 (8)
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- 2018年12月04日 21:13
- は?
-
- 2018年12月04日 21:17
- ひ?
-
- 2018年12月04日 21:26
- ふ。
お疲れ様でした。投げ出さず最後まで書ききったことは非常に素晴らしいと思います。
わかりやすく話が纏まっていた点も善かったです。厳しい視点だとこれからですが。
落ち着いたら、新しい話を期待させて下さいね。THANKFUL FOR YOUR PRESENT!
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- 2018年12月04日 21:33
- うん
本当に戻ってくるな
更新にこのシリーズのタイトル見かけるたびウンザリしてたんだよ
-
- 2018年12月04日 21:45
- https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1540900012/703-704
>まとめも全部消してくれると嬉しいです
>これは載って良いレベルじゃない
結局作者のレス無視して全部まとめたのな
-
- 2018年12月04日 21:57
- >>4
本当に下らない真似をしてくれますね。
寛容さの欠片のない底辺の方が目障り。
-
- 2018年12月04日 22:47
- まとめのコメ欄ごときでコテ名乗ってる方が目障りだわ(笑)
どんだけ自己顕示欲強いんだよ
-
- 2018年12月04日 23:33
- 何気に毎回更新を楽しみにしていたから、うやむやで終わるのは勿体無いなぁ。
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