喪黒福造「あなたは、どうしても男の機能を回復させたいんですね?」 IT企業社長「それが私の一番の願いですよ!!」
ただの『せぇるすまん』じゃございません。私の取り扱う品物はココロ、人間のココロでございます。
この世は、老いも若きも男も女も、ココロのさみしい人ばかり。
そんな皆さんのココロのスキマをお埋めいたします。
いいえ、お金は一銭もいただきません。お客様が満足されたら、それが何よりの報酬でございます。
さて、今日のお客様は……。
亀井塔一郎(49) IT企業社長
【絶倫ニンニク】
ホーッホッホッホ……。」
サースデー「虎ノ門44・高峰姫乃、Vウイング・亀井塔一郎社長とお泊りデート発覚」
雑誌には、女性アイドルと中年実業家が手をつないで道を歩く写真が載っている。
中年の実業家は、スーツにノーネクタイで整った顔立ちをしている。
テロップ「亀井塔一郎(49) IT企業『ヴァンガードウイング』社長」
雑誌の本文「亀井社長は、ヒルズ系IT長者として成功した経営者だが、一方で彼は遊び人として有名な人物でもある」
「高峰姫乃がいくら弁解しても、亀井氏との密会は『李下に冠を正さず』と言われても仕方がないだろう」
喪黒「…………」
夜。居酒屋チェーン店。アイドルグループ『虎ノ門44』のメンバーたちが、食事をしている。高峰姫乃も仲間に加わっている。
姫乃「あの夜の出来事は、本当に傑作だったよ!亀井のアソコ、フニャフニャなままだったんだから!」
テロップ「高峰姫乃(20) アイドルグループ『虎ノ門44』メンバー」
姫乃「そうだよ。亀井の奴、どんなに頑張っても、アソコが立つことはなかったんだよ!」
「しまいに、あいつは『今夜のことは内緒にしてくれ』って言って、あたしに大金を渡したんだ!」
アイドルB「うわぁーー、ウケるぅーー!!亀井ってマジで情けない奴じゃん!!」
アイドルC「亀井のモテモテ伝説の真相って、そういうことなんだろうねぇ!!」
一同「ギャハハハハ!!!」
『虎ノ門44』のメンバーたちは、両手を叩きながら下卑た笑いをしている。
数日後。ヴァンガードウイング本社ビル。廊下を歩く亀井社長。社員たちが一斉に、亀井に挨拶をする。
道路を走る黒塗りの車。雇われ運転手が運転し、後部座席には亀井が座っている。
亀井「大学病院まで行ってくれ」
運転手「は、はい……」
医者「亀井様。あなたの症状は、典型的なEDに当てはまるものです。つまり、勃○不全ですよ」
亀井「前から、薄々分かってはいましたけど……。医者からそれを直接告げられるのは、精神的にこたえますね」
夜。ホテルのバーで、亀井が女性と酒を飲んでいる。
朝美「私、そろそろ亀井社長と別れようと思っていますが……」
テロップ「桜内朝美(36) アナウンサー、ワシテレビ所属」
亀井「ど、どうして急にそんなことを!?」
朝美「だって、ここのところのあなた……。私を満足させることができませんからね……」
亀井「で、でも……。俺のあの症状は、いつか必ず改善するはず……」
朝美「立たなくなったあなたは、金を持ってるだけのただのおっさん……。だからもう、あなたに興味はありません」
一緒にエレベーターに乗る喪黒と亀井。2人はそのまま、ホテルを出て街を歩く。
喪黒「あのぅ……、もしかして、あなた……。亀井社長ですか?」
亀井「ええ。私が亀井ですけど……」
喪黒「私はさっき、あのホテルのレストランで食事をしていたのですよ」
亀井「そうなんですか。私もあのホテルにいたんですよ。知り合いとバーでお酒を飲んでいて……」
喪黒「そのことなんですけどねぇ……。あなた、どことなく浮かない顔をしているでしょう。何があったんですか?」
亀井「い、いや……。別に変わったことは何もありませんよ」
喪黒「本当にそうなんですか?もしかすると、付き合いのあった女性にフラれたのでは……?」
亀井「そ、そんなことはありません!!」
喪黒「それどころか、あなたには重大な悩みがあるようですねぇ。男にとっては極めて深刻な悩み……」
「おそらく、EDに悩んでいらっしゃるのではないですか?」
喪黒「いやぁ……。仕事柄、長年、人間観察を行ってきた賜物ですよ。何しろ、私はこういう者ですから」
喪黒が差し出した名刺には、「ココロのスキマ…お埋めします 喪黒福造」と書かれている。
亀井「……ココロのスキマ、お埋めします?」
喪黒「私はセールスマンです。お客様の心にポッカリ空いたスキマをお埋めするのがお仕事です」
亀井「なるほど。あなたはセールスマンなんですか……」
喪黒「どちらかと言うと、ボランティアみたいなものですよ。何なら、私があなたの相談に乗りましょうか?」
BAR「魔の巣」。喪黒と亀井が席に腰掛けている。
亀井「私は、自他共に認める女好きなんですけどね……。よりによって、大事なアソコが立たなくなってしまったんです」
喪黒「社長……。EDは、非常に身近な症状ですよ。何しろ、日本の成人男性の4人に1人がED患者ですから……」
亀井「4人1人……、そんなにいるんですか!まさか自分がEDになるなんて、夢にも思わなかったですよ」
亀井「はい。生卵をすすったり、市販の精力剤をあれこれ試したり……。いろいろ手段を試しましたね。それでも……」
喪黒「仕方ありませんよ。EDになったことを悲観せず、長期的に症状と付き合っていくべきではないですか?」
亀井「そうは言ってはいられません!!私にとっては、人生の一大事ですよ!!」
喪黒「社長。あなたは、どうしても男の機能を回復させたいんですね?」
亀井「それが私の一番の願いですよ!!あなたも男なら、私の気持ちが分かるでしょう!!」
喪黒「……分かりました、社長。そんなあなたのために、いいものがありますよ」
喪黒は鞄から何かを取り出す。机の上に置かれたのは、クリーム色の錠剤が詰まった小さな瓶だ。
瓶には、『絶倫ニンニク』のラベルが貼られている。
亀井「これは……」
喪黒「特殊な精力剤ですよ。名前は『絶倫ニンニク』です」
「ニンニクのエキスを使った精力剤であり、まさに究極の精力剤と言っても過言ではありません」
喪黒「もちろん、効果は本物ですよ。なぜなら、ニンニクは精力増進の食べ物として有名だからです」
「ニンニクに含まれる数々の栄養素は、どれもが精力増進に効果をもたらしてくれます」
「例えば、アリインには血管拡張作用がありますし……。亜鉛には性機能向上作用があるのです」
亀井「そうなんですか……」
喪黒「それだけではありません。ニンニクの成分にあるアルギニンは、成長ホルモンやコラーゲンを分泌してくれます」
「さらに、ニンニクの中のビタミンB1やビタミンB6は、体力増強や疲労回復の効果もあるのです」
亀井「ニンニクの栄養分って、思った以上に多くの効果があるんですね……」
喪黒「この錠剤を毎日飲み続ければ、あなたのEDは間違いなく治りますし……」
「それどころか、今までよりも元気な肉体を手に入れることだってできますよ」
亀井「私のEDが治り、身体も前より元気になる……。それが本当なら、まさに夢の精力剤ですよ!」
喪黒「よろしかったら、この『絶倫ニンニク』を無料でプレゼントしますよ」
亀井「えっ、いいんですか!?こんな高そうなものを、無料で貰うなんて……」
「その代わり、『絶倫ニンニク』を服用する際は約束していただきたいことがあります」
亀井「約束!?」
喪黒「そうです。錠剤の服用は、あくまでも1日1粒を限度としてください。いいですね!?」
亀井「わ、分かりました……」
朝。ゴルフウェアを着た亀井が、運転手付きの車に乗っている。
『絶倫ニンニク』の錠剤を、ペットボトルの水とともに飲む亀井。
亀井(まずは、錠剤の効果を試してみるか……)
ゴルフ場。知り合いの経営者たちとともに、ゴルフを行う亀井。
亀井が振り下ろしたクラブが、ボールに命中する。金属音を立てて、勢いよく飛んでいく打球。
経営者A「亀井さん、前半のハーフが42とは……。なかなか、やりますね」
亀井「いやぁ、今日のスコアはまぐれですよ」
経営者B「それにしても、見事なショットを連発していますねー。亀井さん」
亀井(今日の俺は、いつもよりも身体の調子がいい……。もしかすると、『絶倫ニンニク』のおかげかもしれないな)
夜。とある歓楽街、キャバクラ。スーツ姿の亀井が、キャバ嬢たちと酒を飲んでいる。
キャバ嬢A「亀井さん、『虎ノ門44』のアイドルとお泊りデートをしたそうですね」
亀井「ああ、そうだよ。週刊誌があれこれ言ってるけど、後は君たちの想像に任せてくれ」
キャバ嬢B「亀井社長って相変わらずモテモテですよねぇ。女性にモテる秘訣は一体何なんですか?」
亀井「あえて言うなら、心と身体に若さを保つことかな?思春期のころの中学生のような……」
亀井「ハハハハ……。まあね……」
キャバ嬢A「それなら、私の身体で試してみたらどうですか……?」
キャバ嬢Aが、亀井の身体へしなだれる。
深夜。とあるホテル、客室。ベッドの上には、亀井とキャバ嬢Aが全裸で横たわっている。
笑みを浮かべる亀井。汗だくとなり、ぐったりした様子のキャバ嬢A。2人は、一連の行為をすでに終えたようだ。
キャバ嬢A「亀井さんがこんなにすごいなんて……。私、知らなかった……」
亀井(俺の男の機能が戻ってきた!どうやら、『絶倫ニンニク』の効果は本物だったようだな……!)
BAR「魔の巣」。喪黒と亀井が席に腰掛けている。
亀井「喪黒さん!『絶倫ニンニク』のおかげで、私はEDを治すことができました!」
亀井「それどころか、私の身体は前よりも体力と気力に満ち溢れているんです!」
「何しろ、この間はゴルフのハーフで80切りを実現したくらいですから!」
喪黒「どうです?『絶倫ニンニク』の効果は本物だったでしょう?」
亀井「はい!『絶倫ニンニク』は、男として私を立ち直らせてくれました!」
喪黒「ほう……。そのご様子からすると、あなたは女遊びを再開したように見えますねぇ」
亀井「もちろんですよ。女遊びは、私のライフワークと言っても過言じゃありません」
喪黒「ですが、性欲に溺れて人生を狂わせてはいけませんよ。何事も、ほどほどが大事なのですから……」
亀井「それは、私も承知していますよ。あなたに言われるまでもありません」
喪黒「『絶倫ニンニク』に頼るのもいいですが……。肝心なのは、男としての自信と、人間としての理性を持つことですよ」
亀井「ええ……。そりゃあ、もう……」
朝美「こんなところに私を呼び出して、何のつもりなんですか?」
亀井「教えてあげましょうか?俺の男の機能が、めでたく回復したんですよ」
朝美「その話、本当ですよね?」
とあるホテル。ベッドの上には、ガウン姿の朝美が横になっている。
一方、ガウン姿の亀井は、『絶倫ニンニク』の瓶を持ったまま洗面所に行く。
亀井(今までの女遊びは、『絶倫ニンニク』のおかげで何とか乗り切ってきた)
(しかし、本命の女が相手となると、どうしても緊張と不安が残るな……)
瓶のふたを開け、錠剤を3粒取り出す亀井。
亀井(これだけ飲めば、俺のアソコは間違いなく立ってくれるだろう……)
亀井は、3粒の錠剤を一気に飲み干す。客室に戻る亀井。彼はガウンを脱ぎ、朝美の身体の上に覆いかぶさる。
朝美「も、もうダメっ……!!」
ヴァンガードウイング本社ビル。
社長室。下半身が丸出しのまま、椅子に座る亀井。椅子の隣のゴミ箱は、ティッシュで満杯になっている。
女性秘書が社長室のドアをノックする。ノックの音に気付き、慌ててズボンをはく亀井。
社長室に入る女性秘書。何事もなかったかのように振る舞う亀井。
秘書「社長。喪黒福造という方がご面会です……」
社長室に入る喪黒。亀井と喪黒はソファーに座る。
喪黒「あれから、お身体の具合はどうなっていますか?」
亀井「男の機能が戻ったのはいいんですけど……。それが……」
喪黒「おや?何か問題でも?」
「何しろ、私はさっきも社長室でマスターベーションをしていましたから……」
喪黒「ほう……」
亀井「この状態を放っておいたら、私は強○魔になってしまいますよ!!何とかならないんですか!?」
喪黒「亀井社長……。どうやらあなた、私との約束を破ったようですね!」
亀井「わ、私はその……!!」
喪黒「私は言ったはずですよ。『絶倫ニンニク』の服用は1日に1錠が限度だと……」
「それにも関わらず、あなたは限度を超えて錠剤を服用しましたねぇ!」
亀井「だ、だって……。本命の女性との性行為を控えていたから、自信が持てなくて……」
喪黒「もう手遅れです。約束を破った以上、あなたには罰を受けて貰うしかありません!!」
喪黒は亀井に右手の人差し指を向ける。
喪黒「ドーーーーーーーーーーーン!!!」
亀井「ギャアアアアアアアアア!!!」
亀井「ハア……、ハア……、ハア……、ハア……」
いったん立ち止まり、着ている衣服を全て脱ぎ捨てる亀井。彼は全裸になり、叫び声を上げる。
亀井「ウオオオオオオオオッ!!!」
再び歩き出す亀井。
廊下を歩く女性秘書。
女性秘書(社長の声がする……。一体、何が起きたんだろう?)
亀井の叫び声を耳にし、廊下の角を曲がる女性秘書。その時……。
女性秘書「あっ……!!」
異様なものを目にする女性秘書。何やら得体の知れぬ化け物が、女性秘書の前に立ちはだかる。
その化け物は人型だが、全身は真っ白な固体となっている。まるで、無数のニンニクが合体して肥大化したかのようだ。
そして、言うまでもないが……。化け物の股間には、ニンニク化した男性器が勃○した状態で付いている。
女性秘書「い、嫌……!!来ないで……!!」
恐怖心でいっぱいの表情になる女性秘書。ニンニク人間となった亀井が、女性秘書の上に覆いかぶさる。
女性秘書「キャアアアアアアアアアッ!!!」
女性秘書の悲鳴を聞きつけ、社員たちが次々と現場に集まる。異様な光景を目の当たりにし、愕然とした表情になる社員たち。
ヴァンガードウイング本社ビルの前にいる喪黒。
喪黒「人間は誰もが皆、性欲を持ち合わせていますし……。大人たちの多くは、満足できる夜の営みを心の底で望んでいます」
「しかしながら、性的な欲求や機能は加齢によって衰えるものであり……。性行為の満足は年とともに得難くなるものです」
「健康を保つためには、ある程度の性欲は必要ですし……。健全な性の営みは、お互いの愛を確認できる証にもなります」
「とはいえ、人間と動物の違いとは……。身体の中にある性欲を、理性の力でコントロールできるか否かなのですから……」
「コントロール不能な性欲に身体を支配されるようでは、動物と変わりませんよ。そう、ニンニク人間となった誰かさんのようにねぇ……」
「オーホッホッホッホッホッホッホ……」
―完―
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