「遺伝的な才能よりも金持ちの家に生まれた方が良い」大規模なゲノム研究による分析結果
環境が学習結果に大きな影響を与えることは、よく言われている事ですが、最新のゲノム研究からも、その傾向がみられました。
高所得の家庭で育った最も才能のない子どもは、低所得の家庭で育った最も才能のある子どもよりも、高確率で大学を卒業しているとのことです。
It’s better to be born rich than gifted
ニューヨーク大学の経済学者ケビン・トム氏は、113万1881人分の遺伝子データを分析し、1200の遺伝子変異が学業に関係していることを突き止めました。その結果、遺伝要素から学業成績を予測できる指標を割り出しました。
遺伝子スコア上位25%(学業的に優秀な潜在能力を持つ遺伝子)のグループでは、低所得の父親の場合は大卒率は24%、高所得の父親の場合は63%でした。所得による差がはっきりと出ています。
遺伝子スコア下位25%のグループでは、父親が高所得の場合は大卒率は27%。遺伝子スコア上位&低所得よりも高い結果となっています。
能力的なこと以外にも経済的に大学をあきらめるケースも多いと思われますが、専門家は「貧しく遺伝子スコアが高い人々の可能性が無駄になっている。彼らにとっても経済にとっても良くないことだ」と述べています。