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『ヤマノケ、八尺様、朽縄様、めかぁねこ、コイヌマ様、ムシャクル様』地方のマニアックな神々が妖怪化する | 不思議.net

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『ヤマノケ、八尺様、朽縄様、めかぁねこ、コイヌマ様、ムシャクル様』地方のマニアックな神々が妖怪化する

2018年12月23日:22:00

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コメント( 5 )



生まれ続ける妖怪

妖怪は何も江戸時代や明治時代に生まれたものではない。科学的な教育が行き届いた戦後においても妖怪は生まれ続けている。

昭和20年台の学校で流行った妖怪といえば赤マントであった。高度経済成長期の終わったあと日本で広まった妖怪といえば口裂け女である。これは最後の口伝えで広がった妖怪とされているが、一部メディアが関与している。

当時学生たちに人気のあった深夜ラジオにおいて、ハガキ投稿され、その情報が全国に広がったと推測されている。修学旅行による他校との交流や、盆・正月の他県に住む従兄弟との交流によって広がったとも言われるが、口裂け女は間違いなく口伝とマスコミの誘導型妖怪である。





メディアの妖怪への介入は、その後顕著になっていく。人面犬や花子さんの時代に移行していくのだが、これらの妖怪の伝播にもマスコミが深く関与している。人面犬はつのだじろう原作の「うしろの百太郎」に出てくる霊能犬ゼロが深く影響しているし、雑誌Popteenの投稿欄でも盛んに取り上げられた。一方トイレの花子さんはTVアニメになったり、児童書で取り上げられたりして時代の寵児となっていく。

その後、インターネット時代が到来し、ネット創成期にはくねくねとニンゲンが跳梁跋扈する。これらの現代妖怪は2ちゃんねるを代表する巨大掲示板の登場によって広く認知されるようになった。

同時期、東京スポーツや日本テレビのダウンタウンDXにて、ゴム人間が多くの人びとに知られる存在となっていった。ゴム人間の躍進は筆者が東京スポーツに寄稿した「明治神宮に参拝するゴム人間」の記事が大きく貢献しているのは言うまでもないだろう。



妖怪の系譜

これら戦後生まれた妖怪たちは、まったく現代の産物だとおもいきや、伝承妖怪の系譜を引いている。例えば、トイレに出没した赤マントは紫姑神の正当な末裔である。「わたし、きれい?」と聞いたあと、裂けた口を見せて驚かす口裂け女は小泉八雲の「むじな」における再度の怪の焼き直しにすぎない。人間の顔に獣の体をもち、「ほっといてくれ」と憎まれ口を叩く人面犬は人面を持ち、人々の前に姿を現し予言を残して去る「件(くだん)」が現世に蘇ったものではないだろうか。

学校のトイレに住み着き、児童を驚かすトイレの花子さんはこれまた紫姑神の子孫であり、学校という共同体に住み着いた現代の座敷わらしではないだろうか。

東北地方や北陸地方の田んぼの脇に出るくねくねは、農耕神が姿を変えたものである。南極海に姿を現し、テレパシーで船員と会話する巨大なニンゲンは海坊主や海座頭と全く同じである。これらの妖怪もまた、海上に巨大な人型として現れるものであり、お盆など禁漁期に船を出した漁師たちに話しかけて警告した。
このように、戦後生まれた妖怪たちはことごとく伝承妖怪の系譜をひいている。



ネット生まれの妖怪

ここ数年ネットでは新たな妖怪たちが生まれている。ヤマノケ、八尺様が人気の妖怪だが、ここ5、6年で洒落怖の掲示板などで新しい妖怪が生み出されているのだ。朽縄様、めかぁねこ、コイヌマ様、ムシャクル様などが人気を集めている。

これらの妖怪で特徴的なものがある。共通する特徴として、いずれも神が零落して妖怪化した零落神であるということだ。柳田國男が一つ目小僧その他で指摘したように、妖怪というものはもともと神々が信仰の対象としての役割を失い、零落したものであると言われている。

ここ十年ほどで生まれた妖怪は、この零落神の性質を強く残しているのだ。現在、日本各地では祠や社が蔑ろにされ、個人所有の屋敷神さえも放置されている状況だ。八百万神があちこちで没落して妖怪と化している状態であるといえよう。

たとえばヤマノケは山の神そのものであり、高速で移動し若い男を連れ去る八尺様は、山の神として崇められた山姥そのものである。近づく子供を骨抜きにしてしまう朽縄様は間違いなく蛇神であり、目を見たら視力が奪われるめかぁねこは猫神信仰を踏襲している。コイヌマさまは川沿いの社に祀られた川の神であり、ムシャクルさまは戦に敗れて死んだ者の御霊そのものである。



神々から妖怪へ

このように、ここ十年で生まれた妖怪は、パワースポットブームに乗りきれなかった地方のマイナーな神々が妖怪にモデルチェンジした可能性が高いといえよう。

これらの妖怪談には共通のモチーフがある。寂れた地方で禁足地あるいは禁忌とされた風習がある。これを破る今風の若者が現れる。それによって怪異が現れる。そして恐怖体験をしながらも救われるという顛末だ。

このテンプレートにしたがって、次から次へとマイナーなローカル神様が妖怪として生まれ変わっている状態となっている。その証拠に、現代妖怪は「○○様」という名前を付けられることが多い。

商売のうまい神様はパワースポットとして見事にセルフプロモーションをしているが、不器用な神様はネット掲示板により妖怪化され、畏怖されることにより品位を保っている。なんとも複雑な気持ちにさせられる昨今である。これからも現代の妖怪は生まれ続けるであろう。妖怪研究家としては生温かい目で見守っていきたい。

文:山口敏太郎



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コメント

1  不思議な名無しさん :2018年12月23日 22:10 ID:wMAYyB.D0*
論文としては0点。裏付けがなされてない。柳田国男の一つ目小僧の説以外の妖怪は、何を根拠に神々が零落したと言い切るのかが、そもそもなぞですね。
2  不思議な名無しさん :2018年12月23日 22:48 ID:Oiikhxc20*
神様も化物だから問題ない
3  不思議な名無しさん :2018年12月23日 22:52 ID:ljjfr60V0*
>>1
[ヒョウロンカキドリ]
山梨県 富士樹海
他の鳥が作った巣に難癖をつけ、攻撃する習性を持つ
しかし自分では巣を作らない
4  不思議な名無しさん :2018年12月23日 22:57 ID:krKb2jtr0*
ほとんど全部の項目に[要出典]付くなコレ
5  不思議な名無しさん :2018年12月23日 23:20 ID:8IJ9Ona70*
野獣先輩とかいうネット最凶の妖怪

 
 
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