真姫「サンタさんは居た」
凛「疲れた~」
花陽「寒いよぉ」
真姫「とりあえず、暖房つけるわね」
花陽「寒い寒い」
真姫「何よ」
凛「なんで凛とかよちんは真姫ちゃん家の別荘にいるのかにゃ?」
真姫「そんなのサンタさんに会いたいからに決まってるでしょ」
凛「本気で言ってる?」
真姫「私は常に本気だから」
ピッ
ゴォォォ
真姫「はい。暖房入ったわよ」
花陽「ふぃ~」
真姫「何言ってるの。私ひとりじゃ寂しいじゃない」
花陽「確かに、こんな山奥の別荘でひとりってのも」
真姫「でしょ。それに、二人もサンタさんに会いたいでしょ」
花陽(別に、っていいたいけど)
凛(言ったら泣かれそうだから黙っておくにゃ)
真姫「掛けたわよ。でも……」
花陽(断られたっぽいなぁ)
真姫「みんな用事があるから仕方ないって」
凛「凛達にも用事はあるよ」
真姫「サンタさんに会うっていうね」
凛「いや、そうじゃなくて……」
真姫「あのさぁ、二人には私の用事に付き合う義務があるわ」
二人「はい?」
凛「?」
真姫「ラーメンの大食い大会に参加したわよね」
凛「あー、うん。チーム戦だったからね」
花陽(私も参加したなぁ)
真姫「凛は私に『トマトの大食い大会がある』って騙して参加させたわよね」
凛「うん……」
花陽(「ご飯の大食い大会」って騙されたっけなぁ)
真姫「そのせいで体重が増えて、ダイエットも兼ねての海未の山登りに付き合わされて、散々な目にあったわ」
花陽(私も参加させられて酷い目にあったなぁ)
真姫「花陽。貴女もよ」
花陽「うぇっ?」
花陽「……」
真姫「花陽は私に『トマトの早食い大会があるから』って騙して参加させたわよね」
花陽「チーム戦だったからね」
凛「凛は『ラーメンの早食い大会がある』って騙された」
花陽「……」
真姫「そのせいで体重が増えて、衣装のサイズが合わないってことりに怒られたわ」
花陽「わ、私も怒られたよ……」
花陽「申し訳ないですぅ」
凛「ごめんにゃ」
真姫「あの時、付き合ってあげたんだから、私の誘いにも付き合いなさい」
凛「はい……」
真姫「大体さぁ、トマトマイスターの私ならトマト関係のイベントは熟知してるわよ」
凛(じゃあなんで騙されてるのかな?)
花陽(真姫ちゃんって、案外おバカなのかな?)
二人「はーい」
真姫「その後はまぁ、適当にしてましょ」
二人「はーい」
花陽「ちなみに凛ちゃん」
凛「んー?」
花陽「サンタさんっているのかな?」
凛「居るワケないにゃー」
花陽「だよね」
花陽「あー、でももしサンタさんが居たら?」
凛「海未ちゃんの登山に付き合ってあげるよ」
花陽「海未ちゃん居なくて良かったね」
凛「ほんとほんと」
♪~
凛「あっ、海未ちゃんから電話だ」
ピッ
凛「もしもし」
凛「は?」
海未『今、山登りしたいって思いませんでしたか?』
凛「別に」
海未『おかしいですね。何か凛の思考の電波のようなものを受信しまして』
ピッ
花陽「海未ちゃんから、なんて?」
凛「かよちん」
花陽「?」
凛「この別荘。盗聴されてるんじゃない?」
花陽「は?」
真姫「後はサンタさんを待つだけよ」
花陽「ほんとに来るのかなぁ」
真姫「来るわよ。ちゃんと暖炉のとこに、メッセージだって書いてあるし」
花陽(暗いと読めないような)
凛「ふわぁ~」
凛「だいじょぶ、だいじょぶ。誰も見てないから」
花陽(私達が見てるんだけどね)
凛「この前の絵里ちゃんみたく、大勢の前であくびはしないから」
真姫「あぁ、あれね」
凛「あれ見て、絵里ちゃんってポンコツって思ったにゃ」
真姫「絵里が居たらキレそうな発言ね」
凛「絵里ちゃん居なくて良かった♪」
♪~
凛「あっ、絵里ちゃんから電話だ」
ピッ
凛「もしもし」
凛「い、言ってないよ!」
絵里『ほんと!? なんか凛が私の悪口言ってる、そんな電波を受信したんだけど!』
凛「知らないよぉ!」
ピッ
真姫「なんか、絵里の怒号が聴こえたような気がしたわ」
花陽「凛ちゃん。何かした?」
凛「ねぇ、真姫ちゃん」
真姫「何よ」
凛「この別荘、盗聴器とか仕掛けられてない?」
凛「ほんとかなぁ」
真姫「別荘のセキュリティは万全よ。蟻の子一匹すら入れないくらい厳重よ」
花陽「じゃあ、サンタさんは入って来れないね」
真姫「……」
花陽「……」
凛「……」
真姫「花陽がいじめる」
花陽「えぇーっ!!」
凛も花陽も部屋へ引き上げて言った。
私?
そんなの、暖炉の前で寝ずの番。
ちなみクリスマスプレゼント何がいいって問いに
花陽は「超有名米1キロ」で凛は「幻の麺5食分」と答えた。
欲張りはいけないから私は「超高級トマト3個」をお願いした。
あんまり荷物が多いとサンタさんも大変だからね。
真姫「……」
真姫(まだかしら)
真姫「……」
真姫(部屋の灯り消してるせいか)
真姫「……z」
真姫(眠気が……)
真姫「……」
真姫「zzz」
ムクリ
凛「おしっこ」
花陽「zzz」
花陽「もう食べれないよ……ぐへへ」
シャンシャンン
「……」
(……)
ドスン
(!)
真姫「zzz……ヴェ」
(!!)
真姫「……zzz」
(……)
スッ
超高級トマト3個
「……」
スタスタ
ドンッ
「!」
「!!」
凛「トイレ……行く……どっち」
「→」
凛「あい」
「……」
スッ
幻の麺5食分
凛「あっ、はい……どーも」
フラフラ~
「……」
「……」
花陽「zzz」
「……」
スッ
超有名米1キロ
「……」
花陽「とぉー!!」
「!!」
花陽「……」
「!!」
花陽「……zzz」
「……」
ホッ
「……」
真姫「……」
「……」
(?)
「……」
サンタさんへ
「……」
カキカキ
花陽(おしっこ)
花陽「……」
シャンシャンシャン
シャンシャンシャン
花陽「ん?」
シャンシャンシャン
花陽「なんだろ」
花陽(トナカイ……ソリ……白髭)
花陽「ん?」
花陽「んん?」
真姫「zzz」
花陽「真姫ちゃん真姫ちゃん!」
凛「真姫ちゃん真姫ちゃん!」
真姫「……うぇっ」
花陽「真姫ちゃん真姫ちゃん!」
凛「真姫ちゃん真姫ちゃん!」
真姫「何よ……って、寝てた。あれ、サンタさんは?」
真姫「サンタさんをそれどころ扱いしない!」
凛「そんなんより、これ見てよ」
真姫「ん?」
超有名米1キロ
幻の麺5食分
真姫「何これ?」
凛「昨日、凛達がサンタさんにお願いしたプレゼントだよ」
真姫「はっ? えっ、なんでそんなものが」
真姫「えっ」
超高級トマト3個
真姫「ちょっと、これ私が頼んだプレゼント」
花陽「てことは……」
三人「サンタさんが来た!?」
凛「あっ、もしかしたら」
花陽「どうしたの?」
凛「夜中。トイレに行こうとした時、誰かとぶつかったような」
花陽「真姫ちゃんじゃなくて?」
真姫「ずっと寝てたわよ」
凛「その時、何か貰ったような……寝ぼけてたから記憶が曖昧だけど」
凛「かよちん」
花陽「私もトイレに行こうとした時、外でシャンシャンって鈴の音がしたような感じで」
真姫「それから」
花陽「窓の外を見た時に」
凛「うんうん」
花陽「トナカイを引き連れたソリに乗った白髭の人が空へ向かって行くのを見たの」
花陽「特徴的にも……うん」
凛「あり得るのかなぁ?」
花陽「半分寝ぼけてたから信憑性は……」
凛「んー」
真姫「ねぇ、二人とも」
凛「どうしたの」
真姫「これ、見て」
花陽「んー」
花陽「これが何か……あれ」
真姫「気付いたみたいね」
凛「どしたの」
花陽「ほら、ここ」
凛「んー」
ハッピーメリークリスマス
プレゼントは置いておきましたよ
お嬢ちゃん達
サンタより
花陽「つまり」
真姫「サンタさんが……」
三人「来たんだー!!!」
にこ『あぁ、サンタが来た?』
花陽「そうなの」
にこ『バカも休み休み言いなさいよ』
花陽「いや、本当に」
にこ『頭メルヘンなのは一人だけでいいから』
花陽「信じてよぉ」
にこ『じゃあ、もう切るから』
プーッ
凛「だね」
真姫「来年こそはちゃんとサンタさんに会うわよ」
凛「来年も来るにゃ?」
真姫「当然でしょ。もちろん、凛と花陽も一緒に」
凛「マジか。今度はラーメン一生分をお願いしとこ」
凛「何?」
花陽「探せば居るもんなんだね。サンタさんって」
凛「まぁ、凛の毛穴から宇宙の果てまで、世界は広いからね。何かしらいるもんなんだよ」
花陽「でさ、サンタが居るなら年明けは海未ちゃんと山登り?」
凛「するワケないにゃ」
♪~
凛「あっ、海未ちゃんからにゃ」
ピッ
凛「もしもし」
凛「いや、行かないよ」
海未『何故ですか? サンタさんが居たら山登りするって約束ですよ』
凛「それ、誰が言ったの?」
海未『誰って……もう説明が面倒なので強制参加ですよ』
凛「はい?」
凛「まだ何かあるの?」
海未『なんか絵里が怒ってましたよ』
凛「はい?」
海未『凛にポンコツだとか、なんとかで』
凛「言ってないし……」
凛(絵里ちゃんに直接は)
海未『それで、さっきそっちへ』
凛「は?」
「くぉぉぉぉぉぉぉらぁぁぁぁぁ!!」
「りぃぃぃぃぃぃん!!」
真姫「金髪のロシアンクォーターの鬼か何かじゃない?」
凛「……」
真姫「この辺、よく出るのよね」
花陽「物騒だね」
真姫「まぁ、鬼が出るのなんて日常茶飯事だし」
花陽「物騒だよねぇ」
真姫「さて、帰り支度でもしましょ」
花陽「そうだね」
凛「……」
凛「えっ?」
おしまい
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