pixabay
1300〜1340年にイギリス・ロンドンで発生した142件の殺人事件の詳細が網羅されたインタラクティブマップが登場した。
マップは、被害者の性別、殺人のタイプ、発生年、凶器、場所などで事件を絞り込むことができるし、殺人事件の現場のマークをクリックすると事件の詳細がわかる。
当時の殺人事件の発生件数は現在の15〜20倍も高かったというという。中世ロンドンにタイムスリップして、名探偵コナンよろしく事件の真相に迫ることができるのだ。
スポンサードリンク
1300〜1340年にロンドンで発生した殺人事件を収録
このインタラクティブマップは、イギリス・ケンブリッジ大学暴力研究センターによって作成されたものだ。
142件のマークをクリックするたびに、恐ろしい血の惨劇を目にすることができる。
服を盗まれた復讐、情婦に刺された魚屋、牧師の愛人と”座って”いたために殺された男など、事件はさまざまである。
London Medieval Murder Map — Violence Research Centre
共犯者焼殺事件
一例を紹介しよう。マップにある142件の殺人事件のうちの1件である。
1323年10月下旬、ロンドンのセントポール大聖堂そばで強盗事件が発生。検死官の報告によると、主犯はジャン・ドゥ・シャルトルというフランス人だった。
彼は共犯者のウィリアム・ウッドフォードと妻ジョハンナと共にミルクストリートの自宅で食事をした後、ブレッドストリートに赴き、あらかじめ目をつけていた家に侵入。整然と狙いの品を懐に収めた。
ところがウィリアムは、ジャンに後悔の念が溢れていることに気がついた。犯行がばれる危険を恐れたウィリアムは、ジャンにうやうやしく、キッチンに火を点けるよう頼んだ。
そして、ジャンが火をつけようとかがんだその瞬間、首をめがけて斧を振り下ろした。それから犯行の証拠隠滅のために、ジャンもろとも炎の中に消し去った。
pixabay
中世ロンドンの殺人の傾向
このマップには、いくつかの統計も用意されており、当時の事件の傾向についても知ることができる。
それによれば、殺人事件の76.8パーセントは午後5時から10時の間に発生し、52.8パーセントは一般の通りや広場で行われたという。
凶器の56.3パーセントはナイフで、31パーセントが日曜日に発生した。
暴力研究センターの説明によると、日曜日はお酒を飲んだりゲームで遊んだりする時間が長く、対人関係のトラブルが発生しやすかったことが原因だという。
殺人事件の6件に1件が酒場で起きているのは頷けるが、宗教施設も同じ割合であることは興味深い。一方、売春宿の記録は2件のみ。
さらに飛び道具による殺人はたったの1件。ある使用人が喧嘩をしている集団に向けて無差別に弓矢を放ち、サイモン・デ・ラ・ファーモリーという痩せた男が死んだ。
現在の15〜20倍という殺人発生率
統計でみると、当時のロンドンの年間殺人発生率は、現在のイギリスの15〜20倍も高いことがうかがえるが、暴力研究センターによると、これは非常に誤解させるデータだという。
現代の凶器は当時よりも非常に高度になっているが、それと同時に医療技術も大きく発達しているために、それらの影響も考慮しなければ実態が見えないという。
現在なら死ぬまでには至らない傷が、当時は死に至らしめたのだ。現在は殺人事件こそ減っているように見えるが、傷害事件に置き換えればさほど変わりはないのかもしれない。
だがロンドンの何気ない場所で多くの事件が起きていたことは確かなようだ。
もしかしたら今、自分がいる場所でかつて殺人事件が起きていたかもしれない。その場所で霊的現象が発生しているとしたら、何らかの関連性が示唆されるわけだし、日本にもこういうMAPがあるといろいろ便利だし、ちょっと怖くもあるけど、やっぱ見てみたいな。
References:The historical background Violence Research Centre/ written by hiroching / edited by parumo
あわせて読みたい
被害者の幽霊に悩まされた10人の殺人犯
連続殺人犯「ゾディアック」と同じ思考をするようプログラミングされたスーパーコンピューターが作り上げた不気味なポエム。事件解決の糸口となるか?
犯罪捜査に大きな変化をもたらした10の殺人事件簿
中世から今日まで語り継がれている、世にも不気味な15のミステリー
微笑みを浮かべた8人の凶悪殺人者たちの写真
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
いいね!しよう
カラパイアの最新記事をお届けします
「知る」カテゴリの最新記事
「歴史・文化」カテゴリの最新記事
この記事をシェア :
人気記事
最新週間ランキング
もっと読むスポンサードリンク
コメント