無人探査機が天体「ウルティマ・トゥーレ」に接近飛行…NASAが受信した画像を公開
1月1日、NASAの無人探査機「ニュー・ホライズンズ」が太陽系外縁(海王星の外側)にある天体「ウルティマ・トゥーレ」“Ultima Thule”に接近通過し、撮影したデータの送信に成功しました。
探査機が接近した中で、人類史上最も遠い天体であるとのことです。
New Horizons Successfully Explores Ultima Thule ? Solar System Exploration: NASA Science
(ウルティマ・トゥーレに接近する「ニュー・ホライズンズ」のイメージ画像 credit:NASA)
探査機「ニュー・ホライズンズ」は、人類初の冥王星を含む太陽系外縁天体の探査を目的とし、2006年にNASAによって打ち上げられました。
2015年7月に冥王星への接近飛行(フライ・バイ)に成功した後、カイパーベルト(※)にある天体ウルティマ・トゥーレへの接近飛行および撮影が次のミッションとして定められました。
(※カイパーベルトは海王星軌道の外側にある天体が密集した円盤状の領域)
サイズは約32km x 16km。ボウリングのピンの形状をしているのが確認でき、赤い矢印を軸にプロペラのように回転しています。ただし現時点では2つの天体が隣り合っているだけの可能性もあるそうです。
接近のチャンスは1度きりで、時速5万km以上で通過するため米粒サイズの塵に接触しても探査機は破壊されてしまうため、直前の3週間は飛行ルートに塵ひとつ浮かんでいないか徹底的にチェックされました。
そのため管制センターへの通信が確認されたときには、安堵と喜びに包まれたとのことです。
回転するウルティマ・トゥーレ。
すべてのデータを受信するまでに20か月かかるため、今後さらに精細なデータや画像が得られる見込みです。
こうした天体の調査により、太陽系の成立の究明が進むと期待されています。